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from: orimasa2007さん
2010年03月29日 11時59分37秒
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日本周遊紀行(75)日高地方 「様似・浦河」
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日本周遊紀行(75)日高地方 「様似・浦河」
国道336(浦河国道)は再び山地へ入ってきた。
山地といっても沿岸部を離れて山地に入ったのではない、海岸そのものが山地なのである。 正面に編み笠の様な端正な山がボンヤリと見えている、標識等で確認すると「アポイ岳」というらしい。
国道より見渡せる様似八景の「親子岩」、父と母と子が寄り添うように並んでいる。
様似町(さまにちょう)は日高山系の南部山塊にスッポリ収まったような地形の町で、山塊はむろん海岸にまで押し出し、それが断崖絶壁や奇岩怪岩となって大洋に落ち込んでいるのである。
これがまた美しい海岸美を形造っている。 この海岸を「日高耶麻渓」という。
永い年月をかけて、冬島地域の奇岩穴岩から幌満川河口までの間(約6キロ)の海岸線を侵食した絶景が日高耶馬渓である。
海岸からほぼ垂直に駆け上がる崖の美しさが、大分県の耶馬渓に似ていることから、この名称が付けられている。
因みに本当の「耶馬渓」は、九州大分の中津・日田・宇佐の3市と玖珠町とに跨る広大な地域で、全68景ともいわれる絶景が展開する景観地である。
大分県の北部、福岡県との県境を北流する山国川の中、奥流に位置し、英彦山(ひこさん)系の小山群が連なり、山岳地帯は溶岩侵食により奇岩奇峰が起伏し、小さな開けた平野に集落が点在している。
耶馬溪エリアは本耶馬、深耶馬渓、裏耶馬、奥耶馬とに別れ、「山国川」沿いに奇岩、奇峰群が圧巻である。 又、そこに壮観な石橋や禅海和尚が手掘りで掘ったという「青の洞門」なども有名である。又、古刹・羅漢寺や英彦山(ひこさん)など歴史の宝庫でもある。
「アポイ岳」である・・、
アポイ岳は、北海道の脊梁である日高山脈の南に位置して、脊梁から少し西に外れたところある。
日高山系は帯広の北西、国道38号線の狩勝峠を境に、北は十勝連山、南に連なっているのが「日高山系」である。 この山系にはアポイをはじめ、チロロ、ヒパイロ、エサオマントッタベツ、イドンナップ、カムイエクウチカウシ、コイカクシュサツナイ、ペテガリ、ソエマツ、ピリカヌプリ、トヨニなど、いかにもチョット難儀なアイヌ語の呼称による山名が多く、標高・1600から1900mの山峰が連なる。
日高山系の東側を十勝地方、西側を日高地方と称しているが、アポイ岳、その奥のピンネシリ岳は日高の主脈からはチョット外れて稜線を成し、その南端に位置して海岸に迫っている。 標高も810mと低いが、山稜は気象条件によって2000メートル級の山と同じ様相であるという。
特徴的なのがこの山様で、ここにしか生育しない固有種を含む多数の貴重な高山植物が確認されており、「アポイ岳高山植物群落」は1952年(昭和27年)に国指定の特別天然記念物に指定され、1981年(昭和56年)には日高山脈襟裳国定公園の特別保護地区に指定されている。 つまりこれはこの山そのものが特別天然記念物であり、特別保護地区であると言うことで、北海道でも極めて稀で、人気の高い山なのである。
参考までに、高山植物群落が特別天然記念物に指定されているのは、当地北海道・アポイ岳、岩手県・早池峰山(はやちねさん)、長野県・白馬岳(しろうまだけ)と全国でも三カ所だけである。
余計だが長野県・白馬岳(しろうまだけ・2932m)は、我が別宅の在る白馬村(はくばむら)に連なる。 そして、本年(平成16年)8月、齢(よわい)65歳で4回目の登頂を行っている。
この際、稜線で強烈な雷に遭遇し、あわや・・! という目にあっている、後日のニュースで今年は例年になく雷雨が多く発生し、特に山間部では激しく、ここ一週間で同じ稜線で落雷のよる数人の死亡事故が発生していると報じていた。
尚、特別天然記念物の高山植物群落は、かの有名な「大雪渓」の上部から稜線直下に特に多く展開している。
尚、近年の白馬岳の登山記録です。
<a href="http://www.geocities.jp/orimasa2001/hakuba-1.htm" title="『白馬岳記録』">『白馬岳記録』</a>
http://www.geocities.jp/orimasa2001/hakuba-1.htm
