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from: エリスさん
2010年07月23日 14時28分09秒
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「日本人の知らない日本語」を見て、思い出したことをうだうだと書く。
タイトルを見て「何をまた馬鹿げたことをくっちゃべるつもりだ」と思われた方は、読まなくてもいいです。書いてる本人はかなり落ち込んだ問題なんですよ。きっと、私みたいな経験をされている人は少なくないと思います。
私が勤務している映画館(シネコン)は、他の売店で買ってきた飲食物の持ち込みを遠慮――正直に言うと「禁止」しています。
理由はいろいろとありますが、一番の理由は《食中毒を出さない》ためです。
うちの売店で作りたての食品を持って映画館に入れば、まず食中毒の心配はない。でも、この暑い季節に他のお店で買ってきた食べ物を持ってこられては、映画館にたどり着くまでに傷んでいる可能性がある。
「大丈夫よ! 持ち歩いている時間が短ければ、腐ってなんかいないから!」
そうおっしゃりたいお客さんもいるでしょうが、甘いです。
先週の「もやしもん」でもやっていましたが、作りたてのサラダにO-157などの毒性の菌がくっついている場合もあるのです。いくら作りたてでも、使われている材料がすでに傷んでいるかもしれない。
うちの映画館はそういうことがないように、品質管理はしっかりしてます。だから自信を持ってお客様に料理を提供しています。
でも、他の売店の食べ物を持って入ってきたお客様が、うちの映画館の中で食中毒をおこした場合――一番に疑われるのはうちの映画館なので、先ずうちが営業停止になります。そのお客様が食べたものが「他の売店のものだけ」だと証明されるまで、その営業停止がつづくのです。
うちの映画館に落ち度はないのに、ルールを守らないお客さんがいたせいで、うちが営業停止になる――そんなこと、絶対にあってほしくないから、私たちフロアスタッフは、入場口で他の売店の食べ物を持って入ろうとするお客様がいたら、必ず声をかけるのです。
「恐れ入ります。他の売店の御飲食物のお持ち込みはご遠慮いただいておりますので、シアター内ではお召し上がりになりませんようお願いいたします」
……………………………まあ、たいがい聞き入れてはくれませんけどね。
そのことを念頭に置いて読んでいただきたいのですが……。
うちの映画館は春あたりまで、「ごみ受け」というサービスをやっていました。なんのことかと言うと、各シアターの出口でお客様を待ちかまえて、お客様が食べ終わった食品カップや紙コップ、トレイなどを受け取って、トレイは何度でも洗って使うので台車に載せ、紙コップなどは分別して捨てる作業のことです。この際、他の売店の食べ物――マクド○ルド とか ミス○ードーナツ などの紙袋を差し出してくるお客様がいた場合は、
「恐れ入ります、他の売店の物はお持ち帰りをお願いしております」
と、受け取りを拒否するわけです。当然ですよね? 入場の際に「お召し上がりにならないでください(食中毒をおこされたら困ります)」とお願いしているにも関わらず、それを無視して食べるってどういうこと!? よくもまあ遠慮もなしに空袋を差し出せるものだ!
とくに困るのが缶ジュースやペットボトル。うちの売店では売っていないのに、途中の自動販売機で買ってきてしまったから、と持って入ってしまう。当然、入場口で「ご遠慮ください」と頼まれているのに、映画を見ながら飲み干してしまったからと、空き缶を捨てて行こうとするのだが、いかんせんこちらは受け取り拒否。そもそも、うちの売店で缶ジュースは一切販売していないから、空き缶のゴミ箱自体が存在しない。そうするとどうするか――スタッフが立っていない他のシアターの「燃えないゴミ」のゴミ箱に不法投棄していくわけだ。
今の若者は「リサイクル」という言葉を知らんのか!!
