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  • from: orimasa2007さん

    2010年04月13日 10時46分22秒

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    日本周遊紀行(88) 「津軽海峡」

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    日本周遊紀行(88) 「津軽海峡」   




    小生を載せて、函館から大間へ向かう津軽海峡フェリー




    北海道をグルッと一周、今は津軽海峡、海の上である・・、

    16時20分(平成16年10月1日)、大間行きのフエリーは定刻に出航した。 9月24日18時、ここ函館に上陸して一週間で道内の海道を巡ったことになる。 
    「函館山」を左に見ながら、永かった北海道に別れを告げる。 

    牛が寝そべっているようにみえることから別称「臥牛山」ともいわれている通り、市街地から見える錐形の山と異なって、上部付近はなだらかな台地上をなしていた。 
    この函館山が左舷前方より次第に迫ってきて、やがて後方に去っていった。 傾いた夕日もやがてこの海峡に吸い込まれようとしている。 

    夕時・・、海は凪いでいた。



    「津軽海峡」・・、

    「海峡」とは、陸や島の間の海域を示す地形名であるが、一般的には同様の地形名である瀬戸や水道よりも規模の大きい場合に使われるようである。
    しかし、瀬戸内海や紀伊水道は規模的にはどうなんであろうか・・?。

    あの好奇心と知識欲の旺盛な吉田松陰は、竜飛崎に立って津軽海峡越しの蝦夷地を眺めてはいるが渡ってはいない。 
    海峡は、津軽までやってきた旅人でも嘗ては、その先の旅路を諦めるに充分な荒海であり、当時は容易に越すに越されぬ荒ぶる大自然そのものであったのだ。

    しかし、荒々しい海峡を果敢に攻めた人物もいた。 
    伊能忠敬、間宮林蔵、松浦武四朗などは別格としても、この地で独立国家を夢見た土方歳三や榎本武揚、蝦夷の莫大な物産に目を見張り日本海の海運路を切り開いた高田屋嘉兵衛、ベイエリアに赤レンガ倉庫群を建設した渡辺熊四郎など、函館の地に大いなる夢を見た御仁人々だった。



    ところで、小生、北海道へ渡る時も同様にこの海峡、海域を通っているが、津軽海峡は、この地(海)が最も幅が狭い海域なのである。(実際は汐首岬と下北半島の大間崎の間で、約19kmある) 
    この海域に対し西側の松前の白神岬と津軽半島竜飛崎間は20kmとやや長い。

    太古の昔、日本列島が今の形になる以前、津軽海峡は所謂、瀬戸か水道の様な狭い地域であったらしい。 中央部の海底は、峡谷のような地形で東西に伸びていたらしいが、この海底の水深が約140mと一番浅くなっている地帯が「竜飛⇔白神岬」の間である。 
    その為、ここを鉄道専用の「青函トンネル」(津軽海峡線)が通したのであった。 


    ところで、この海峡に実際の道路トンネルや道路橋はないが、名目上は国道279号、国道280号、そして国道338号などが横断しているのである・・?。 

    国道279号は、現在小生が乗っているこの連絡船航路がそうであって、起点が函館市若松町・函館駅前交点から、終点は青森県野辺地町の松ノ木平交点で陸上距離・107.0km、海上区間が津軽海峡(函館⇒大間、東日本フェリー航路)となっている。 
    大間の港には、国道279号からフェリーへと標識で表示案内されている。

    国道280号は、起点が青森市長島2丁目(国道4号・国道7号終点)から、終点は函館市万代町(万代跨線橋交点=国道5号交点)で陸上距離・142.0km、海上区間は三厩⇒福島間の津軽海峡である。
    青函トンネル建設時はこの区間のフェリー(東日本、三福)で資材の通運が行はれた。 
    又、江戸期、松前藩の参勤航路でもあり「松前街道」でもあった。

    国道338号は、函館から下北半島の大間まで海上区間を含め国道279号と重複するが、下北半島では西岸・南岸(佐井、脇野沢、川内)を経由する道路であり、むつ市からは太平洋沿岸部を通り六ヶ所村、三沢、下田までの国道である。



    この海峡、この船の下に「日本一のマグロ」が泳いでいるんだと思うと何だか不思議な気がする。 
    今はこの大海に一隻の船も見当たらないが、早朝、多い時で100隻近い船がマグロを追ってゴッタ返すという・・!。 

    大間は近海マグロの産地として昔から「1匹獲れれば数百万円」といわれる夢を追って、そしてそれを実現しようとする漁師で溢れる。 
    築地でも「大間産マグロ」は、今では1kgで4万、5万と値が付き200キロ超のマグロだったら一匹で1千万円にもなるという。

    そもそも、マグロにはミナミマグロやキハダ、メバチ、カジキなどと色々あるが、大間のマグロこそ本マグロと言われる「黒マグロ」なのである。南太平洋で産まれて、その群れが黒潮にのって北上し日本沿岸にやって来る。 
    そして、親潮と黒潮のぶつかるエサの豊富な東北北部、津軽海峡は一大漁場となるらしい。 

    大間の沖の「弁天島」付近はその天然の餌場となり、真さに「大間の宝海」と言われる由縁なのである。 
    しかも一番値段のいい年末年始頃に良く獲れて最高の値段がつく、それは秋に豊富なエサ食したマグロが冬には身が締まり脂が乗るからといわれる。


    大間のマグロの漁方はご存知「一本釣り」であるが。
    他にも漁方は延縄(はえなわ:1本の幹縄に多数の枝縄《これを延縄と呼ぶ》をつけ、枝縄の先端に釣り針をつけた構成となっている)、曳縄(トローリング)、定置網などが知られるが、近年は養殖ものも増加しているという。



    津軽海峡といい、マグロ漁といい、この海域は小説や物語には事欠かず、特に演歌が良く似合う恰好の水域なのであろう。 その代表的なのが、やはり此れであろう、 昭和52年にはレコード大賞も受賞している。


    『津軽海峡冬景色』 唄:石川さゆり

    上野発の夜行列車 おりた時から
    青森駅は雪の中
    北へ帰る人の群れは 誰も無口で
    海鳴りだけを きいている
    私もひとり 連絡線に乗り
    こごえそうな鴎見つめ泣いていました
    ああ津軽海峡・冬景色


    次回は北海道の父・「松浦武四朗」



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