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恋愛小説発表会〜時にはノンジャンルで〜

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公開 メンバー数:6人

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  • from: エリスさん

    2010年03月25日 11時32分31秒

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    「m(_ _)m」

     明日は用事があるので、今日更新しようと思っていたのですが……。

     外科の病院に行ってきます。

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  • from: エリスさん

    2010年03月19日 13時52分27秒

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    「阿修羅王さま御用心・26」
     「ところが! 片桐宗家と、分家である光影寺住職家、そして草薙家はね、昔から関わりが深くて、互いに嫁を貰いあったり、養子に貰ったりで、血が近いのよ。現に、タケルの曾祖母と私の曾祖父は兄妹なのよ」
     「マジか!?」
     「なァに? そんなに私と親戚になるのが嫌なの?」
     「やだね! もしおまえそっくりな子供が産まれたらどうする! 同性にしか好かれない子供になるじゃないか!」
     「失礼な男ね、本当に。第一、それって私に似なくても……そういえば、茶川はどうしたの?」
     茶川暹(ちゃがわ せん)――龍弥をこよなく愛する、文芸創作科きっての男色家である。一応、龍弥の友人の一人ではあるんだが……。
     「ああ、茶川さんなら、いま入院してます」
     と灰谷が言うと、

    龍弥「アキラ、余計なことは言うな」
    郁子「なに? どうかしたの?」
    灰谷「それがですね、北上先輩」
    龍弥「オイッ! アキラ!」
    灰谷「茶川さん、龍弥さんに大事なところを蹴られまして。まあ、大した怪我じゃないんで、
       心配ないそうなんですが」
    龍弥「アキラ!!」
    郁子「なァに、黒田ったら、また茶川に押し倒されたの?」

     なので龍弥は渾身の力を込めて言った。「未遂だ、み・す・い!」
     黒田が一番いやなこと――それは、自分が男に好かれやすい容姿だということ。
     「あなた、いっそのこと男辞めて、女になったらどう? その容姿(華奢で小柄な美少年)なんだから」
     郁子のいうことはもっともだった。
     そんな時――講堂の扉が開いて、誰かが顔を出した。
     「あっ、いたいた。龍弥くゥ〜ん!」
     見れば、本当に学生か? と言いたくなるようなケバイ化粧と派手で露出の多い服を着た女が、龍弥に向かって手を振っていた。
     「オウッ! もうちょっとだから、アーチの下で待っててくれ」
     「ハァ〜イ! 早く来てね (^_-)-☆ 」
     それを見ていた「永遠の風」の面々は、茫然自失に陥った。(特に建が)
     郁子は一番近くで見ていただけにショックも大きかったが、すぐに自分を取り戻して、女が消えてから龍弥に言った。
     「昨日までの女と違うようだけど」
     「ああ、あいつとは別れたんだ」
     『捨てた、の間違いじゃないのかしら (;一_一) 』と郁子は思ったが、怒りを表情に出さないように努めて、
     「で? あれが新しい彼女?」
     「いや。それは今晩‘試して’から決める」
     「あんた、やっぱり顔出さなくていいわ <`ヘ´>他の会員に悪影響だから

