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from: orimasaさん
2009年05月23日 15時44分08秒
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日本周遊紀行(190)大山 「伯耆の国」
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鳥取県は西半分が伯耆、東半分は因幡の国である・・、
「伯耆」の伯は、単純には兄弟、父母などの年長者を表すが、一芸に長ずる者、果ては「神」、「風伯」を示すとされる。 更に伯の元の字は、中国の太祖・太伯(たいはく)の「伯」であるとも云われる。 又、「耆」は、「老」+「旨」の合わさったもので年輩で、渋い味があり、経験豊かであるという意味らしい。
詰めれば「伯耆」とは、知的で経験豊富な「太伯」を意味する。
太伯は、呉(中国南部に位置した紀元前5世紀から6世紀頃の国で、中国・春秋時代に存在した君国の一つ。三国時代の呉・蜀・魏とは異なる)の祖とされる人物である。
面白いのは、或る一説によると「日本神話における天照大神は、呉の太伯の子孫である」という中国に伝わる伝説があり、これは、中国の歴史書、「魏略」(魏志倭人伝の元書とされる)、「晋書」などにも記されているようである。
更には、中国では天皇及び日本人は「呉の太伯の子孫」とする説もあり、江戸期、家康の儒学の顧問であった朱子学者・林羅山は、日本は中華と同等な文化国であり、日本の皇室は中国の聖賢の裔ゆえに尊貴であるという立場に立った『神武天皇論』を表し、日本の皇室の祖神がその本源を溯って見れば「太伯」に当たるという説をのべている。
又、身近なところでは、中国・春秋時代に書かれた歴史書・「十八史略」を、小説風に描いた陳舜臣の『小説十八史略』にも同様の記載がある。
尚、この歴史書の中で呉の国の故事から「臥薪嘗胆」の言葉が生まれ、呉・越の激しいライバル争いから「呉越同舟」の言葉が生まれたという。
天照大神は高天原を治めていたが、「高天原」の所在に関して海外説の代表的なものは朝鮮半島説や中国南部説があって、これは現代の「日本人の起源」とする説に共通の要素が多いともいわれる。
ところで、日本人の起源説(天孫族)に合わして、ほぼ同時に渡来したとされる「米」のことであるが・・、日本の米のDNAを調べると朝鮮半島伝来よりも早くに、中国から伝来している事が分かってきたという。 又、最近の研究では、朝鮮半島よりも早くから稲作が行なわれていたという結果もある。
南方の米を主食とした中国南部の国・呉の人々が日本に移住し、広めたと言うの可能性もあるといい、DNAからは朝鮮半島には存在をしない、つまり中国の米のDNAと同一でであることも分かってきたという。
思えば、出雲地方(今の出雲、伯耆、因幡、越=越前)は日本の米の発祥地とも言われている。 呉の国の「太伯」の子孫が、日本に渡来し住み着き、米や金属を広めたという説は一般的に成立っている。
何れも、天孫族とされる始祖の天照大神、神功皇后の大陸との往来、倭国大乱を治めて諸国を統一した「卑弥呼」など、この地方に関連している。
邪馬台国の卑弥呼、神功皇后そして天照大神との関係や説話は密接に結びついていて、或いは同一人物ではないかという見方もあるようだ。つまり、不可分ではないともされている。
この頃、女神・女性が統治者であったことは、呉の国の支配者が「姫氏」(きし)であり、呉の太伯はこの家の出で姫氏と思われていたことも起因するといわれている。
そして、前回記載したが、「倭国大乱」で最終的に諸国を統一した「卑弥呼」のこと、「白兎伝説」の項では、この地方に稲作を伝授し、拓き、広めた「豊受大神」が、丹後の国で死去したため「天照大神」が当地を訪れ、更に、伯耆の国に行幸したことなど・・。
豊受大神が拓いたとされる水田稲作は「稲葉」であり、その為、この国を「因幡の国」と命名したこと。
何れも、古代中国の呉や越の影響下で、日本という国の形が形成されていったことは歴史的にも裏付けられ、その窓口であったのが、九州の筑紫や出雲地方であったとされる。
次回は、伯耆大山
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