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  • from: 那須ボーイさん

    2021年08月25日 08時01分11秒

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    小説 渚の慕情

    第二話

    女はT女子大の国際関係学科を終え、外資系の企業で貿易関係の仕事をしていた。
    服装も外国仕込みで洗練されており、物事は何事も即断即決する。
    そこに頭脳回路のスムーズさが伺われた。
    男はフランスに出張の際エールフランスの機中で、女と席が丁度隣り合わせになった。
    それが女とのなれ染めだった。
    帰国後も時々会うようになった。
    女は夜は既に成熟した女だった。
    35才ともなれぱ当然と言えば当然である。
    男は23才の頃当時短大の1年生だった彼女と旅行したことがある。
    男はあまり女を知らなかった。
    女を頂点に導く術を知らなかった。
    自分が終わればそれで終わりと思っていた。
    言わば独楽である。
    その事を思えば苦笑する思いなのである。

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  • from: 那須ボーイさん

    2021年08月23日 13時29分09秒

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    小説 渚の慕情

    第一話

    男はライターを鳴らし、紫煙を燻らしながら女の事を考えていた。
    外は夜来の小雨が木々を濡らしている。
    寒かった冬も過ぎ、その木々には芽吹が見られ春到来の予感がしていた。
    男は55才。
    某メーカーの技術部長の地位にあった。
    同期の中では早くにその地位に就き
    今役員の話が出ている。
    専務からは身辺整理をして置くように言われている。
    変な噂があれば、足を引っ張られかねないからである。
    男に悪い噂話などない。
    只、女の事が少し気にはなっていた。
    男には家庭があり、言わば不倫関係。
    女は知的な女性である。
    話せば身を退いて呉れる事はわかっていた。
    だからこそ、簡単には話せない思いが男にはあった。
    その女性は何処かエキゾチックな顔立ちで、男心を擽る容姿をしていた。

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