｢局のディレクターさんが“ありがとう、よく協力してくれた。しんどかったろうけど、この特番はインパクト大きいで。”と裕子に言ったの。初めてねぎらいらしい、説明らしい言葉だったわ。そして更に，“君のおかげで，いささかマンネリ化していたこの番組に活が入ったよ。実はこの15分ぐらいの間に緊急トップマネジメント会議が招集されて，この路線をキープしろ！ていうトップダウン命令が下ったんだ。何とかあの鈴木裕子とやらをキープしろって言う命令付きでね。他所に渡すようなことがあったらお前はクビだとまで言われた。突然だけど，取り敢えず本番組と専属契約を結んでくれないか”って言うのよ。裕子，既にビックリがオーバーフローしてたのに，ますます追い討ちを掛けるように驚かされるのよ。“君はまさしくシンデレラ･ガールだ！”だって。
嬉しいことは嬉しいンだけど，才能とか性格とか仕事とかが評価されたんじゃなくて，単なるみてくれだけで評価されてる訳で，しかもどちらかと言うと３シグマを逸脱した奇形児的見てくれが評価されているような気がして，何だか急に悲しくなっちゃったの。そして，・・・・裕子 泣いちゃった。周りの人は何で泣いたか分からないんでしょうね。感激と思う人も多いんじゃないかな。」