｢ せこいトリックをやってるゴールドフィンガーをうまくギャフンといわせたのは良いけれど、ボンドさんは片棒を担いでた女とあっという間に出来ちゃったのね。これが噂に聞いてる異常性能力ってやつかな。裕子が傍にいるにも拘らず、直ぐベッドインしちゃうんだから。裕子付き合ってられないわ。｣

｢ゴールドフィンガーはずっとポーカーに勝ち続けたわ。どっかにきっとトリックがあるに違いないと思って周りをずっと観察してると、相手が背を向けてる高層リゾートマンションのベランダに時々キラリと光るものを見つけたの。そのことをボンドさんに言うと、一目散にその部屋まで走っていったわ。うまくメイドからマスターキーを借りて、その部屋にそっと入ってみると、何とビキニの美女がぼんぼんベットに寝そべって、高倍率の望遠鏡で相手の手持ちのカードを覗いていたの。そして、ゴールドフィンガーの補聴器型無線機に情報を絶えず伝えていたのね。ボンドさんはその美女からマイクを奪い、ゴールドフィンガーに“せこい事はやめろ”って言っちゃったわ。｣

｢さっきエージェントの1人から指差された人はデブの叔父さんで、ドイツ俳優のゲルト・フレーべに似た人だったわ。彼が世の中の金を全部自分のものにしちゃおうとしてるのね。今この人はポーカーをやってるけれど、せこい如何様で巻き上げようとしてるしてるみたいなの。小金までこすく集めてんのね。｣

｢今度の相手は世界の金をコレクションしちゃうって奴らしいわ。それで世界経済をメチャクチャにしちゃうんだって。だからで出しはギャンブルの金が集まるラスベガスからって訳。取り敢えずボンドさんと連れ立って、ベガスへ飛んだわ。｣