裕子は翌朝、東尋坊へも立ち寄りました。立ち寄ったて言うけど、起点からどんどん遠ざかるみたい。でも気儘な1人旅を満喫しています。ここには数回来てるけど、何回来てもすごい迫力ね。てっぺんにある売店は気に入らないけど。

もう夕暮れ時になっていたけど、裕子は岸壁の母で有名な外地からの戦争復員者を乗せた船が着いたという埠頭に行ってきたわ。このお母さんはここで毎日息子が帰ってくるのを待っていたのね。でもシベリアに抑留された人たちは数年帰ってこなかったのよね。シベリアで強制労働させられて、多くの人が命を落としたって聞いたわ。確かに、韓国人に対し強制労働を強いたかつての日本は非道なことをやってたことは否めないけれど、当時ソ連だってもっと大規模に非道をやっていたのね。戦争に勝ったら後和算になるなんて変な話。人権は時代とともに重視されてきたんだから、過去のことを掘り起こしたら収拾がつかなくなるわね。産業革命時代のイギリスだとか、アメリカの黒人奴隷だとか、ナチによるユダヤ人ホロコーストだとか、今ではどうにもならないわ。だから歴史の進行攻に伴って過去を容認する寛容性が必要なんだと思うわ。

裕子は舞鶴線に乗り換えて、東舞鶴でおりました。
先ずは帝国海軍の遺産に1つの赤レンガ倉庫を見に行きました。
次いで、舞鶴港へ行って、今回のお目当てのヘリコプター搭載護衛艦「加賀」を見に行きました。この艦はいずれ空母に改造っすると阿部さんが言ってたけど、どう見ても航空母艦ね。排水量が20,000トン弱だから、戦争中の中型空母「飛龍」よりちょっと大きくなるかな。でも軍縮時代の日本と一緒で、すぐに空母にやりかえられる艦種を今でもいっぱい造ってるのね。潜水艦母艦（剣崎、高﨑、長鯨）だの水上機母艦（千歳、千代田）みたいに、このヘリコプター搭載護衛艦も「出雲」やらこの「加賀」やら「伊勢」やらいっぱいつくってるのよ。結構せこいことやってるのね。いずれ憲法を変えることを考えてるのね。

山陰本線の綾部駅から宮津線に乗り換えて暫く乗っていたけど、次は天橋立～という車内アナウンスを聞いて、エキセントリックに降りちゃった。

駅前からすぐケーブルカーに乗れるので、そのまま天橋立が見渡せる山頂に登ってみたわ。

裕子ちゃん、ここでは股覗きが有名だけど、反対に向いたらダメでしょう！お尻が丸見えだよ！

再度鈍行に乗り換えたら、結構すいてるにも拘らず、背後で感じていたストーカー痴漢殿が遂に正体を現したわ。裕子の周りはガラガラなのにも係らず、大胆にも至近距離に近づいて来たの。そして、先ずスカートの上からお尻を触りだしたわ。更に前に回ってスカートの中に手を入れてきたの。これはもうしらばっくれた痴漢行為でなくって、脅迫状態での強制ワイセツだわ。
　遂に裕子も堪忍袋の緒が切れたから、エイヤーって裕子の長い脚を利用した、脳天から竹割をお見舞いしちゃった。こちらも強制撃退よ！

裕子はもう少し脚を縮めてみたわ。でも逆に脚が立っちゃって不自然なのね。皆さんご迷惑おかけします。

ゆったりとした快速でも人は乗ってくるわ。でもって、1人でボックスシートを占領してるわけにはいかないので、脚をできるだけ縮めてみたわ。でもこの長い脚はやっぱり邪魔ね。どうしようもないけど。

ゆったりした快速に乗り継げてほっと一息付けたわ。でも対面シートでシート間が狭いから、脚の置き場に困るのよね。誰もいないからおもいきって脚を延ばしちゃオーッと。

満員電車の乗り変えはしんどいわあ。スカートなんかすぐ捲れちゃうのね。そして、どの電車に乗っても背後に痴漢の鼻息を感じるは。裕子は合気道の免許皆伝だから、いざとなったら、エイヤーとやっちゃうんだけどね。

鈍行の乗継旅行だから、都会ではやっぱし満員電車に乗るっきゃないのね。こんなに混んでると、なんだか後ろに痴漢がいるような気がしてくるわ。常時じゃないけど、振動に合わせてコニョコニョされてるみたい。