実は私、Mr.Oは着物ジェニー&フレンドには強い思い入れがある。ゆえにちょっと書かせていただこう。
ジェニーやフレンドたちは世界各国の出身という設定があるが、やはり日本のドール。
伝統的衣装である着物があってもおかしくないし、むしろ積極的に扱ってほしいとすら思う。
マテルのバービーにもジャパニーズの子がいるが、お世辞にも美しい着こなしとは言えず、やはり日本発のファッションドールのジェニーはレベルが高いのだと感じる。
もっとも、日本で開発された着物が着物らしくなかったら、それこそ問題だとも思うが。。。
長いこと、使いまわされた鶴などのプリント柄の生地に別れを告げ、最近の着物はオリジナルプリントとなって、質を上げていると思う。だが、プリント生地は着物の形に合わせて作られたものではなく、柄の出方が必ずしもよいものとはいえない。
1980年代の着物にあった京友禅などは、一般販売品にも関わらず、ドール専用に作られた凝ったもの。現在ではそのようなものは一般には販売されておらず、高価なプレミアム品(例えば2006年の撫松庵)のみだ。
日本の伝統の着物、ドール用に作れる業者さんがいなくなったと聞く。さびしい限りだが、日本発のドールのファッションとして、大切にしていって欲しいものだ。

モデルはアヤ。2001年着物シオンのものを借用。

ジェニーの低価格の入門ドールとして、1000円を切る価格で登場したのは、おそらく1993年の「ナイスジェニー」が最初？
「はじめまして」というシリーズのジェニーは、1989年に2000円とやや価格を抑えた設定で登場し、後に1500円ドールのラインアップへ続いている。
この「ナイスジェニー」は、簡素だけれど質は悪くはない袖のないドレスにシューズのみというシンプルなセット。ドレスはセパレートのレオタードやナイティらしきものを含めて６種類ほどがあったらしい。
髪はメイクスタンプさんにも引き継がれたサイド分けのおでこ出し。
もちろんMade in Japanでこの価格のわりに高品質。こういうドールがスタンダードで出てくれれば、新たな人形者もしくは将来の候補者を募ることができそうでは？

一人は箱から出て活躍中。箱の中に閉じ込められたもう一人は、早く出してくれと言ってる？あ〜、もうちょっと待っててね。

マリーン(Marine)
青い瞳が海を連想させることからついた名前なのだろう。
9月16日生まれのおとめ座。イギリス・ロンドンの貴族の出身で1986年のジェニーズクラブ結成時からの旧友。

私にとってのマリーンは、ティモテほどに熱を上げるドールではなく、日ごろからさほど萌えるドールではない。
だが、そのヴァリエーションの中には妙に気になる子がいたり、たまに正面から見つめあってみると、やはり超人気のフレンドなのだなと思うことがある。
マリーンの登場時、エリーほどの強烈な個性があるわけではなく、エクセリーナのちょい変化ヴァージョンみたいに感じた彼女をお迎えすることはなかった。当時のエリーは今も手元に健在なのだから、もしそのときに手に入れていれば、おそらく初代マリーンはここにいたはず。それはちょっと残念。
その初代マリーンがいわゆる「ちょんまげ」ヘアだったこともあり、それがスタンダードだとも言われている。
うちにはちょんまげさんは二人かしら？
そのうちの一人、このマリーンはたしか･･･1995年の10周年記念フレンドマリーン･･･いや、TOTOCOだったか？茶箱かもしれません。一見おとなしそうな感じがしても、意思の強さが目の奥に感じられる、よくできたドールだ。

かつてのジェニーではウエディングドレスは常に何種類か出ていて、店頭でよく見掛けたものですが、昨年など一種類のみでかなり少量、とても残念でした。
この子はそのウエディングさんで、髪型はデフォですがドレスは他の豪華版を纏っています。
女の子の憧れ、花嫁さんも、ジェニーのターゲット年齢が定まらないと、憧れが現実的になってしまうわけで…
でも、ウエディングドレスは男性人形者のファーストドールに人気と聞いたことがあるので、ドール好き人口を増やすには必要アイテムだとひそかに思っていたりするのです。

なんともいえず、お気に入りのドールが幾人かいたりする。
旧ジェニーのスタンダードは、ぱっつん切りそろえ前髪なのだが、1990年代になると、髪型のバリエーションが増大していく。
このジェニーは1993年の「メイクスタンプジェニー」。
エイティーンではないので、年齢設定も17歳のまま。
でもサイド分けとしたことで、知的で大人っぽく見える表情がステキ♪
彼女の後ろに控えているのは、同じ1993年にメイクスタンプさんより２か早い７月に登場した「ナイスジェニー」。同じ髪型で、ちょっと髪は短め。
比較的簡単なドレスを纏い、靴だけが付属品のジェニーだが、価格はなんと\980。
入門者用というか、新たな人形者募集の任務を帯びたジェニー。

