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  • from: orimasaさん

    2011年05月23日 10時04分00秒

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    日本周遊紀行(131)九重 「坊がつる」

    .



     日本周遊紀行(131)九重 「坊がつる」   、




    写真:坊がつる道中の「雨ヶ池」



    雨ヶ池付近のミヤマキリシマ




    「坊がつる」は、ミヤマキリシマが満開であった・・、

    やまなみハイウェイの左手一面は湿原状の草原が広々としていて、その中に木道が整備されている。
    この草原状の湿原を「タデ原湿原」という。 

    2005年11月、山上湿原「坊がつる」と合わせて「坊がつる・タデ原湿原」と名付けて、世界的に重要な湿原、水鳥の生息地として九州で初めて「 ラムサール条約」に登録され保護されることになった。 


    「坊がつる」は阿蘇国立公園内の山岳地にあり、湿原としては国内最大級の面積で、ヌマガヤ、ミズゴケなど貴重な湿原植物が群生している。
    タデ原湿原は白水川沿いにススキやヨシ、ヌマガヤといった通常平地湿原に生える植物で、乾燥化が進んでいるようにも思われ、地元の人たちが行う「野焼き」により維持されているという。
    大分県内での登録は初めてであるという。


    ラムサール条約とは湖沼や河川、干潟など湿地の保全と利用を目的とする条約で、正式名称は「 特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約 」としている。 1971年イランのラムサールで開催された国際会議で条約が採択され、日本は1980年10月に加盟した。
    現在の登録湿地は北海道・釧路湿原など33カ所が登録されている、やはり、大自然の北海道が大半を占める。

    その「坊がつる」、「雨池」方面の登山道はタデ原湿原の最奥部にあった。 湿原木道は「自然研究路」、そして、こちらの登山道は「九州自然歩道」とも称している。 

    始め、平坦な樹林のトンネルを行く。
    見慣れた広葉樹のミズなら、クヌギ、ヒノキ、カエデなどの木々が鮮やかな葉緑素をたっぷり溜め込んで輝いている。
    歩くほどに次第に勾配が増してくる、応じてゴロ石が多くなる、山屋にとっては毎度御馴染みである。 T字型の指導標が一寸しつこいぐらいにあるが、こらばかりは幾ら有っても安心である。 
    それにしても人の多さには驚く、次から次と途絶えることなくやってくるようだ、普通の観光客風、ハイカー、重装備登山者と其々、目的に応じて歩を進めている。 
    小生は軽ハイカーといった感じであろうか、脚には薄いズック靴で、やはりボコボコの悪路は歩き難い。しかし、そこは長年のキャリアで山慣れしているので慎重に足を運ぶ。 ペットボトル1本とチョコ一つにカメラと、殆ど空身で体調も極めて良く、ゆっくリズムの先行者を追越しながら、やや早足で登ってゆく。
    高度が上がるに従って次第に樹々の様相も変わってきて、本格的な登山道になってきている。
    下山者も時折すれ違う、昨日、入山して坊がつるの「法華院温泉」に宿泊した登山者が多いようである。 
    情報によると、この先上部の雨ケ池からの周辺、山の端はピンクのツツジ「ミヤマキリシマ」が満開だという。 
    30分ほど歩いたところで、沢筋のやや開けたところで一服入れる。 
    斜面岩場に初めて身近で見るピンクのツツジが色鮮やかに花を付けていや。
    ここから先はさすがに急登が続く、道程の所々にミヤマキリシマやツツジ科のベニサラサドウダンの花が心身を癒す。 
    お天気は当初山腹付近でガスが垂れ込めていたが、雲霧の動きも活発になって次第に上方に追いやられ、明るくなってきている。 
    湿地部やぬかるみには木板の足場が施してあり、歩きやすくなっている。人気がある山とはいえ、さすがに山の管理人達には頭が下がるおもいだ。
    ナナカマドやヒメシャラが現れて山の植物相も変わり山全体の様相、雰囲気も大部変化してきている。視界も広がって周囲の山々が見渡せるようになった、「雨ヶ池」は近そうである。

    青天井の視界が大きく広がり、歩道横には広大な湿地帯が広がる。前方は平治岳や大船山が見え、すぐ其処に三俣山が控える。 三俣山の裾野に広がる「雨ヶ池」は今は乾いた泥沼であるが(今年は雨が少ない)、その名の通り雨が降ると水が溜まり池になるという。
    山道の横、周辺一帯の草付き丘陵地には、ミヤマキリシマの群落やベニサラサドウダン(当地ではツクシドウダンツツジというらしい)をはじめ、多くの高山性草花が咲き競い、登山者の目を楽しませてくれる。 
    周囲の山並みも所々ピンクに染まっていて実に壮観である。 
    暫く、周囲の景観、山の霊気とミヤマキリシマを堪能して山を下りることにする。広大な「坊がつる」まで行きたいが他にも予定があるため、ここ雨ヶ池だ引き返すとしよう。


    初夏の「九重」はミヤマキリシマの開花とともに始まると言われる。 
    ミヤマキリシマと言えば九州・火山性高山地帯に産し、霧島、えびの高原のほか、阿蘇山(熊本県)、雲仙岳(長崎県)、九重・久住山など分布する。 

    本来、鹿児島・霧島を代表する植物の一つで鹿児島の県花になっている。 
    ミヤマキリシマはツツジ科の植物で深山(ミヤマ)に咲く霧島(キリシマ)の花ということでその名が付いたのだろう。 樹勢は概ね50cm程度の背丈で横に広がる性質をもち、枝先に2、3個づつ散形に2cm程の可愛らしい花をつける。
    花の色は紫紅色が一般的で桃色、薄紅色のものも見られ、花期は概ね5月下旬から6月中旬頃。

    九重・久住山系では平沼岳や大船山から三俣山、硫黄山が知られている。 
    ミヤマキリシマは火山活動が生存を支えているといわれる、その活動が完全に治まってしまうと時間の経過と共に草原の森林化が起こり、やがて枯れてしまう運命にあるともいわれる。
     
    坊がつる賛歌』 唄 芹 洋子
    人みな花に 酔うときも
    残雪恋し 山に入り
    涙を流す 山男
    雪消(ユキゲ)の水に 春を知る

    みやまきりしま 咲き誇り
    山紅(クレナイ)に 大船(ダイセン)の
    峰を仰ぎて 山男
    花の情けを 知る君ぞ

    四面山なる 坊がつる
    夏はキャンプの 火を囲み
    夜空を仰ぐ 山男
    無我を悟るは この時ぞ        

    次回は、九重・「寒地獄温泉」 




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