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  • from: orimasaさん

    2008年04月13日 09時37分44秒

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    日本周遊紀行(99) 三陸・「鉄の街」


    「鉄の街」、釜石に入った。
    ギザギザ三陸海岸、陸中国立公園のリアス海岸のほぼ中心に位置しているのが釜石市であろう・・。
    山中の屈曲した上下動の激しい道で、時折、長いトンネルを抜けると入り江の突端の海岸に出る。 これらを繰り返しながら国道45は釜石港を過ぎ、高台の地に至ると釜石ならではの「鉄の博物館」が在った。

    釜石は近代製鉄業発祥の地である。
    釜石周辺は、既に平安期頃には砂鉄を原料とした製鉄が行われていたという。
    江戸期には鉱山師(山師)らにより広大な磁鉄鉱と黄銅鉱を主とする鉄鉱石が発見され、幕末の安政年間には、「大島高任」(おおしまたかとう)が我が国最初の洋式高炉を導入、築造し本格的な銑鉄の製造に成功している。 
    明治維新を迎えると、官営製鉄の釜石製鉄所となり、やがて富士製鉄、新日鉄と推移してゆくのであるが・・。  
    昭和60年、創業100年の期を境に不況と鉄鋼業界の変質も加わり、順次高炉の火も消えていった・・。
    現在では僅かに遺跡があるのみで、我国の鉄産業発達史上唯一の文化遺産として、その意義を残している。

    大島高任は文政9年(1826)、南部藩・盛岡に生まれている。
    大島家は代々馬医として南部藩に仕え、父・周意は南部藩医師として仕えていた。 
    高任は17歳から家督にそって、医学を習得するべく江戸にて蘭学などを学ぶ。 そして、21歳の時長崎にて医学修業中の傍ら、西洋流兵法、砲術、採鉱、精錬なども学んでいる。
    嘉永6年、その功績が水戸藩御用人「藤田東湖」(尊皇攘夷の祖)の目にとまり、水戸藩主徳川斉昭から招かれ反射炉を常陸・那珂湊に築造している。 その際、徳川斉昭は高任の才能を見抜き、水戸藩は300石で召し抱えようとするが・・、「臣籍220余年の恩義が盛岡藩にある」と言って辞退している。
    その後、鉄鉱石が産出している盛岡藩の釜石・大橋へ出向き、大橋にて洋式高炉一座を竣工し、初出銑(高炉より熔けた鉄:銑鉄を取り出す)に成功する。

    昨今の釜石は、新日本製鉄の跡地を利用して生け簀(いけす)などを造り、官民・第三セクターが一体となって珍魚の養殖に取り組んでいるという・・。
    一つは「蝶鮫」(チョウザメ)の養殖である。 チョウザメは世界三大珍味として知られる”キャビア”の親である。 ロシアや北米などに生息しているが、生息数は極度に減り、幻の魚になるのではないかといわれる。 又、この魚の肉は淡泊な味で、身の締まりも非常に良く、和・洋・中華風いずれにも適しているそうである・・。
    因みに蝶鮫の鱗(うろこ)は文字通り”蝶”の形をしているという・・。

    もう一つはカレイの一種の「マツカワ」という魚のの養殖である。 
    マツカワはカレイ科の魚で、天然物の水揚げが少なく、浜でも滅多にお目にかかれない幻の魚だという。 カレイ類特有の白身魚で、適度に脂肪がのり、身の締まりも良く鮮度の持ちも非常によい魚らしい。
    釜石は鉄の産業から食品産業、養殖産業に切り替わりつつあるようだ・・。

    次に、釜石で特筆すべき事は、やはり冬の花形スポーツと言われるラグビーであろう・・、小生も大ファンである。 
    「北の鉄人」と呼ばれ、日本ラグビーの歴史に偉大な足跡を残した新日鉄釜石ラグビー部がある。 釜石が製鉄で華やかなりし頃、 新日鉄釜石ラグビー部は連続V7を含む通算8度の日本一に輝いたということは「知る人ぞ知る」であろう・・。
    赤ジャージを身に纏い、主将・松尾雄治を擁して1978年度から1985年度まで、前人未到の日本選手権7連覇を達成したのはいまだ記憶に残る。 本社の業績が悪化し釜石製鉄所も苦しい中、地元の期待を背負い勝ち続けるその姿から「北の鉄人」と称されたのである。 東北を中心とした高校出身者を基礎から鍛え上げ、東北人特有の忍耐強さと、地域、会社をあげての応援で、その実力をいかんなく発揮した。
    だが鉄人にも落陽は訪れる・・、松尾が引退した翌年、新鋭・神戸製鋼に敗北して以来の後、国立競技場に帰ることは無かった。 そして、合わせるように1990年には、溶鉱炉の灯も消えることになるのである。
      

    <font size="2" color="#0000FF">釜石付近の観光地

    御箱崎千畳==箱崎半島の先端にあり、広大な千畳敷や岩礁、入り江などが広がり、大自然の海岸美を堪能させてくれる。外洋に面しているので、海の色もひときわ美しく、荒れたときには波濤渦巻き圧倒される。陸中海岸を代表する景勝地である。
    釜石大観音==昭和45年、鎌崎の先端に釜石港を見守るように立っている真っ白な観音様。 身長48m、胸元に魚を抱く魚藍観音で、正式な名称は石応禅寺・釜石大観音といい、人々の幸せと世界平和を祈願して落慶されたという。 大観音の内部は13階に分かれ、拝殿、三十三観音安置室などがある。 海抜120mの高さにあるこの展望台からは、釜石湾の美しい景観が一望できる。

     
    三貫島==箱崎半島沖合に浮かぶ無人島で、オオミズナキドリ、ヒメクロウミツバメの繁殖地として国の天然記念物になっている。
    仙人秘水と仙人峠==釜石鉱山から湧く自然天然の水、体にやさしい弱アルカリ性ミネラルウォーターとされる。  この付近に内陸と沿岸を結ぶ「仙人峠」があり、往時は釜石街道の最大の難所として知られていた。 仙人峠の名前の由来は、仙人が住んでいたなどの説があり、古くから海岸部と内陸部を結ぶ最短の道として利用されてきたという。 平成18年の完成に向けて「新仙人峠道路」の開発も進められている。
    五葉山==仙人峠の南に位置する五葉山は(標高1,351m)、作家・田中澄江の『花の百名山』にも掲載され選ばれていて、春はツツジ、初夏にはシャクナゲが咲き誇り、登山愛好者や市民からも広く愛されている。 自然が豊かでブナ、ミズナラ、ダケカンバなどの広葉樹や、ヒノキ、コメツガなどの針葉樹の原生林はすばらしいという。
    又、五葉山県立自然公園は「21世紀に残したい日本の自然百選」に選定されている。

    次回は、「三陸地方と大船渡

    下記URLの巻末で「旅、旅行の案内」致しております、宜しかったらご覧ください・・!!。
    http://blog.goo.ne.jp/orimasa2005  『日本周遊紀行』
    http://blog.goo.ne.jp/orimasa2001  『旅の記憶』

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