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  • from: エリスさん

    2010年03月19日 12時10分43秒

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    「阿修羅王さま御用心・25」
     「佐保山さんの脚本、読ませてもらったよ。先ず、ストーリー構成に問題はない」
     と龍弥が言うので、郁子は、
     「当たり前でしょ? 姉様を誰だと思ってるのよ。高校生の時からプロの小説家である川村郁(筆名)よ」
     「そりゃそうなんだけど……でも、時代設定上の間違いって言うのもあるんだ」
     「姉様に間違い? 失礼な……」
     「おまえ、本当に俺の話を聞こうって気持ち、ないだろ?」
     「そんなことないけど、でも、姉様の方が信用できるもの」
     「つまり、俺は信用できないってことか!」
     そこで灰谷かせ仲裁に入る。「まあまあ、女性相手に熱くならないで」
     「そうだな、こいつも一応、女だからな」
     「一応だけ余計よ、黒田。――それで? 間違いってなに?」
     「今参りの局が、乳母なのに義政の子供を妊娠するんで、日野重子にこっぴどく叩かれるシーンがあるだろ? あれはありえないぞ」
     「ありえない?」
     「あの当時――いや、それ以前からかな。乳母っていうのは、全部が全部じゃないけど、自分が育てた子供が元服するとき、いわやゆる“手ほどき”をしてやる風習があるんだ。皇族の男子が元服する時、添い伏しっていうのがあるだろ?」
     「ああ、それなら知ってるわ。源氏物語に出てきたから……でも平安時代ではまだ、ただ添い寝するだけよね?」
     「時が室町に移ると、そうもいってられなくなったんだろ。実際、平安時代でも添い伏しに立った女性は皇子の妃になるじゃないか。つまり、責任を取らなきゃならない状況になっちまうんだろ、やっぱり」
     「これだから男っていやよね。節操無しで」
     「オイオイ、男だけのせいかよ (-.-)」
     「とにかく、そのシーンは書き換えか、もしくはカットが必要ってことになるわね……」
     郁子はその時、自分たちに向けられている視線に気付いていた。隠れるように、それでも強く向けられる視線……。
     それが誰の視線か分らぬはずもない。
     『これは使えるかも……』
     そう思った郁子は、「ねえ、黒田」と、グイッと彼に接近した。
     視線の主から殺気のようなものが発せられた。
     「なっ、なんだよ、いきなり!」
     びっくりしながら龍弥が言うと、
     「そのままの状態で、これを見て」
     郁子は手鏡を出して、黒田の遠く背後にいる視線の主の姿を映した。――それには、女子会員たちに混じって、建が映っていた。その表情を見て、
     「へェ……」と、龍弥は喜んだ。
     「俺たちに嫉妬してくれてるんだ……」
     「うれしい?」
     「オウ。あいつも可愛いとこあるじゃん」
     二人の会話が聞こえているわけではなかったが、自分のことを話していると気づいた建は、ツイッとどこかへいなくなってしまう。
     「あんた、これからもちょくちょく来なさいな。タケルのいい刺激になるから」
     「日野富子の心情か?……あっ、それであいつが主役に抜擢されたのか」
     「そう。私じゃ、昔の彼とよりが戻ったから、今はこんな気持ちになれないって、姉様が判断したの」
     「ふうん……じゃあ、来ようかな」
     龍弥が素直に喜んでいるのを見て、郁子も灰谷も微笑ましくなる。常日頃からそうしていれば、建ともうまく付き合っていけるだろうに、この二人は素直じゃない。
     「いっそのこともう、プロポーズしちゃったら? 龍弥さんがそこまで執着する女の子って、本当に珍しいよ」
     と灰谷が言うと、
     「それには色々と問題があるんだよ。してもいいけど。なァ。北上。本当におまえと彼女って親戚なのかよ」
     「そうよ。同じ片桐の血を汲んでいるの――江戸時代のころ、片桐宗家に三人の男児が生まれたの。そのうち長男は宗家を継いで、次男は幼いころに病気で失明したことから仏門へ入り、光影寺の娘と結婚して、寺を継いだの……それが私のおばあ様の実家で、私の先祖になるの。残る三男は、側室腹だったんだけど、武道に秀でていて、芸術的才能もあったので、片桐家の御庭番だった草薙家にちょうど男児がいなかったから、婿養子に出されたの。それが建の御先祖様よ」
     郁子の説明で、龍弥は安堵した。
     「なんだ、親戚って言ってもそんなに遠い親戚なのか。だったらあまり……」
     

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  • from: エリスさん

    2010年03月18日 20時39分27秒

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    「Re:もうバレ その結果。またまたその結果。」
     体がだるくて、ヤル気が出ません。


     明日の小説アップは短くなるかも。

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  • from: エリスさん

    2010年03月16日 17時38分16秒

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    「Re:もうすぐバレンタインですが…… その結果。」
    とりあえず、ゲームの世界に逃げ込むことにしました。

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  • from: エリスさん

    2010年03月15日 17時46分21秒

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    「Re:もうすぐバレンタインですが…… その結果。」
     本命チョコと気付いてもらえず、


     普通に義理チョコのお返しをいただきました。


     その方(かた)、もうすぐ職場を離れるので、私にはまたもや長い冬が訪れることになりました。

     もう二度と春は来ないかも。


     恋愛小説を書いてるのに、書いてる本人は寂しい奴でスミマセン。
     「人間失格」の中で、葉蔵が「生まれて来て、すみません」(堺雅人Ver.で読んでください)と言ってましたが、今の私がそんな心境です。

