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from: エリスさん
2011年04月22日 12時48分18秒
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「夢のまたユメ・19」
二人っきりになれる場所は、割と簡単に見つかった。
百合香は部屋を取るのも何もかも、翔太に任せていた。ラブホに来るのが初めてだからではなく、最後に利用したのが21歳の時――かれこれ18年も前のことなので、勝手が分からないのである。
そして部屋に入ると――これも突飛すぎる造りで絶句した。
「もっとオーソドックスな部屋はなかったの?」
窓際にある遊園地のプールを小さくしたようなお風呂を見ながら百合香が言うと、
「ごめん。このホテル、こうゆうのが売りらしくて……普通の部屋は全部埋まってた」
「今日は祝日だものね……」
と百合香が答えた意図は『昼間でも利用してるのは私たちだけじゃないってことね』ということだったが、それを分かっているのか、翔太はこう答えた。
「いや、予定通りファンタジアで映画見てたら、普通の部屋しかないホテルに行けたんだけど……」
「ごめん、私が我がままだったせいね」
「いや、俺も前もって言っておかなかったから……あっちに普通のバスルームもあるから、そっち使えば」
「うん、そうする」
百合香が普通にしていられたのは、そこまでだった。
部屋の明かりを消し、カーテンから洩れる光だけでベッドに横たわってからというもの、百合香は嬉しさと恐怖心とが入り混じった気持ちで、自分では動くこともできなくなった。
翔太にされるままになっていることは苦痛ではない。
けれど、左利きの彼は予想もできない動きを突然するので、声をこらえていられなくなる。
時折、嫌なことを思い出しそうになる――でもそれも、翔太が与える快感が掻き消してくれる。
「しょ……う……た……」
百合香の唇から声がもれると、その唇を翔太が自分の唇でふさいだ。
「リリィ……目を開けてよ。さっきからずっと閉じてる」
百合香はそう言われて、ゆっくりと目を開いた――目の前に、翔太の顔がある。
「やっぱり、怖い?」
「あっ……ううん、そんなこと……」
「隠さなくていいよ。体が緊張してるの分かるんだ。ホラ、手なんかずっと……」
翔太はそう言って、百合香の右手を撫でてきた――ずっと、百合香の両手はシーツを握り締めていた。
「良く見て、リリィ。俺は、リリィにセクハラした変態ジジイとは違う。リリィが嫌がることは絶対しないし、見たくないものは見せないようにするから」
百合香はそれを聞いて、微笑んだ。
『ちゃんと気にしてくれてるんだ』
確かに番う。印刷現場の薄暗い場所で見せられた、五十を過ぎて浅黒くなったシワだらけの体と、目の前にいる翔太の体では。
百合香はそっと翔太の胸に触れてみた。
「すべすべしてるのね、男の人の肌も。それに艶もある。なにより、鍛えてるのね、胸板が厚いわ」
「学生時代は野球部だったから」
「うん、そうだったわね。だから、翔太の体は綺麗なのね」
「リリィのが綺麗だよ。色白いし、張りもある……ホント、40歳目前とは思えない」
翔太は百合香の首筋にキスした。
「百合香――その名前にピッタリだ」
「……母の願いがこもってるの」
百合香はそう言うと、両腕を翔太の肩あたりで絡めた。
「お母さんの?」
「聖母マリアの象徴でしょ? 百合の花は。だからよ」
「マリア様のように気高く――ってこと?」
翔太の言葉に百合香はニコッと笑った。
「あとで分かるわ」
その意味が分かるまで、まだしばらく時がかかった。緊張感から解き放たれた百合香が美しい声でさえずって見せるので、翔太がいつまでも聞いていたくなったからだ。
そして、翔太がとうとう堪えられなくなった時、彼は耳元でささやいた。
「……いい?」
百合香は目を閉じて、答えた。
「お願い……」
百合香は彼の両肩にしがみ付くようにして、その時を待った。そして……。
「くっ!……」
悲鳴をあげたいのを必死にこらえ、歯を食いしばり、両手が翔太の肩を握り締めた。
相手が苦痛を感じているとすぐに気づいた翔太は、彼女から離れた。
「まだ痛い? 早かった?」
「ううん、違うの……」
