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  • from: orimasaさん

    2010年03月28日 11時15分18秒

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    日本周遊紀行(74)襟裳 「襟裳岬」

    .


    日本周遊紀行(74)襟裳 「襟裳岬」



    「襟裳岬」



    「風の岬」に台風襲来・・!、

    十勝港を過ぎると、いきなり山間に入ってきた。 
    小雨模様だった様気がだんだん強雨になってきて風もでてきて、路岸に打ち寄せる波浪も激しくなってきている。

    広尾町から約30kmにもおよぶ国道は今までの平穏な様相から一変して、急峻な大地が連続して海に迫る壮絶な風景を呈している。 
    この海道・国道336は別称「黄金道路」と称している、この近辺から「黄金が産出する」という意味ではない。

    日高山脈が太平洋に落ち込む海岸道路の建設は大変な難工事であった。
    迫りくる断崖絶壁、落石、海からの高い波に耐えられるだけの盛り土、数々のトンネルや覆道と、実に道路に「黄金を敷詰めたよう」な膨大ながかかったそうである。このことから、ここを「黄金道路」と称しているという。 
    今も修復工事が所々で行われていて、その度に片側通行を余儀なくされ、 更には国道は連続降雨が80mmで通行止めになるらしい。


    厳しい海岸道路を過ぎるあたりが「庶野」(しょや)という集落へでた。
    国道はここから内陸へ向け、岬の反対側の海岸へ延びている。 
    小生の車は「襟裳岬」へ向かうため道道34を更に進む事になる。 

    日高山地の荒々しい山肌もこの辺りで途切れて、見通しの良い低丘陵地帯の砂防林が現れてきた。
    本来、地形的に地獄から天国へ来た様な気持ちに成れる筈であるが、ところが地獄は続いた。風雨が更に激しくなってきて暴風雨である・・!!、ラジオニュースが「台風情報」を報じていた。 
    昨日(29日)、台風21号は鹿児島県に上陸していて、鹿児島市では最大瞬間風速52.7m/sを記録したといい、その後台風は四国、紀伊半島から北陸、東北地方を横断し、本日(30日)午前10時には三陸地方にあるという。 
    ここ襟裳岬付近も台風の暴風雨圏の一端かも知れないのである。


    岬の手前の辺りを「百人浜」といい、浜辺には悲しい歴史があったという。

    襟裳岬は通常でも風が強く、別名「風の岬」とも言い海の難所で海難事故が多い。 嘗て、この沖で南部藩の御用船が転覆し、その船の乗組員がこの浜になんとか流れ着いた、しかし飢えと寒さで命を落としたという。
    その数が100人にもなったため「百人浜」と名付けられたという。


    気が付けば十勝港から険しい海岸道路を走行中、全くと言っていいほど対向車に会ってない、この岬付近も人の気配は全くなかった。それもそのはづ岬周辺は台風の影響をモロに受けて荒れ狂っているのである。しかし、雨量は未だ80mmには達していないらしく、車は風に揺れながらも何とか走れる。 
    恐怖の「黄金道路」と「百人浜」であったが、何とか「襟裳岬」へ着いた。

    正面に円形のモニュメントに襟裳岬・風の館とあったが、横殴りの風雨は車を左右に揺らすぐらいの勢いである、とても車外には出られたもんではない。 
    仕方なく車フロントより記念写真・・?を収める。 そして、残念ながら早々に退散である・・!!


    先にも記したが再びこの地を訪れている。 そしてその様子を次のように記していた。

    『 襟裳岬は穏やかな快晴に恵まれていた。岬に立って紺碧の水平線に地球の丸味・・??を感じながら、大きく深呼吸する、実に気持ちがいい、岬先端より点々と派生している小島に「ゼニガタアザラシ」の子育ての様子を確認しようとしたが、できずに残念。 土産店の食堂で「えりもラーメン」を食し、岬を後にした。 風光が目に眩しいくらいの「百人浜」を行く・・、』 とある。



    「襟裳の春は何もない春です・・、」と歌にも歌われているように、襟裳岬には風以外のものは一切ないように見える。 
    年間平均風速10メートルを超えるような場所には当然高木高樹は育たず、囲いをつけて育っている低木と草、岩、海の風景が襟裳岬周辺では見慣れた風景である。 
    このように一見殺風景なように見える岬であるが、実は海の恵みは多く豊かな海の幸を気前よく恵んでくれる大自然があるのです。

