バレーボールプレイや＾の道をあきらめた裕子は、いつまでも傷心に捉われず、吹奏楽部にカムバックすることにしたわ。中学時代にやってたユーフォニアムを引っ張り出してきて吹いてみると、結構いけたので、しばらくはこれに集中しようと思うの。ユーフォニアムの中低音のレガート演奏が大好きよ。

裕子はバレーボールの引退が悲しくて長いことお兄ちゃんの胸で泣いていたけど、もう大丈夫よ。傷心を払しょくできたわ。だから。お兄ちゃん、もう裕子を抱きしめてなくっていいわよ。どうもありがとう。心から癒されたわ。でも裕子のいろんなトコ撫で指すってくれたわね。

裕子はなかなか泣き止まないので、とことん抱きしめてとことん付き合うことにしました。

いよいよ引退を覚悟した裕子の英断を私は良かったと思いましたが、これを決断した裕子が可愛そうでなりませんでした。そこで裕子を思いきり抱き締めちゃった。裕子よ、私の胸で思いっきり泣きなさい。

全日本のチームやJOCからオリンピック強化選手になれと盛んにお誘いがあって、裕子もすっごく魅力だったわ。でも考どえてみると、裕子は普通の人でなく、特異な生命体なので、ドーピングチェックなんかあったらやたら面倒なことになりそうだと言うことを思い出したの。また大学を卒業したら、裕子ならではの特別な任務が待ってると言われているし、残念だけどあきらめるしかないわね。そこで、親友の双子の姉妹にクラブを託すことにして、バレー部を引退することにしました。

自分の欲求と自分の境遇との狭間にある裕子は、可哀そうにいつも綾見抜いていましたが、仲間とのチームプレーにはどうしても全力でぶつかってしまいました。少しは家世を働かせて、適当に手を抜くなんて忖度は裕子には望むべくもありませんでした。そして遂にインターハイ全国大会での優勝を勝ち取ってしまったのです。裕子には素晴らしい仲間がいっぱいいました。彼女らを裏切ることなんか裕子には絶対できませんでした。

インターハイでは裕子の脅威の脚長ジャンプで我が校は破竹の快進撃をしたわ。この頃から全日本のチームから盛んに勧誘が来るようになったわ。余り物事を深刻に考えることなんかない裕子だったのに、今回は難か悩みぬいてるわ。だって我が校は優勝したいし、あまり目立つと何の任務か知らないけれど将来のそれに差しつかえるし、裕子どうしよう。

裕子のジャンプ力はほぼ世界最高水準にあったわ。コンスタントに3.8mは飛べたわ。男子バレーでも十分通用するとも言われたわ。でも裕子は目立てば目立つほど憂鬱になってくるのよね。いずれ重要なミッションが待ってるらしいので、この道にとことん入り込むわけにはいかない様なのよ。まだそのミッションとやらは皆目教えてもらってないけど。また誰が知っているのかも全然分からないの。

裕子は進学高校へ入学してもバレーボールは続けました。そして時々は全日本チームや男子チームの中で揉まれてきました。でも裕子は脚が長いせいかジャンプ力が優れ、ブロックの時も段位プレイヤーよりも高く飛んでいました。そして手が長い分更に有利で、なまじっかのスパイクなんかはダイレクトスマッシュを掛けることが出来ました。

裕子は本当に脚の長さではだれにも負けないって？裕子には結構自信があるのよ。当時世界で最強だったロシアのチームに遊びに行ったことがあったけど、200㎝を超える超大女たちの中に混じっても裕子の股下長は負けてなかったわ。