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  • from: orimasaさん

    2011年10月28日 14時38分06秒

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    日本周遊紀行;石見銀山遺跡(3) 「石見三田」

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     日本周遊紀行;石見銀山遺跡(3) 「石見三田」  ,




    引続き「石見地方」のことである。

    石見国(いわみのくに;石州:せきしゅう)は、東西に長いため東から大田市を中心とする東部を「石東」、江津市や浜田市を中心とする中部を「石央」、益田市を中心とする西部を「石西」と呼び三分されていて益田市、浜田市、大田市と共に石見三田(いわみさんだ)とも呼ばれているようである。

    また、浜田の西には「江津」の港があり「江の川の港」を意味する地名で、江の川は中国山地を唯一越える一級大河で、瀬戸内の安芸国との結びつきも強い。

    江の川は基本的には浜田藩領と石見銀山領の境界とされたが、川の左岸でありながら江津町のみが江戸時代のほとんどを石見銀山領に属していた。
    そのため、石見銀山の幕府代官所の出先の口番所が置けれている。



    その石見地方の中心都市「浜田

    新道9号線沿いの港が一望できる高台に道の駅・「夕日パーク浜田」があった。
    港周辺の展望が抜群であり、港を往来する巨大船舶、小漁船と相まって、島へ渡る近代的な大橋がいい風景となって見下ろせる。 
    橋は「マリン大橋」といい、島は「瀬戸ヶ島」という。
    すぐ左には同様ぐらいの大きさの島々が美観を添えてる。


    奈良時代、天平年間の聖武天皇の御世、国分寺・国分尼寺建立の詔により、各国の国府に国分寺・国分尼寺が造られた。
    浜田は古代・石見国の国府があったところとされ、律令時代の石見国の中心地でもあった。

    日本海の砂浜近くの潮騒が届く場所に「金蔵寺」という古刹があり、近年、この境内に国分寺跡が発見され塔跡が一部発掘調査された。 
    ただ、古跡は塔の跡と礎石が一部残っているのみで、全体像は明らかになっていないという。
    国分寺跡の周辺には現在も「国分」の地名が残っている。

    鎌倉時代に守護制度が置かれると、源氏・佐々木氏がこの浜田を支配し、室町時代には「大内氏」が領主となって、石見銀山をも支配するように成る。



    銀山史跡より些か遠い「益田」と石見銀山の意外な関係



    『 あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の 
            ながながし夜を ひとりかも寝む
     』  柿本人麻呂(百人一首)

    ( 夜になると谷を隔てて独りさびしく寝るという山鳥の長く垂れた尾のように 長い長いこの夜を、私は独りさびしく寝るのだろう )


    西部地域の石西地方の中心とするに益田市は、急峻な山陰の山々に囲まれている地域に高津川及び益田川が主要河川となり日本海に注いでおり、そこに、小さな益田平野が三角州状に広がっている。 
    その中心に益田の市街地が開けている。
    その市の西部、高津川の袂に「高津柿本神社」があり、歌人として知られる「柿本人麿呂」を祀っている。 


    冒頭は、皆さんご存知の有名な歌である。
    この歌は、小生たちが高校生頃、学業でも習い覚えたもので、百人一首を嗜(たしなむ)む人達は、どなたも御存じの一句である。 
    この歌は、飛鳥時代という古い時代に詠まれた歌であった。

    柿本人麻呂」といえば、せいぜい平安期ぐらいの人物と想像していたが、これほど大昔の人とは存じなかった。
    因みに、「万葉集」が発刊されたのは、奈良中期ごろで集歌は天皇、貴族から名もない防人(さきもり・兵士のこと)、遊女ら様々な身分の人間が詠んだ歌を4500首以上も集めたものという。

    柿本人麻呂は、「石見国」へ国府の役人として下向し赴任している。
    人麻呂は地元の女性と結ばれ、子々孫をもうけている(妻・依羅娘子の他に側女もいたとされる)。
    そして、その終焉の地が、現在の島根県益田市であるという。

    人麻呂自身はこの地で没したが、その子孫も石見国の郡司として土着し、鎌倉時代以降は益田氏を名乗り石見国人となったともいわれる。

    以後、益田氏は石見地方の権勢を束ねながら、石見一国を束ねるようになる。
    近世の益田氏は長州藩の家老として毛利氏に仕え、幕末に禁門の変で長州軍の指揮を執ったともされる。 
    無論、現在の「益田」の名の起こりでもある。


    さて、益田市の市街地の東側にある比礼振山(権現山:標高358メートル)の麓に「佐毘売山神社」ざ鎮座している。
    この神社は、鉱山の護り神であり、別名を「山神社」とも言い、鉱夫たちや里人からは「山神さん」と呼ばれていた。

