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from: Dr. スリップさん
2016/12/29 16:51:51
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“オートファジー”は自食作用のこと
「オートファジーのファジーの綴りは"phagy"で、曖昧なことを意味する"fuzzy"じゃあないってことぐらいは裕子も知ってるね。 」
「最初は自動ボケ?てなんだろう、天然ボケのことかなな~んて思ったけど、スペルが全然違うのね。TVニュースで解説してくれたんで何となくわかったような気がしたけど。でも、カタカナで書くと一緒なんで、分りにくいわね。」
「-phagyって言葉は一応は食い尽くすって意味なんだけど、単独ではほとんど使われないで、語尾で使われるから、なおさら素人には難しいね。そして大抵がallotriophagy(異食症)やanthropophagy(人食い)などの医学用語になってるから専門家しか分らないだろうね。」
「マクロファージのファージも同じ意味と思っていいのかな。」
「その通りだ、大食細胞て言って、抗原性の高い物質を何でも食べちゃう白血球の1種だね。裕子も結構勉強しているね。だから、このオートファジーてとは自食作用のことで、細胞内のタンパク質性の廃棄物を食って分解する作用を言うのさ。」
「ミトコンドリアを勉強してるとき、DNA変異を起こしたミトコンドリアが多数を占めると、パーキンソン病のもとになるなんて書いてあったけど、このオートファジーの話を重ねるとよく理解できるわ。」
「それが分かるんなら話は早い。アルツハイマーはアミロイドというタンパク質が脳神経細胞に沈積して引き起こすといわれているけど、このアミロイドも適当に食べてしまえば発症しないわけだし、癌だって同じことが言えそうだね。」
「大隅先生は、人のやらないことをやるのは面白いと言っていたけど、これはどんな意味なの?」
「遺伝子のどの部分がどんなタンパク合成に使われているかっていうテーマについては多くの研究者が携わっているが、逆にタンパクを分解することに関しては研究する人がほとんどいないってことらしいね。やってる人が少ない分野でなんか新しいことをやるとなんでもチャンピョンになれる、いわゆる草刈り場なんだって言いたいんだと思うよ。」
「な~るほど。裕介さんの話って分かりやすいのね。でも何で話に夢中になると裕子の膝を撫で始めるの。めっよ!」
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