おかげで、うちの映画館が入っているショッピングモールのゴミ処理場では、
「おたくは缶ジュースとペットボトルは売っていないはずなのに、なんでこんなに持ってくるの?」
と笑われる始末(場合によっては厭味にもなる)
こうゆう状況の中、とあるカップルがうちに来た。
ミス○ードーナツを持って入ろうとしたので、当然私は、
「他の売店で……(以下省略)……」
とご案内したところ、即座にムッとされた――まあ、よくある話だけど。
その後、上映終了時間になろうとしていたので、シアターの前でごみ受けの準備をしながら、「燃えないゴミのゴミ箱に不法投棄された」空き缶とペットボトルを拾い出していると、そのカップルがエンドロールを最後まで見ないで出てきた。
そして、ペットボトルを差し出してきたので、
「恐れ入ります、他の売店の(以下省略)」
と受け取り拒否をしたところ、またしてもムッとしたまま、二人はトイレの方へ行った。
だが、彼女の方はすぐに引き返してきて、シアターの中にまた入って行った……忘れ物でもしたかな?と思っていると、男性の方もトイレから戻ってきた。そして、私にこう言った。
「あなた、ナンマンですか?」
「は?」と、私は聞き返した。
「あなた、ナンマン教えてください」
私はすごく混乱した。「何万」としか聞こえなかったからだ。まさかこの人、彼女がこの場にいないことをいいことに、私がいくらか、値段を聞いている?????まさかそんなはずは????
と、混乱している間に、彼女が戻ってきた。
そして私に詰め寄った。
「責任者呼んでください」
「はい? あの、なにか……」
「なにかじゃない! 私たちのペットボトルは受け取らなかったのに、そこに置いてあるのはなに!」
と、彼女は私がごみ箱から拾い出しておいた「不法投棄のペットボトル」を指さした。なので私は、これはスタッフがいないときに置き去りにされてしまったもので、今このシアターから出てきたお客様のものではありません、と説明したのですが分かってもらえず、
「とにかく責任者呼んで!」とまくし立てるので、彼氏の方が口をはさんだ。
「今、俺がナンマン聞こうとしてたところだから」
それで私はようやく分かった――「名前」と言いたかったのだ。このカップルは日本人にしか見えなかったので疑いもしなかったが、実はアジア系の外国人だったのである。
『だよね、こんなところで援交でもあるまいし、こんなおばさんの値段なんか聞かないか』
と思いつつ、私はトランシーバーで上司に連絡を取り、対処をお願いした。
そしてこのカップルの主張することには、
「今までこの映画館を2年も利用していたけど、他のお店の食べ物を持ってきちゃいけないなんて、初めて言われた。どうして私たちにだけそんな意地悪を言うのか」
なので上司が、うちの映画館ができた当初からこのことはご案内し続けてきたことで、お客様にだけお持ち込みをご遠慮いただいたわけではないと説明して、なんとかお帰りいただいた。
そしてカップルが帰った後、シアター清掃に入ったら……しっかりドーナツを食べ終わった後のパッケージが置き去りになってましたorz
このことは、フロアスタッフ内でしばらく語り草になった――トランシーバーで上司を呼んだので、他のスタッフにも聞こえていたのである。
「だって、エリスは間違ったこと言ってないじゃん!」
「私たち入場口で毎日“他店お断り”のご案内してるのに、初めて言われた! なんて主張はありえないよ!」
「なのになんでエリスさんがクレーム受けるんですか」
「自信持っていいよ、エリス。あなた、全然悪くないから」
と、いろいろと慰められたが……翌々月ぐらいから、「ごみ受け」サービスはやめて、セリフサービス――食べ終わった食品のカップはお客様がお片づけくださいませ、というシステムに変わった。
私がクレームを受けたことが原因というわけではないだろうが、まったく関係ないわけではない。
セリフサービスになってからも、私はこのことを時々思い出して、なんでそんなありえない主張をあのカップルはしたんだろうと考えることがあった。
そうしたら、昨日の「日本人の知らない日本語」でその答えになることをやっていた。
「外国人留学生は、日本語の敬語を理解するのが苦手」
つまり、私たちが場内アナウンスで、
「当劇場の売店でお買い求めいただいた御飲食物は、シアター内にお持ち込みいただけますが、自動販売機や他の売店でお買い求めになりました御飲食物は、お持ち込みをお断りいたしております」
と言っているこの文章が、全部敬語なので理解できないと!
理解できないから聞き流し、結果、「言われたことがない」「初めて言われた」に発展すると……。
そう言われましても、こちらも客商売なので、敬語で話さないわけにはいかないよ?
これからも、こういうことは多々あるんだろうな。
ええっと、このうだうだな文章を書いたおかげに、小説アップの時間がなくなりました。申し訳ございません<(_ _)>-
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