    益田市美都の都茂地区に近年まで開鉱していた「都茂鉱山」があり、この鉱山は驚くことに世界で最初に発見された鉱山としても知られ、「都茂鉱」(主に銅と亜鉛、金、銀ほか)といわれる鉱脈の産出地で、既に平安時代の836年には採掘が始まっていたとされる。
    そして更に驚くべきことに・・!、一時の休山を含めても1987年( 昭和62年 )まで採掘していたという。 実に1200年近い鉱歴を有するのである。

    佐毘売山神社は、この都茂鉱山の守り神だったのである。


    そして、「石見銀山」の中枢である大田市大森町銀山地区に、「佐毘売山神社」が山深く大鎮座している。 
    一帯は銀山で最初に開発された場所とされ、地元・大森地域をはじめ石見地方の人々の信仰を熱く集めてきた。

    この社は14世紀と15世紀に、益田市の同神社から分霊されたもので、祭神の移動は祭っていた技術者や鉱山物資の動きを示すものとされている。 
    これは石見銀山開発の前史として、西石見の都茂銅山に関連した人と技術が大森にもたらされ、石見銀山の銀の開拓、採掘に寄与されたものとして重要視されてるという。


    そして、この勧請を奉った人物こそ益田氏であり、当時の彼は室町将軍に会えるなど国人領主の中でも破格の扱いを受け、鎌倉時代から安土・桃山時代にかけて益田を拠点に権勢を振るった中世益田氏であった。

    益田氏は戦国後期には博多にも領地を所有し、銀を貿易に活用したとされ、更にはは技術が逆に都茂銅山もたらされ(現在でいえば逆輸入)、銀の生産をももたらしたという。


    益田と大森を結ぶ奇縁はもう一つあった。
    益田に進出した益田兼見(南北朝;益田宗家の惣領)が1368年ごろに築いた館は、関ケ原の戦の後、解体されて船などで大森に運ばれ、銀山奉行・竹村丹後の屋敷となり、後の大森代官所(現、石見銀山資料館)として利用された。

    戦乱の時代、貿易と軍事に手腕を発揮して動乱を駆け抜け、中世の世に存在感を示した益田氏(兼見)は、石見国最大の武士集団と財力と権力を源に、石見の地に点在していた豊かな銅と銀の資源を掘り起こそうとしていたのである。



    さて石見三田大田市(おおだし)であるが、

    大田市は雄大な自然、温泉や食事など観光をするのに魅力の多い街で、四季を通じて楽しめる国立公園・三瓶山、情緒あふれる温泉津温泉、鳴り砂で有名な琴ヶ浜など自然が豊富に揃っている。 
    そして何より歴史・文化遺産の街(世界遺産石見銀山遺跡)である、

    市域西部の大森は戦国時代から江戸時代にかけて日本最大の銀山とされた石見銀山の地で、1526年大内氏の支援によって博多の神谷寿貞が開発に成功したとされる。

    その後、大内氏やその後継である毛利氏と出雲の尼子氏の間で銀山争奪戦が繰り返された。
    江戸時代には幕府直轄領(天領)となり、石見銀山領が置かれた。
    江戸期にほぼ掘り尽し、1920年代には完全に閉山した。
    2007年に「石見銀山遺跡とその文化的景観」として世界遺産に登録された。


    さて、銀山史跡の大森町は現、太田市大森町であり、以前は仁摩町大森地区であったが、その仁摩町は2005年10月、大田市、温泉津町と合併し、新しい大田市となり消滅している。


    次回は、世界遺産・「温泉津







    祝い・・!!  平泉地方が世界文化遺産に決定。(2011年6月) 
    「東北紀行2010(内陸部)」 http://orimasa2009.web.fc2.com/tohoku.htm 

    『九州紀行』は以下にも記載してます(主に写真関係)
    九州紀行」; http://orimasa2009.web.fc2.com/kyusyu.htm
    九州紀行」; http://sky.geocities.jp/orimasa2010/

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    「石見銀山遺跡とその文化的景観」 http://orimasa2005.web.fc2.com/ig-1.htm

    「東北紀行2010内陸部」 http://orimasa2009.web.fc2.com/
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    「九州旅行」 http://sky.geocities.jp/orimasa2010/ 
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    《山のエッセイ》
    【上高地雑感】 http://www.geocities.jp/orimasa2001/kamikoti.htm
    【上越国境・谷川岳】 http://www.geocities.jp/orimasa2001/kokkyou.htm
    【丹沢山塊】 http://www.geocities.jp/orimasa2001/tanzawa.htm
    【大菩薩峠】 http://www.geocities.jp/orimasa2001/daibosatu.htm




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