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  • from: orimasaさん

    2011年05月18日 11時22分06秒

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    日本周遊紀行(130)別府 「鉄輪温泉」

    ,


    『九州紀行』は以下にも記載してます(主に写真関係)
    九州紀行」; http://orimasa2009.web.fc2.com/kyusyu.htm
    九州紀行」; http://sky.geocities.jp/orimasa2010/



    日本周遊紀行(130)別府 「鉄輪温泉」




    写真:湯けむりの街、別府・「鉄輪温泉」



    雰囲気のある鉄輪温泉の「いで湯坂」




    鉄輪温泉は貸間方式の湯治場風・温泉旅館が特徴である・・、

    別府・鉄輪温泉(かんなわおんせん)の「双葉荘」滞在・・!!、と今日は、休養の一日と決め込む。 愛車も当然休養である。


    鉄輪温泉は別府温泉郷の中でも湯治場風情が最も残るエリアで、その最も特徴的なのが「貸間」という名前の湯治宿が数多く存在することである。
    貸間は基本的には温泉立寄り客や普通の観光宿泊客は受け付けず、湯治目的の滞在型連泊、逗留するためのもので、その良さが体験出来るのである。 

    小生が鉄輪温泉の「双葉荘」を知ったのは、或る若き男性が九日間も逗留し、その良さを切々と記載してあったのをインターネットの配信上で拝見したからである。


    別府七湯の一つ鉄輪温泉は、別府市の北側に位置する。
    湯布院から鶴見岳の麓を来た県道11号線(やまなみハイウェイ)が国道500と合流して鉄輪の温泉街に入る。その左側が湯治場風情が残るエリアであり、中心を「いで湯坂」が雰囲気宜しく通り抜けている。

    投宿する「双葉荘」は、「いで湯坂」の入り口部の角にあり、温泉街でも大きい部類の湯治宿ではなかろうか・・?。
    「貸間」と言われる部屋を取り巻く中心、中庭に巨大な地獄のタワー(高温の温泉ガスが噴出する塔で下部に温泉、上部は温泉蒸気を分離する塔)が二塔あり、その周囲に蒸気釜が五個、熱湯釜が二個あり、湯治客が調理等に利用している。

    これらに面している各部屋は、タワーの持つ熱気で夏場は大変であろうが、冬場は暖房いらずであろう。
    小生の借りた部屋は廊下伝いの入り口角にあたり、廊下の表側にはこじんまりした庭園があり、その外は「いで湯坂」という緩い坂道になっている。 

    部屋から中庭を隔てて正面に見えるのが、飾り玄関のある「地獄熱温泉」と命名している共同湯である。 
    いで湯坂を往来する湯治客もそうであろうが、時間ともなるとこの共同湯の浴室窓から聞こえてくる浴客の声が、何とも賑やかで華やかで雰囲気が出ているのである。

    「いで湯坂」は温泉タウンらしい派手さは無いが、下駄の音が快く響く湯治場らしい雰囲気があり、やや勾配の付いている細い路地を7、8分歩くと、かの有名な「別府地獄めぐり」が点在しているのである 


    貸間部屋には湯治自炊のため小さな台所と流し台が付いていて、この勝手口を開けるといきなり地獄のタワーの正面に出る、重宝で極めて便利である。

    小生の隣の部屋の老夫婦・・?(小生も老の部類に入るかもしれないが自分では、そう思わないことにしているし・・、しかし、ここでは敢て老夫婦と呼ばして頂く)
    たまたま、冷蔵庫が共用になったのを機に話す機会があった。 

    奈良の田舎から見えてるらしく、ここ数年間定期的に双葉荘に厄介になり、その時は凡そ1ヶ月位逗留するという。
    御両人とも内疾患、外疾患の持病を持ち、来るたびに概ね回復して帰るという。 

    鉄輪温泉・「双葉荘」の常連湯治客で、二人にとってなくてはならない存在になっているようである。
    鉄輪温泉は別府八湯の中でも最も地熱が強い地帯の一つだそうで、外から見ても湯煙があがっているのが見える程である。
    又、外湯がたくさんあって、別に宿に浴槽がなくてもいいような場所であるが、この双葉荘にはそんな鉄輪のお風呂の中でも最上のものがあるようだ。 
    内湯は、二つあって一つは男女別の浴室と家族用と思える混浴の内湯がある。 
     


    ところで、温泉というと一昔前は社員旅行や各種団体の旅行で、有名温泉地は一種の歓楽街の様相を呈していた。
    その後、バブルがはじけて不況感が出始めると歓楽温泉地はひっそりとして、所々に廃墟のホテルも出現するなど鳴りを潜めてしまった。 

    昨今は、「日帰り温泉」施設などと称して、地域振興も兼ねて各地に千mも、二千mもの掘削をして温泉を引き出している。
    これらはクアハウス、温泉館と称して低料金で一日楽しく遊べて、さらにストレス解消に役立ち、庶民温泉の代表として人気がある。 
    また、「癒し」を求めて、鄙びた温泉地や名物の露天風呂を巡る旅行者もいる。


