「携帯からの重低音のメッセージは続いたわ。こんな風に。“裕子君、君の存在は既に1月前から知っている。実はベストターゲットとしてランキングしている。最高の獲物は最後に狩るのがコレクターの醍醐味と言うものさ。だから暫くは泳がしておくつもりだった。しかし、自分から罠に飛び込んでこようとするんだから困ったものだ。そこで、１つ、君と僕とでゲームをやらないか？ 裕子君は僕の指示に従って、世界中の美女と脚長を競ってもらいたい。もし君が勝ったら、今拉致しているコレクションを1人づつ開放することを約束しよう。だが、裕子君が負けたらそれでゲームオーバーだ。君を殺して標本に加えることにする。もし、君が100人の拉致人数分だけ勝ち抜けば、改めて２人だけで勝負をしよう。どうだ、現代版千一夜物語に乗ってみないか？”だって。
裕子は7分ほど考えてから、“いいわ”って言っちゃった。」