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  • from: エリスさん

    2010年03月12日 14時33分28秒

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    「阿修羅王さま御用心・24」

     黒田龍弥が灰谷彰と一緒に講堂に入ってきた時、建は舞台の上にいた。
     「そうよ……御今(おいま)を憎んでいたわ」
     建は義政役の瑞穂と向き合っていた。
     「乳母の立場にありながら、あなたからのご寵愛をいただき、あなたを独占し、それに罪悪感すら持たない、清らかな心根の彼女を、ずっと……ずっと憎んできたわ! どうして! どうして彼女なの? 幼いころからあなたのことを想ってきた私ではなく、なぜ彼女ばかりを愛されるのです? その他にも大勢の側室たちをお抱えになったりして……私という者がずっと傍におりましたものを。……御今など見ないで、他の女なんて見ないで、私だけを愛して!! 私にはあなただけなのに!!」
     途端、あたりがシーンと静まり返った……。瑞穂など、次の自分の台詞すら忘れている。そのことを誰も指摘できないほど、一同、その迫真の演技に圧倒されてしまっていた。
     真に迫っている――無理もない。実際に建が最近感じている思いの丈を台詞に乗せて口にしているのだから。
     郁子はその出来に満足していた。
     「瑞穂、台詞忘れちゃ駄目でしょ?……しばらく休憩にするから、今のところまた始めるわよ」
     そこかしこから返事が戻ってくる。
     会員たちが動きだしたのにホッとした灰谷は、まだ少しボーッとしていた龍弥に耳元で言った。
     「耳が痛かったんじゃない? 龍弥さん」
     「うっ、うっさい(うるさい)な!」
     龍弥のその返答に、彰はおかしそうに殺し笑いをする。
     そこへ、舞台から降りてきた建が来て、二人に声をかけた。
     「なんでおまえ達がここにいるんだよ」
     先刻とは打って変わった男声である。
     「随分な御挨拶だな、草薙。今回は俺だって協賛者のはずだが」
     「協賛?」
     龍弥は一冊の分厚い本を差し出した――「日野富子伝記」著者・日野龍一郎。
     「俺の死んだ親父は、あの日野氏研究の第一人者にして日野氏の流れをくむ、小説家の日野龍一郎なのさ……知ってただろ?」(父親の死後、母親が再婚したので黒田姓になった)
     「だから」と灰谷が補足した。「佐保山さんに協力を頼まれたんだってさ。四月からは僕たちもサロンに入れてもらえることになったし」
     「そうなると、自動的に俺もこのサークルとは関わってくるようになるのさ。それともなにか? これ持ったまんま帰ってもいいのか? 知らねェぞォ、あとで佐保山さんに叱られても」
     建は言い返すことが出来なくなってしまった。
     「そォれ、欲しいか? 欲しいか?」
     龍弥がガキっぽい意地悪をしてみせるので、グググッと言葉が詰まった建は、歩み寄ってきた郁子に泣きついたのだった。

    建「アヤ姉ちゃ〜ん 。。。(>_<)。。。」
    郁子「ハイハイ、ヨシヨシ、泣くんじゃないの(と、背中をさすってやる)
      黒田、あんまりうちの妹分を泣かしてると、‘あのこと’バラすわよ」
    龍弥「え!? ……あのことって、まさか……」
    郁子「あのことで駄目なら、あのこととか、あのこととか、あのこととか!」
    龍弥「待て! 俺が悪かったァ!」