    人それぞれに温泉の目的が異なるし、温泉地も社会の変化に応じて変わってきた面もある。
    立ち上る白い湯気に包まれて、湯船にどっぷりと身を沈め、思いっきって手足を伸ばす。 

    我が家の風呂でもそうだが、まして温泉ともなると、この一瞬に幸せを感じるのである。 
    今も、温泉それ自体は何ら変わることなく、人々に愛され好まれている奥の深いものであろう。


    一般に温泉に効能、効果があることは誰でも知っているし、その健康的な癒しのイメージが温泉の魅力の一つであることは誰も否定しない思う。 
    温泉は昔から存在していて、しかも、どの温泉場も昔は湯治場風であったであろうし昨今の興味、趣味的癒し、娯楽的温泉の楽しみは少なかったのではないかと思う。

    医学の発達していない昔は温泉による健康回復、病の克服など、その願いは今よりはるかに深刻であったであろうし、それは湯治場の湯泉や浴槽に祈るような気持ちで入湯したものであろう。 
    老いと向かい合い、病と向かい合い、死と向き合う場所、本当の温泉とはそうしたところではなかろうか・・?。



    「双葉荘」の三つの浴室の一つに正面に「薬師如来」が安置してあり、その脇には如来仏に捧げる「珍奇品」が供えてあり、出窓には千羽鶴が数対奉納してあった。 
    しいて名前を付ければ「薬師の浴槽」とでも申そうか・・!。


    各所の温泉場には温泉神社や温泉寺があり、そこには必ずと言っていいほど「薬師如来」を祀ってある。 
    薬師如来は医薬を司り、人々の病気を治し、安楽を与える仏でもある。 
    そのため仏像は左手に薬壺を持っていることが多いという。 
    極楽往生を約束する仏である阿弥陀如来とともに日本においてはもっとも信仰されてきた如来である。 


    私は温泉山の薬師如来です。あなたの情け深い心には感心しました、そなたの病を助けましょう、そなたも人々の為になりなさい」、人々は薬師如来に祈り、温泉に浸かって気を癒し、病を治し安楽な体気になって戻っていくのである。 
    そして千羽鶴の真摯な祈り、切ない願いが伝わって来るようである。 

    双葉荘のこの浴場こそ本来の温泉湯治場の姿であったのかもしれない・・!。 

    この浴場は、きっと皆から大切に使われ、その過程で自然にこのような姿に形成されたのだろう、このような浴場を意図的に造ろうと思っても造れるものではないだろう。
    昨夕は先ず到着するなり、早速この湯船に浸かったのである。 
    薬師仏を祀った浴泉は、一層霊泉あらたかな気分がするのである。



    湯上りに、この付近をのんびり散策し今夜からの食材を若干調達する。 
    スーパー、コンビニはすぐ近くにあるから便利である。 
    部屋の前の泉熱で簡単な調理が出来るし、どうしても火が必要な場合はガスコンロが設置して
    あるから安心である。 
    米を磨いでコッヘルに入れ地獄釜に入れておくと、一風呂浴びている間に出来上がる。 
    調理場の看板によると先ず、地獄釜は100度以上あるのでヤケドに注意・・と記されて御飯・赤飯30分〜、ゆで卵10分、葉物野菜3分、根菜20分・・・とある。 

    勿論、部屋には簡単な台所、調理場がありナベ、カマ、茶碗その他が揃えてあって気軽に利用できる。
    初日なので、炊きたて御飯にボンカレーと大缶のビールなどを先ず食す。 

    気分が解放され、ホットな湯上りのビールは喉越しにしみとおるが、何より今日一日の達成感と生の喜びまでがしみわってくるのである。 


    表通りからはカランカランと下駄の音が聞こえ、向の浴室から掛け湯の音や賑やかな女性のカン高い声が伝わってくる。
    実にいい雰囲気で開放された気分であり、遂々、ウイスキーまでアオッテ酔っ払い寸前にまでいってしまった。 

    それでも湯場には数回通って、終いには酒に酔ったんだか、温泉に酔ったんだか判らない具合で床に沈んでしまった。 

    一般に酔っ払って風呂に入るのは好くないと言われるが、これが実にいい気持ちなのである・・ハイ。
    宿の各部屋を取り巻く中庭に温泉の熱源があるので、冬でも蚊がいる・・と、お上さんから電気蚊取りマットを拝借していたので、お陰で昨夜はグッスリ眠れたようである。

    引き続き「鉄輪温泉」へ続きます





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    【上越国境・谷川岳】 http://www.geocities.jp/orimasa2001/kokkyou.htm
    【丹沢山塊】 http://www.geocities.jp/orimasa2001/tanzawa.htm
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