    襟裳岬(えりもみさき)は北海道の形を大きく特徴付ける自然地形の一つで、最北端「宗谷岬」に対極するのがこの「襟裳岬」である。 
    日高山脈の最南端で太平洋に突き当たって長年の強風と荒波に削られ、徐々に落ち込む鋭角を成す南端部がこの岬である。 
    岬の先にある岩礁群も日高山脈の一部であり、沖合い7kmまで岩礁群が連なる。 そして高さ60mに及ぶ断崖絶壁が岬を囲み、展望は群を抜いている。

    地名の由来はアイヌ語の「エンルム」(突き出た頭)から起こったといわれる。

    岬上の襟裳岬燈台は北海道でも数少ない有人の灯台であり、常時3人の灯台守が駐在して船の航行の安全を守ると共に、気象情報を記録しているという。
    1889年初点灯されている灯台は海抜73m、光達距離・22海里で、他にも霧笛や無線方向探知局などが備えられている。 これは沖合で暖流の黒潮(日本海流)と寒流である親潮(千島海流)とがぶつかり、濃霧が発生しやすい気象条件を有しているためである。 
    従って、この海域は多種にわたる暖流、寒流の魚たちが群らがり、世界有数の漁場ともなっている。 また、冷たい霧や強風が多い岬の周辺では、植物は丈が短く茎が太くなることで厳しい自然環境に適応している。

    ヤマツツジは襟裳岬の丘陵に背丈を低く、まるで盆栽のような姿であたり一面を赤色に染める。 エゾスカシユリ、エゾカンゾウが時期になると絨毯のように咲き乱れ、又、襟裳の愛くるしい名物は、岬の突端の岩場を中心に棲息している「ゼニガタアザラシ」で、現在300〜400頭が確認され、双眼鏡でも観察が可能だという。


    岬は「風の岬」と言われるほどの強風でも知られ、襟裳岬周辺は一年のうち風速10mを超える強い風がおよそ290日以上も吹くという場所で、その風の強い所に世界に類を見ない「」をテーマにした「風の館」がある。 
    館内には、日高山脈襟裳国定公園や襟裳岬灯台の解説パネルおはじめ、襟裳岬の展望と襟裳の「風」を実感できるテーマ館となっている。



    森進一が唄い、レコード大賞を受賞した「襟裳岬」で一躍有名となったが、実は「襟裳岬」の歌は二つある。
    もう一つは島倉千代子の曲で、小生が少年期頃の昭和30年代の歌で、当時、適当にヒットした曲でもあり、若かりし「お千代さん」の絶頂期の唄でもあった。この歌が「襟裳岬」元祖であることは余り知られてないようだ。

    森進一の「襟裳岬」に、「エリモは何もない春です・・、」と歌われていて、地元の人にとってある種の抵抗があり、苦情もあったとされているが、こと自然に関して言えば「全てが有る豊かな場所」なのである。



    『襟裳岬』 森進一(昭和48年)吉田拓郎・曲

    北の街ではもう 悲しみを暖炉で
    燃やしはじめてるらしい
    理由の分からないことで 
    悩んでいるうち
    老いぼれてしまうから
    黙り通した 歳月を
    ひろい集めて 暖めあおう
    襟裳の春は 何もない春です



    『襟裳岬』 島倉千代子(昭和36年)遠藤実・曲

    風はヒュルヒュル
    波はざんぶりこ
    誰か私を 呼んでるような
    襟裳岬の 風と波
    憎い憎いと 恨んだけれど
    今じゃ恋しい あの人よ


    視界350度と言われる岬の先端に立つことも無く、灯台(全国でも数少ない有人灯台)の様子を確かめる事も無く、無念の気持ちで襟裳岬を後にする。

    今は、「風はヒュルヒュル 波はざんぶりこ」等といった平穏な状態ではない、風はゴーゴー 波はドドドーン」である・・!。 
    はじめは海からの強烈な風だったが、今は陸側から猛烈に吹き付ける。車は左右に振られ、ハンドル持つ手も緊張がはしる。

    再び、国道336に合流し、「えりも」の街並辺りで暴風雨も少々収まりかけて来たようで胸を撫で下ろした。

    次回は、名馬の産地「日高地方



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