７月28日（ブルームバーグ）：28日のクレジット・デフォルトスワップ（Ｃ ＤＳ）市場では、米企業の社債保証コストが上昇。国際通貨基金（ＩＭＦ）が 米住宅リセッションには終わりが見えないとの見解を示したことに反応した。

米証券最大手メリルリンチの社債に関連したＣＤＳスプレッドは一時約４ カ月ぶりの高水準に達したが、85億ドル規模の公募増資計画発表を受けて、そ の後上げ幅を縮小した。米Ｓ＆Ｌ（貯蓄・貸付組合）最大手、ワシントン・ミ ューチュアルの社債のＣＤＳスプレッドは25日に付けた最高値近辺の水準を 推移した。上昇は投資家信頼感の悪化を意味する。

ＩＭＦはこの日発表した世界金融安定報告で、「米住宅市場の下降を抑制す ることが家計と金融機関の両方の回復に支援となることから、市場の安定化を 図る上で必要だ」との認識を示した。住宅価格の落ち込みに伴い住宅差し押さ え件数が過去最高に達するなか、世界の金融機関は2007年初め以来、4680億 ドルを上回る資産評価損・貸倒損失を計上している。

ドイツ銀行によれば、北米の投資適格級企業125社で構成するマークイッ トＣＤＸ北米投資適格指数はニューヨーク時間午後５時46分（日本時間29日 午前６時46分）現在、0.5ベーシスポイント（ｂｐ、１ｂｐ＝0.01％）上昇 の136.5ｂｐ。

ＣＭＡデータビジョンによると、メリル債のＣＤＳスプレッドは11ｂｐ上 昇の333ｂｐ。一時は353ｂｐに達していた（フェニックス・パートナーズ・ グループ調べ）。メリルは28日、債務担保証券（ＣＤＯ）に絡んだ損失などに より2008年７－９月（第３四半期）に57億ドル（約6130億円）の税引き前 評価損を計上するとの見通しを示した。ＣＭＡのデータでは、ワシントン・ミ ューチュアル債の５年間のデフォルト（債務不履行）に対する前払い保証料は 約0.25ポイント上昇し、18.5ポイント。これは同社債1000万ドルに対する 前払い保証料が185万ドルであることを示す。このほか年間保証料は50万ド ル。

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