「アポイ岳」の山麓を通過した辺りから山容が次第に遠のき、丘陵地または平坦地になってきた。 まもなく浦河町にはいった。
所謂、日高地方とは浦河、三石、静内、新冠、門別の海岸沿いと平取、日高町の内陸部の総称である。 この太平洋に面した国道を「サラブレット・ロード」、又は「サラブレット銀座」と称している。 言わずと知れたこの日高地方は日本競争馬の一大産地であり、全国の8割以上がこの地方から生産されているという。
牧場で見る「馬」は端正そのもの、つまり「カッコイイ・・!」とはこれら馬のことであろう。 脚は細く絞まって、背が高く、鼻筋とおって首が長く、胸部たっぷりで胴が長い、全体に筋肉質で、いかにも走る為に造られた芸術品である。 伝統、血統が造りあげた一級品の「サラブレット」とは「徹底的に品種改良された・・!」という語源になっているという。
『サラブレットの生涯』
★誕生期 誕生・哺乳期で1〜2再起
★離乳期 母馬から離し、軽いトレーニング期に入る 2〜3歳期
★セリ調教期 良血統馬は数千万から億単位の馬もいるという、買手の厩舎にて本格トレーニングに入る 3歳期
★出走期 いよいよレースに出場、先ずは地方競馬から
★4歳期 レースの華「クラシックレース」が始まる
★競争期 厳しい競争の中、1着は勝ち、2着以降は負けといわれる、この時期に勝てない馬は淘汰されてゆく
★引退期 5歳期以降は引退期に入る、古馬といわれる、子孫を残す
「クラシックレース」とは4歳馬限定で、戦前より存在するG1競走のことを指す。
語源は近代競馬の「母国」イギリス。 日本では牡馬・牝馬による皐月賞、東京優駿(日本ダービー)、菊花賞と牝馬限定の桜花賞・優駿牝馬(オークス)を指し、同時にこれらの競走は優秀なる種牡馬及び繁殖牝馬選定のレースでもある。 この5つに春秋の天皇賞及び有馬記念を「8大競走」と言うが、シンボリルドルフの「7冠馬」、シンザンの「5冠馬」、ミスターシービー、ナリタブライアンの「4冠馬」という言い方は正式ではなく、あくまで「俗称」であると。
さて「浦河」である・・、
日高幌別川を渡ってすぐ、国道235と国道236の交差点がある。 ここを右へ行くと間もなく「谷川牧場」がある。 「馬」をやらない小生でも知っている名馬「シンザン」の故郷である・・!
御存知、五冠馬のシンザンは1961年にこの牧場で生まれている。 セリには300万円と、この馬にしては比較的安値で買われ京都の武田厩舎へ入った。 デビュー戦は3歳後半で見事に新馬戦を飾る。 4歳でG1レースの皐月賞、東京優駿(日本ダービー)、菊花賞の三冠を果たした。
この年は東京オリンピックが行はれた年でもあり、日本経済は大飛躍期で神武景気等と言われ競馬熱も最高潮に達していた時期でもある。 歳で秋の天皇賞、有馬記念を制し、日本初の五冠馬になった。 始めの頃は馬主(橋元)、調教師(武田)共その実力を見抜けずにいたし、調教時の動きも地味な方で勝ってもスレスレの勝利だった。 ただ調教師は後足の蹴りが異常に強いのに気が付き、蹄鉄を改良してから本来の強さが出現したといわれる。
全通算19戦15勝、他は2位とずば抜けた強さを発揮し名馬中の名馬、歴史に残る馬になった。 引退後も、シンザンは驚異的な生命力を発揮し35年3ヶ月目の1996年7月13日、生まれ故郷の谷川牧場で永眠した。 これは現在、日本サラブレッド最長寿記録となっている。人間なら百歳をゆうに超す年齢である。
戦後初の三冠馬でしかも天皇賞、有馬記念、宝塚記念といった当時の大レースを全て制し、生涯成績も2着以下はなしという完璧な競走成績であり、又、繁殖の成績も優秀で多数の名馬を送り出している。 に、サラブレッド最高齢を記録など生命力も抜群だったシンザンはまさに「サラブレッドの中のサラブレッド」である。 今後「シンザン」を個々の能力において上回る馬は現れるに違いないが、これほどまでに完璧な能力を示すのは容易なことではないだろうといわれる。 獲得賞金は当時で6000万円。
現在、京都競馬場にシンザンの銅像と蹄鉄が展示されている他、毎年1月の同場での3歳馬の重賞レースに同馬の名前を冠した「(日刊スポーツ賞)シンザン記念」が開催されている。 また毎年8月には当地で「シンザンフェスティバル」が開かれている。
馬をやらない小生が勝手に選んだ浦河町出身の印象馬=シンザン、タケホープ、ミスターシビー(以上ダービー)、ティエムオペラオー(皐月賞)、メジロマックイーン(菊花賞)など。
次回は、 日高・「三石・静内」
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