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from: orimasa2007さん
2010年03月09日 10時31分51秒
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世界遺産・知床(16)羅臼 「知床旅情」
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世界遺産・知床(16)羅臼 「知床旅情」
写真:森繁久弥像が立つ「しおかぜ公園」
羅臼の町の国道から半島沿いの東海岸・道道87号線を行くと、すぐ右側沿いに在るのが「しおかぜ公園」である。
高台にあるので幅広い羅臼漁港の岸壁や最北の太平洋そして、あの「北方四島」の一つ・国後島(くなしりとう)を望むことができる。
羅臼は、森繁久弥氏と「知床旅情」に縁があることは知る人ぞ知る地であろうが、ここの公園は映画「地の涯てに生きるもの」のロケ地で,
森繁久弥氏がモデルになった「オホーツク老人」の碑が立っている。
「知床の岬に はまなすの咲く頃・・・」から始まるあの歌詞であり、あの有名な昭和の名曲『知床旅情』の出だしでもある。
このことは作家・戸川幸夫が、1959年から知床を訪れたことに始まるという。
戸川氏は昭和期の小説家で、特に、動物を主人公とした「動物文学」、「動物小説」というジャンルを確立させ、動物に関しては正しい観察、知識を元に物語を書いていた。
その知床の旅の道中に立ち寄った番屋で、漁師から聞いた話をもとに書いた小説が、「オホーツク老人」であった。
その小説が発表された後すぐ、これを映画化しようと考えたのが森繁久彌(もりしげひさや)氏自身であったという。
映画のタイトルは「地の涯に生きるもの」で、主人公の老人役を森繁が演じ、しかも知床としては初めての映画ロケということもあって、羅臼は村(現在の羅臼町)をあげて、大々的に歓迎し、村長も全面協力を申し出たという。
そして、村人もエキストラとして多数参加し、村の人たちとも交流の機会も沢山あったようである。
これらに感激して別れの時に作ったのが「知床旅情」のはじまりで、当時は、「サラバ羅臼」という題名であったという。
そして別れに際し、見送りの村民と歌の大合唱となり、感動的フィナーレを迎えたという。
その後、「知床旅情」が広まっていくのである・・が、
10年後、加藤登紀子氏が「知床旅情」を歌ったは周知であり、これが爆発的な人気を呼び、これが引き金となって知床観光ブームへと繋がっていったといわれる。
その後も、石原裕次郎、美空ひばりなど多くの歌手たちに歌われた。
「知床旅情」の発祥地とでもいうべき場所が、羅臼町市街地に近い「しおかぜ公園」であり、歌碑や森繁氏そっくりの「オホーツク老人の銅像」が記念として立っている。
『知床旅情』が巷で歌われた当時の世相は、「ディスカバー・ジャパン」という旅行会社のキャッチフレーズもあって、全国的に旅行熱が高かった時期でもある。
北海道・知床が特にその風が吹いていたようで、山口百恵の「いい日旅立ち」の曲に乗って、「知床旅情」の唄に引き寄せられるように観光客が訪れたという。
その頃の知床は、人・人・人の山だったといい、景色と言うより人の後ろ姿を見て歩いた、という笑えるようなエピソードもあるくらいだったとか。
「世界遺産」となった今日、第二の知床ブームが押し寄せているというが・・?。
『知床旅情』 作詞・唄 森繁久弥、加藤登紀子
知床の岬に はまなすの咲く頃
思い出しておくれ 俺たちのことを
飲んで騒いで 丘に登れば
はるかクナシリに 白夜は明ける
別れの日は来た ラウスの村にも
君は出てゆく 峠を越えて
忘れちゃいやだよ 気まぐれ烏(カラス)さん
私を泣かすな 白いかもめよ
次回は、羅臼「羅臼八景」です
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