ぐにょぐにょと言えば、首から下の胴体・手足に継ぎ目がない、全身に弾力性がある素材でできたナチュラルボディ（ＮＢ）。
ジェニーまたはそのフレンドでＮＢといえば、誰を連想しますか？
その代表格の一人がロベリア。
モデルは2000年8月に発売となった「フォトジェニックロベリア09系」。この後に続くラインアップ「ファッションステーションロベリア」２種、「着物ロベリア」もＮＢ。
これ、最初はなんとも扱いづらいボディだと思って敬遠していたのですが、意外や意外、慣れてしまうと実にポージングの自由度が高くて、楽しい。
しかし、子供には難易度の高いボディだったのだろう。さすがにどこでも曲がるわけではないにせよ、関節部は逆にも曲がらないわけではないし、俗にタコ踊りと呼ばれる状況に陥ってしまう。。。
そんな理由もあってか、ＮＢは短命で姿を消してしまう。
私はその復活を望んでいる一人だが、きっと無理だろうなぁ。

私を知る方から「あなたならまずティモテでしょ」と言われてしまいました。
そう、たしかに私はティモテ大好き。俗に『ティ萌え』者。
よくよく見ると、他のジェニーフレンドのように派手さはないし、そんなに美人だという感じでもない。
まあ、ヘンに気が強そうだったり逆に気弱な感じだったり、また妙にニヤニヤした表情だったりするわけではないので、素朴で貞節な優等生なのかもしれない。そんなところが彼女の魅力で、萌えの要素なわけだ。
彼女の名「ティモテ」は、1990年の登場当時に販売されていた日本リーバのヘアケア製品の商標で、そのタイアップ商品としてサラサラヘアの髪遊びドールとして彼女は登場した。
その後、同名のヘアケア製品は姿を消したが、彼女は「ティモテ」の名を奪われることはなく、現在もキャッスル限定ドールのラインアップにはその名を残していることはとても嬉しいことだ。
有名なところでは、その名をもらった有名ディスコの閉鎖により名を剥奪されたジュリアナや、提携先との契約解消によりやはり名を失ったチェルシーなど、大人の事情に巻き込まれた不幸なドールたちもいることだし。

ワールドコレクション(2000〜2001)以前にも、世界の民族衣装を取り上げたシリーズは存在した。
1998年から翌年に展開したのが「ワールドジェニー」。
1998年にスイス・アメリカ・韓国、1999年にスコットランド・中国・スペイン。
中国はコンプリート･ファイルに載っている宣伝用の写真と実際のものはあまりにも大きく違いすぎ、販売店でも混乱をしたというマイナス面の実績を残した。
さて、お隣の国韓国の衣装を纏ったジェニーは1998年に発売。
浅草橋の某専門店には、このシリーズの在庫がそこそこあるらしいのだが、『宮廷女官　チャングムの誓い』のブレイクで、このジェニーのみが相当数売れたらしい。
もともとは花がついたゴムで髪を束ねてあったが、そのゴムが切れたこともあって、赤いリボンで結わえなおしています。

エクセリーナ（当初はエクセリーヌ）が登場したのは1984年3月。
まだ彼女がバービーを名乗っている頃のこと。
すでに人形者として、ドールに魂を抜かれていた私のもとに、赤いベレー帽の初代エクセはやってきた。
それまでのジェニー（当時はバービー）よりも白い肌。
今は当たり前のような白肌はあまりにもまぶしすぎ、時には少々病弱な印象でもあった。
脚はマテル社と提携があった当時ながらのクリック脚。
残念なことに赤いベレー帽をショルダバッグは手元にはないのだが、袖のゴムは切れてかなり薄汚れてしまってはいるものの、デフォルトのブラウスとスカートは現存している。

白い肌はビスクドールをイメージしたものだという。
後に登場するマリーンは、ジェニーとエクセリーナが同時に存在することを避けるために設定されたと言われているが、青い瞳を引き継いだもののやはり別のドールだ。

ジェニー・ワールドコレクションを紹介してきた「世界を駆ける」も最終回。最後は「ボヘミアの森　マリーン」に担当してもらいましょう。
マリーンの特徴として青いハイライトの瞳が挙げられますが、他のヴァリエーションとして「チェコ目」と呼ばれるややグレーがかった青い瞳があります。
1994年にいまはなき原宿のジェニーズショップで販売された「チェコマリーン」が最初と聞きますが、その後もマリーンのヴァリエーションのひとつとして用いられてきています。
このボヘミアの森マリーンも、やはりチェコですから当然のごとくチェコ目。
髪型はおでこの中央から分けられたソバージュで、マリーン原型のちょんまげではありませんでしたが、チェコの民族衣装にちょんまげマリーンはないだろうと思いますよね。