一昨日、ある方と今生の別れをしました。

　周りのみんなには、どうして追いかけない！　力技でもいいから引き留めろ！　等々、いろいろと諭されたんですけど……私ひとりの力でどうにかなる問題でもないし、第一相手が私の庇護など望んでない。潔く引いていったんだから、むしろ褒めてあげるべきだわ。

　まあこれで、この世で生きている間は二度と会えない環境に追いやられてしまいましたが――ここで毎度おなじみ、携帯の占いサイトで前々から占っていた結果をご報告致しますとですね、実は私とその人とは、すでに前世で関わりを持っていたそうです。今生で巡り合ったのも、
　「あいつ、元気でやってるかなァ？」
　ぐらいな気持ちで、お互いの魂が呼び合ったせいだと……。
　前世での関わりって、もしかして私はあの人の母親かなにかだったの？　そう考えると、今までの私の気持ちが妙に納得できるから不思議だ。私のその人への気持ちが「母性愛」だったとすると、いつ再犯を犯すか分からない人物をその人から遠ざけようと躍起になった事も、すごく素敵な女性がその人の恋人候補にいることに安心している自分がいることにも、すべて説明がつく。
　実際に母親だったのか、もしかしたらお姉さん、従姉、だいぶ離れて近所のお姉ちゃんぐらいの関係だったのかもしれないけど、とにかく私はその人のことを母性愛で見ていたことは間違いなさそう。
　だったら、来世でもきっと出会えるから。その時を楽しみにしておくわ。

　私の方はそんな感じですが、その人にとっては、今生の間であと一度だけ私の存在を意識することがあるかもしれませんね。
　それは、私が死んだとき。
　このまま私に実子がなく、養子も養女もなく、兄にも子供がいなかった場合。私の遺産を引き継いでくれる人がいなくなるから、そうなったらその人に任せようと思っている。
　実は生活費以外のところで、あと４回は自費出版できるだけの貯えがあったりするんだ(^_^)v　なんせ母の遺産も引き継いでますから。
　なるべくその貯えが減らないように、今は仕事と家事を両立させながら生活していますが、今後は「増やす」ことも考えて、いずれ私の――というか、我が家の後継者に託したいですね。その候補として、その人の存在も数に入れています。
　うちの本家に跡取りが生まれなかったから、本当は「本家の長男」である我が父の、その血を引く私か兄が実子を残すのが義務なんでしょうが、この分じゃ無理だろう(-_-)
　とはいえ、実子も養子もいなかったら、の場合ですから。居たらその子たちに遺産は引き継いでもらいますよ。
　なので、遺言書もぎりぎりまで書かないつもりでいます。晩年になってから縁あって養子を迎えるかもしれないし。
　つまりですね。今すぐ私を殺して、
　「遺産相続人の妻です！」
　なんてうちの家族をだまそうったって、そうはいかない、ということ。今これを見ていて考え付いた人、浅はかな考えは捨てましょうね。（私の実物を知らないと出来ない相談だけど。ネットの世界は怖いから(－－〆)）


　えらく先の話をしているなァ……と思っている読者の方。
　こうゆう風に考えないとやっていけないからですよ。
　これから死ぬまで、会いたいのに会えないもどかしさを、ずっと引きずらなければならないんですよ。それこそ占いにでも頼って、ポジティブに考えていかないと、魂が枯れちゃいますって。

　でも、会えなくなってしまっても、私がその人を応援する気持ちは変わりません。私が一番その人に言いたかったことは、直接言う機会がなかったので、ここで連載している「秘めし想いを……」の最後に、忍の君に代弁してもらいます。