苦痛に顔をゆがませていた百合香は、それでも呼吸を整えて、平静を取り戻そうとしていた。そして、翔太に微笑んだ。
「これが、さっきの答え……」
「あっ……」
聖母マリアと言えば、純潔のままイエス・キリストを身篭った“穢れなき乙女”。
翔太はそれに気づくと、明るい表情になった。
「なるべく痛くないようにするから、ちょっとの間、我慢して」
「うん……」
二人はキスをしてから、互いにきつく抱きしめあった。icon
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from: エリスさん
2011年04月18日 20時45分29秒
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from: エリスさん
2011年04月10日 14時21分33秒
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「夢のまたユメ・18」
映画を見終わったあと、二人は同じショッピングモールの中の喫茶店に来ていた。
「いやァ〜! 格好よかったねェ!」
冷たい水を飲んだ後、翔太はそう言った。
「ね? カッコよかったでしょ?」
百合香も大満足な笑顔だった。「で、何にする?」
「俺はコーヒーでいいよ」
「飲み物だけでいい?」
「うん。映画見ながらさんざん食べたからね」
「それじゃ……」
百合香はウェイトレスを呼び寄せると、自分のアールグレイと一緒に注文した。
「特に良かったのがスカルだよな。もう、主演はスカルだと言っても過言じゃないよ」
翔太が言うので、
「分かる分かる。あのスカルのカッコよさがあるから、スカルの意志を継いだW(ダブル)の格好よさにつながるのよ」
「そうだよな。オーズまでがWのことを“カッコイイ〜”って賞賛しちゃうぐらいカッコいいのは、すべてはスカルが原点だからだし」
「だけど、全体的にWの出番が少なかったのが残念だったかな。夏の映画が物凄くよかっただけに……」
「そりゃW単独の映画だったから。今回のはオーズとの共闘ってのが売りの映画なんだから、仕方ないって」
「そうね……まあ、総合評価として面白かったから、いいわ」
二人は注文したものが届いても尚、仮面ライダー談義に花を咲かせていた。
「ところで、オーズの話に出てきた、あの舞姫は誰だと思う?」
今回の「仮面ライダー×仮面ライダー オーズ&W feat.スカル MOVIE大戦CORE」のオーズの話には、クローン技術によって甦った織田信長が出てくる。(子孫の方々から苦情はでなかったんだろうか?)その中で、信長は自分を死に至らしめた武将たちの子孫に復讐して歩くのだが、なぜか明智光秀の子孫であるバレリーナの娘に恋心を抱いてしまう。彼女が踊っている姿を見て、過去を思い出す信長の回想シーンの中に、バレリーナに瓜二つの女が出てくる。その女――舞姫が、信長に舞を献上しているのだが……舞姫の名はあえて語られていなかった。
「俺は二人考えられると思う。一人は、俺よりリリィのが思い当たるだろ?」
「ええ。信長の正室で、美濃の斎藤道三の娘・帰蝶(きちょう)。またの名をお濃の方(美濃出身の正室、という意味らしい)」
政略結婚で結婚した二人だったが、信長と帰蝶の仲は睦まじかったと言われている。破天荒な性格の信長には、蝮の道三と恐れられた父を持つ、帰蝶のような恐れ知らずな姫君の方がお似合いだったのだろう。その帰蝶の母親と明智光秀の父親が兄妹なので、帰蝶と光秀は従兄妹になる。したがって、光秀の子孫に帰蝶に似た娘が生まれてきても不思議ではない。
「リリィの猫の名前の“姫蝶”って、ここから来てるんだろ?」
「そう。背中にアゲハチョウみたいな模様があるもんだから、蝶の付く名前がいいなって考えてたら、そうなったの。そのころ読んでた漫画の影響もあるかな」
「帰蝶が出てたの?」
「そう。豊臣秀吉が主人公の話なんだけど。別の次元からもう一人の秀吉が出てきたり、最後にはタイムスリップしていた秀吉が本能寺の変の真っ只中に現れて、信長と蘭丸を強引に連れ出して、一緒に外国に行っちゃうの」
「すごい話だね (^_^; 」
「ただの歴史漫画より、こうゆうアレンジを加えたものの方のが好きなの」
「うん、俺も好きかも。今度貸して」