     ……って、龍弥。おのれはそんなに郁子に弱みを握られてるのか?
     そんなこともあって、休憩時間は少し伸び、郁子は郁に代わって龍弥から話を聞くことにした。

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  • from: エリスさん

    2010年03月05日 15時16分32秒

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    「阿修羅王さま御用心・23」


     次の日の放課後
     沙耶は千鶴を連れて「永遠の風」の稽古を見学に来ていた。ついでとして……。
     「アヤさんが大変な時なので、おやつに困っていると聞いたものですから、作ってみたんですけど、お口に合うでしょうか?」
     沙耶は人数分の寒天ゼリーを持ってきてくれたのだった。その見た目の美しさと涼やかなこと、文句の言いようがなく、また食してみると味も最高に美味だったので、会員一同、いい人が知り合いになってくれて良かったと感謝するのだった。
     「紅藤ちゃん、これからもうちの稽古に来て来て☆」
     と建が言えば、瑞穂は、
     「いっそのこと、うちに入っちゃいなよ!」
     すると千鶴は言った。「冗談はよして! 沙耶はうちのスタッフなのよ!」
     「なによ、怒んなくったっていいでしょ? 第一、なんであんたまで来てるのよ。お呼びじゃない人は帰ったら」
     「なァんですってェ!」
     この二人の口喧嘩はいつものことなので、誰も止めに入らなかった。演劇科のライバル同士、切磋琢磨するのも悪くはない。

    千鶴「いいこと! 夏季公演の〈春日局〉で、美少年の竹千代を演じるのは、
      私ですからね!」
    瑞穂「何言ってんの。竹千代ったら未来の将軍様なのよ。ただ美少年に化けれ
      ばいいってもんじゃないの。幼い中にも威厳のある若者を演じられるのは
      この私だけよ!」

     そこへ、着替えを終えた郁子が楽屋から出てきた――白の長襦袢の上に青紫の着物をかさねている。郁子らしい気品ある‘稽古着’だった。
     「タケル、あなた、稽古着は? 今日から着物か浴衣で稽古してみて、立ち居振る舞いを教えるって言っておいたでしょ?」
     郁子が言うと、建は頭を掻きながら言った。
     「ゴメ〜ン、今日はちょっと……」
     そこで、舞台衣装スタッフの一人である鍋島玲子(なべしま れいこ)が言った。「すみません、私が悪いんです」
     「ん? なぜ?」
     「私が、今までのお詫びに草薙さんの稽古着にする浴衣、縫うって言ったんですけど……まだ出来上がってなくて」
     「仕方ないよ」と建は言った。「鍋島ちゃん、授業の課題も作らなきゃいけないんだろ? 別に急ぐことないから、気にしないで」
     急ぐことなんだけど……と郁子は思ったが、建の気持ちも分かるから黙っていた。
     「あの……」と、沙耶は口を開いた。「今、私が着てるやつ、お貸ししましょうか?」
     「え? 悪いよ。汚すといけないし」
     「いいんです。これ、自分のですから安いんです」
     その言葉に驚いたのは服飾デザイン科の智恵と玲子だった。――んなに質のいい着物を安いと言うなんて……凄いお嬢様だ。自覚がないんだろうか?――という具合に。そう、沙耶は自分がお嬢様であることを全く自覚していない。もちろん、物の価値はそれなりに分かってはいるのだが、「安い」と言える値段の範囲が凡人と違うのである。
     沙耶がちゃんとした物の価値を持てるようになるのは、自分が就職してからのことだった。
     建の目にも沙耶の着物が良い品であることは分かったが、郁子に、
     「座ったり、倒れたりっていう稽古はしないから、借りたら?」
     と言われ、ありがたく借りることにした。
     「それじゃ私、着付けを手伝うわ」
     玲子がそう申し出て、建と沙耶と三人で楽屋へ入っていくのを確認してから、有佐は口を開いた。
     「タケルと鍋島さんって、完全に誤解が解けたみたいね」
     なので、紀恵が説明した。
     「私たちも一安心してます。鍋島さんが黒田さんの親衛隊のNo.1だった時は、タケルったら、彼女と黒田さんが一緒にいるだけで沈み込んでたんですけど、それもこれも、鍋島さんがあのゲイの茶川に近づくために黒田さんが協力してあげてたんだと知った今は、あの通り仲良くなりまして」
     「だけど、茶川に因縁つけられてたタケルを見て、茶川の新しい‘ボーイフレンド’だと鍋島さんが誤解してたなんて、予想外でしたよね、あれは」
     と言ったのは桜子だった。
     なので郁子は言った。「それだけタケルが美少年に見えるってことなんだけどね」
     「それなんだけど……」と有佐は言った。「本当にタケルに女役ができるの? 確かに、本読みの段階では女らしい声でやってたけど。今回のカールの考えた配役には、どうも頷けない部分が多いのよね」
     「大丈夫ですよ、アーサさん。見ていれば分かりますよ」



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