｢でも何で今ボンドさんなの！って裕子咄嗟に叫んじゃった。そしたら、ボンドさんはゆったりとした低音で、君をこれから僕のパートナーに任命するから宜しくって言うのよ。何のことだかサッパリ分からないから、只ボーっとしてると、“僕の活躍は映画でよく知ってるだろう、これからあれをやっていくから、ボンドガールとなって僕を助けて欲しい。”だって。ますます分かんなくなっちゃった。でも、いきなりそんなとこに手を入れないで！｣
「いや、君の脚長には恐れ入ったよ。しかも日本人なんだからね。」

｢裕子がマンボをスキャットで口ずさんでいると、ジャングルの方からバリトンの歌声が唱和してきたの。そして体格のいい大男が現れたわ。今までのデジャビューで予測は出来ていたけど、やっぱし、出てきた人はジェームス・ボンドさんだったわ。｣

｢どうも裕子は海の中からあがってきたトコみたいなの。シュノーケルとゴーグルをしてたわ。ここでミスターＸと遭えるのかしら。｣

｢ようやく時間波が裕子を解放してくれたんだけど、でも時間波が去った後、何と裕子は一人ぽっちでビーチにとり残されてたわ。いつの間にか水着姿で。結構海は暖かいし、南海の孤島って感じね。これからどうなるんだろう。しかし裕子のプロポーションて、ホンとアンバランスだと自分でも思うわ。太腿は結構太めなんだけど、長すぎるのね。｣

｢何となく思い出したわ。このシーンて、ひょっとして００７？ 何で？｣