「持ってはいないのよ、雑誌に連載していたのを読んでただけだから。サ○デーに連載してて……漫画喫茶に置いてあるんじゃない?」
「よし、探してみよう」
「で、もう一人の舞姫候補は?」
「光秀の妻の煕子(ひろこ)だよ。煕子があんまり美人なんで、信長が横恋慕していたって説があるんだ」
光秀の妻・妻木煕子は光秀と結婚する前は美女で有名だったが、光秀との結婚直前に疱瘡にかかり、顔に痕が残ってしまった。そこで煕子の父親は煕子そっくりの妹を代わりに嫁がせようとしたのだが、光秀が、
「わたしが妻にと望んだのは煕子殿だけです」
と、突っぱねた(天晴れな男気である!)。こうして光秀と煕子は結婚し、子供にも恵まれた(その中に、これも美女で有名な細川ガラシャこと珠子がいる)。
「でも、疱瘡の痕なんて化粧でどうにでも誤魔化せるものだろ?」と翔太は言った。「だから、信長が煕子を気に入ってしまって、煕子がなんかの用事で登城した時に、後ろから抱きついたことがあるんだ」
「とんだエロ親父ね」
「だよね。そしたら、煕子がその手を振り解いて、“無礼者!”って扇で信長の顔を叩いたらしいんだけど、信長はまたその強気なところに惚れ込んでしまって……」
「ああ、帰蝶に通じるところがあるのね」
「そうなんだ。だから本能寺の変の本当の原因は、信長に妻を奪われるんじゃないかって、光秀が恐れたからこそ起こした物だって言われているんだ」
「愛する妻を守るためだったのね……そう思うとロマンチックね」
「だから、この映画の舞姫は煕子だった可能性もある。煕子の子孫は光秀の子孫でもあるわけだから、当然、光秀の子孫のバレリーナが煕子に似ていてもおかしくない」
「そうゆうことね。映画ではそこらへん、はっきりさせてないけど、歴史好きの大人だったらこれぐらいの想像は膨らませられる。でも、仮面ライダーって基本は子供向け映画なのに、いいのかしらね」
「いいんじゃん? 基本はどうあれ、実際は大人も見てるわけだから。きっと、今日見てたお子さんたちも大人になってからDVDやブルーレイで見直して、その時に初めて気づくんだよ。〈この舞姫は帰蝶だ〉〈煕子だ〉って」
「そうね、そうなるかもね」
ちょうどそのとき、お店の柱時計が3時を知らせた。
百合香は自分の腕時計を見ながら、
「そろそろ出ましょうか?」と、聞いた。
「このあと……行きたい所、ある?」
「ううん、特には。今日のデートプランは翔太が考えてくれるって言ってたから、私はなにも考えてないわ」
「それじゃ……」
翔太は咳払いをして、百合香に顔を近づけた。
「二人っきりになれる……とこ、行かない?」
「二人っきり?」
と聞き返してから、百合香はすぐに思い至った。
「えっと……早すぎない?」
「だって、リリィは家のことがあるから、夕方までには帰りたいんだろ?」
「そうじゃなくて……時間のことじゃなくて……初デートで、そういうのって……」
百合香は恥ずかしくなって顔を背けてしまった。
「早いって、リリィは思うかもしれないけど、俺としては……好きになってから、かなり待ってたんだ、ずっと」
確かにそうなる。それに、百合香だって実は早くそうなることを望んでいた。ただ、母親から受けた教育には「慎み」という概念があったので、すぐに答えが出せないでいたのである。
「……いいわ」
百合香は翔太の方へ向き直った。
「連れて行って、翔太」icon
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from: エリスさん
2011年04月08日 18時36分29秒
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「Re:先日、変なメールが届きました」
小説アップは明後日する予定です。
例の迷惑メールですが、着信拒否にしても、ドメインを変えてまた来るので、DoCoMoの迷惑メール対策設定を最強にしてみました。
そしたら来なくなったのですが…………TSUTAYAのお知らせメールも来なくなってしまったような? たまたまかな?
他のジャニヲタの皆さんのところにも届いてるんですよね? 皆さんはどうゆう対策をとりました?icon
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