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from: orimasaさん
2010年01月10日 10時36分25秒
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日本周遊紀行(48)小平 「鰊番屋」
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小平鰊番屋(旧花田家鰊番屋)
こちらは隣接する「道の駅・おびら鰊番屋」
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日本周遊紀行(48)小平 「鰊番屋」
昨夜は、留萌の神居岩温泉でゆっくりしたので、遅くなって海岸沿いの国道に面した小平町の「道の駅・おびら鰊番屋」に着いた。
駐車場の横に大きな木造風の四角い建物が在ったのは気がついていたが、例によって一杯飲んで車中の就寝となってしまった。
そして今朝起きて気が付いたら、巨大なこの木造建物はニシン番屋で「旧花田家鰊番屋」とあったのに気が付いたのである。
すぐ隣に同じような建物で「道の駅・おびら鰊番屋」があった。
巨大なこの木造建物が二棟建っていて些か紛らわしいが、手前北側の建物は番屋を模倣して造ったもので、本物のニシン番屋は南隣の「旧花田家鰊番屋」とあるのがそのようである。
国の重要文化財だという建物で、内部は当時のままの室内の様子や鰊漁具等が展示してある資料館になっている。
僅かな入場料を払って中を覗いてみた。
すぐ右手に鰊漁でヤン衆が使用した各種鰊漁具が展示されている。
400㎡ほどの溜まり場は三つの”いろり”が仕切られた居間になっていて、狭い通路土間を介して雛壇状の三段のデッキと呼ばれた寝台から構成される劇場的な大空間である。
玄関土間の左方は主人の部屋や親方衆の部屋、客間、応接間などが当時のまま展示してあり、その豪勢さが偲ばれる。
小平町では、先人たちが築き上げた郷土の歴史・文化の保存と継承を目的に、昭和46年重要文化財の指定とともにこれを買収し、3年の年月と約1億9千万円の費用を投じて解体修復元したものという。
昭和30年代まで日本海に押し寄せたという「鰊」。
銀鱗が海を染めると言われたほど、産卵期の鰊が大群で本道の西海岸に押し寄せ、特に、小平町鬼鹿の海岸は千石場所とも呼ばれた。
中でもこの鰊番屋が建つ天登雁村(てんとかり:旧地名)の前浜一帯には、ヤン衆が歌う「沖揚音頭」が響き渡り、もっこ背負いの人たちで沸き返っていたという。
この番屋は、当時の網元の栄華の様子を今に伝える歴史的建造物である。
日本海沿いの主な鰊漁場には関係する家屋や旅籠が軒を並べたが、中でも鰊番屋は魚場主(網元)の親方や漁労、漁夫、農家の出身者、そして遠方からの出稼ぎ者等の宿泊施設として100〜200人の大規模建物が目立った。
その中にあって、この「花田家鰊番屋」というのは総勢で500人という規模の豪壮雄大な大建築物であり、道内に現存する最大規模の鰊番屋であるとのこと。
創立は一説には、明治29年頃といわれていたが、今時の解体調査の結果、建物部分の墨書やヤン衆寝所の羽目板の落書から親方生活部分の内部造作は明治38年頃と考えられ、ヤン衆生活部分はこれより2〜3年早くできたものと推定されているという。
故・花田作三氏の生前の話によれば、明治29年頃、山林を入手伐採、この頃から製材等に着手したものと思われ、この番屋建物は、すべて地元の山地から切りだし、船で海上を運び、木挽の手によって製材されたものだという。
ニシン漁の最盛期には、この番屋の建物の他にも船倉、米蔵、網倉など100棟以上の付属施設が建ち並んでいたといい、 玄関を入ると左手に親方の住所兼執務所、右手に「ヤン衆」と呼ばれる雇い漁夫が溜まる場所を配置している。
往時は200人を超えるヤン衆がこの大空間にひしめき合い、ニシンの群来を待ちかまえていたのだろう。
屋上階には見張り用の部屋もあるようだ。
因みに、概ねこの時期に小平地区は、留萌炭田を抱える産炭地でもあって、昭和の中頃にはその最盛期を迎えていた。
鉄路も留萌本線留萌駅から留萌炭鉱鉄道、羽幌線、達布森林鉄道などが延びていて昭和40年代までは活況を呈していたという。
ニシンが去って、合わせるように炭鉱も下火になっていくのであるが、一時期はニシンと炭鉱で、この北海道の片田舎は、大いに沸きかえったのである。
国道232号線をはさんで海側には「にしん文化歴史公園」があり、後に紹介する北海道の名付け親・「松浦武四郎翁」の像が建っている。
芳紀女性数人が、翁像の前で写真を撮ろうととしていたので小生が手を貸してやった。
「ところでお嬢さんたち、この人どんな人だか知ってるの・・?」、
「知らなーい」とあっさりしたもんである。
掻い摘んで松浦武四郎の人物像を話してやったら、「すごーい」、「道理でかっこいいと思った・・、」と、こんな具合であった。
彼女らは“わの字”の付いたバックナンバー車で、颯爽と北へ向かっていった。
次回は「羽幌」
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