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from: orimasaさん
2008年07月25日 09時14分54秒
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日本周遊紀行(129) 東京・江戸城物語(3)「半蔵門と甲州道」
現在の半蔵門
明治初期の半蔵門
日本周遊紀行(129) 東京・江戸城物語(3)「半蔵門と甲州道」
ところで、江戸城(皇居)内堀の真西、千鳥が淵に面したところに「半蔵門」がある。
名称は、江戸城警備を担当した徳川家の家来である伊賀同心組頭・服部正成・正就父子(忍者・服部半蔵:忍者ハットリ君のモデル)に由来している。
立地条件や服部家の部下(伊賀同心)が門外に屋敷を与えられたことからその名が付き、将軍が、非常時に脱出するための門だったともいわ、脱出の際には服部家は真っ先にその護衛に当たることされていた。
徳川家康は天正10年(1582年)5月、駿河拝領の礼のため織田信長の居城・安土城を訪れていた。 そして、6月2日、祝賀を終えた家康は帰路、堺で遊覧中に京都で起った「本能寺の変」を知ることになる。
信長と義兄弟の間柄にもあった家康は、当然、光秀の襲撃の対象にされていた。
このときの家康の供は小姓衆など少人数だったので極めて危険な状態となり、狼狽した家康は感極まって信長の後を追おうとするほどであった。
この時、側近の本多忠勝に説得された家康は、服部半蔵の案内と護衛を受けて伊賀越えを決行し、加太越(現在の鈴鹿峠)を経て伊勢国から海路で居城である三河に向かい、かろうじて戻ることができた。
この時の服部半蔵の見事な采配振りを高く評価した家康は、後に、半蔵を伊賀同心(甲賀同心)として幕府警護のため江戸に出府(幕府の所在地たる江戸に出ること)を命じることになった。
この半蔵門の正面に今の国道20号線、つまり「甲州街道」が位置し城に直結している。
家康は江戸に幕府を開き、江戸を中心とする都市づくり取り組んだ。
江戸と各城下町を結んだ街道造りもその一つであり、日本橋を起点に五街道を整備し、全国の城下町を結んだ。
日本橋から京都の三条大橋に至る最も主要な街道であった「東海道」、そして中山道、日光街道、奥州街道がある。
五街道では、主に大名の参勤交代が行はれ、併せて一里塚や宿場町がつくられた。
<font size="2" color="#0000FF">その「参勤交代」であるが・・、
沿道には東海道には145家、日光・奥州街道には41家、中山道には30家の各藩があった。
では、甲州街道では何家の大名が使ったか・・?、実は3家だけであった・・。
この道中を通行した参勤交代の大名は、伊那の3万5千石の高遠藩、1万5千石の飯田藩、それに3万石の諏訪の高島藩の3大名で、何れも小藩ばかりである。
又、甲州街道以外の街道は日本橋から出ているのに、甲州街道は何故江戸城に直結していたのか・・?。
甲州街道を進んでいくと、御存知あの「東京・新宿」(信州高遠藩主であった内藤氏の中屋敷があり、新しい宿場を設けて内藤新宿とした)がある、そのすぐ北側・新大久保辺りに「百人町」がある。 更に進むと八王子には「千人町」があり、その後、山梨・甲府城につながる。
武田家亡き後「甲府城」は徳川家康が築き、その後、幕府の天領(幕府直轄管理)となり、幕府が治めている、つまり、甲府は徳川の領内のようなものであった。
百人町とは、鉄砲百人隊が住んでいた場所、千人町は、千人同心が住んでいた場所である。
江戸幕府で事変があった時、将軍は服部半蔵の部下に守られながら甲州街道を進み、そして百人鉄砲隊に守られ、更に千人の同心に守られ幕府の直轄の甲府に逃げるのであった。 つまり、甲州街道は軍事用の目的があったのであり、甲府城には常時「甲府勤番」(こうふきんばん)が勤めていたという。
その「お茶壷道中」・・?、
ただ、甲州街道では、大名行列にも劣らぬ大行列があった。
「お茶壷道中」というのがそれで、幕府に献上される「京・宇治の茶」を、中山道を経て下諏訪宿から甲州街道に入り江戸に向かった。
この道中は将軍通行と同じ権威をもち、道中で行き合った大名といえども道の端に寄って控え、家臣は下乗、供の者は冠りものを取り、土下座をして行列の通過を待ったという。 庶民の歌に「茶壷に追われて戸をピッシャン 抜けたらドンドコショ・・・」というのは、どこかで聞き覚えがある・・。
このお茶壷道中は、慶長18年(1613)から230年間という、ほぼ江戸時代を通して続いたという。
江戸末期、徳川幕府軍は鳥羽・伏見の戦で官軍に敗れ、再起を図るべき近藤勇が新選組を母体として結成した「甲陽鎮撫隊」が甲府城奪取に向かったのもこの甲州街道であるが、甲府の手前の勝沼で新政府軍に敗れ、虚しく江戸に帰還している・・。
次回、江戸城物語・・Ⅳに続きます。-
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