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from: orimasa2007さん
2011年01月15日 10時07分13秒
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日本周遊紀行(62)日和佐 「薬王寺」
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日本周遊紀行(62)日和佐 「薬王寺」 ,
医王山・薬王寺の「瑜祇塔」
那珂川町の国道55の「道の駅・公方の郷なかがわ」で一服入れる。 公方の郷とは貴き御方に所縁があると思ったが、やはり室町将軍・足利氏が居留した地であった。
室町後期、政治の腐敗を嘆き淡路島で病死した第10代将軍足利義植(あしかがよしたね)の養子・義冬は、父の悲願を果たすため上洛したが戦いに敗れ、阿波の守護・細川持隆に迎えられ、この地に落ちついたという。その後、足利氏は九代270年にわたってこの地に居住し、漢文学などを広め「阿波公方」として人々に親しまれたという。これが公方の郷の由縁であった。
那賀川町、羽ノ浦町は、平成18年3月に阿南市に吸収合併されるとのこと。
阿南市街は、国道55のバイパスで知らぬ間に通り過ぎてしまった。その後は、自然豊かな四国とは思えぬほどの重工業の港湾が広がっている、橘港である。 古くは天然の良港として知られており、昭和初期には阪神〜高知航路の中継港として栄えたが、今では、火力発電、造船、鉄工所などの大企業がひしめき、徳島県東部における工業の集積拠点としての役割を果たしているようである。
国道55は別名「土佐東街道・土佐浜街道」と称している。浜街道とは言いながら、現在は山中険路の道であるが。 由岐町と日和佐町の町界あたりの地名に「星越」というのがある、星をも越すような高度がある・・?というのはチト、オーバーではあるが、かなりの高所を走っているのは確かなようである。 山間からどうやら見通しのきく平地に出たようだ、日和佐の街である。
二十三霊場・「薬王寺」 ,
日和佐の町内に入ると国道沿いに名刹が在った。「医王山・薬王寺」である。
我々年配者には有難そうな厄除けのお寺さんであり、誰が詠んだか、御詠歌(巡礼または信者などが詠う和歌)としてこんな歌碑があった。
『 皆人の 病みぬる年の 薬王寺
祈願のくすりを 興えましませ 』
御本尊も、当然と思える薬師如来である。
山門をくぐり 桜並木の参道から本堂への石段を登りつつ、振り返ると日和佐城と日和佐湾・太平洋が望まれる。 石段は、女厄坂の33段、男厄の42段とあり、大師堂、地蔵堂から本堂に達する。 この上には61段の還暦の厄坂というのもあり、山腹の高目に密教特有の円形のお堂に四角い屋根の「瑜祇塔」(ゆぎとう・多宝塔の原型とされているのが瑜祇塔であり、一重の屋根と円筒形の厨子、そして屋根の上に聾える五本の相輪が特徴)が建ち、屋根の上には五智を表す五つの相輪が立つ。
瑜祇塔は、通常の寺仏堂とはチョッと変わった斬新な印象を与えてくれる不思議な塔で、神秘的な香りが感じられる。建造は比較的新しく、昭和39年に四国霊場開創1150年を記念して建てられたという。内部には宝物展示室や地下の戒壇巡りなどがあるという。
自分の厄年に、厄坂の石段を一段ずつコインを置いてゆくと、願いが叶うという薬王寺。
寺院は行基菩薩の開基で、弘法大師が厄除けを願って薬師如来像を刻んで本尊とした。 阿波・「発心の道場」の23番、最後の霊場で、24番からは土佐の高知の地で、「修行の道場」へ進むことになる。
薬王寺の山腹より日和佐の町が一望でき、日和佐湾が青く光る。
湾の小山状の上部に「日和佐城」がこじんまりと遠慮がちに見えてる。 海城というか、山城というか・・? お城・天守閣は昭和期の近年、観光用に増築されたものらしいが、本来、室町時代にこの地に拠った肥後守・日和佐氏の築城であるが、戦国期、四国を統一した長曽我部元親(土佐高知の戦国武将、四国全土を統一しているが・・)に降伏している。
日和佐の町内を少し行くと、程なく「道の駅・日和佐」である、ここで小服を入れる。
JR牟岐線日和佐駅と国道に接して立地しており、四国でも国道とJRの駅が一体になっているのは珍しいのでは・・?。 ここには温泉が在る、足湯もある。小生も一足浸かることにした。 物産館の敷地内で湧出する温泉を利用したもので、お遍路さんの足を癒す「休足所(足湯)」としては最適であり、発案担当者に感謝したい。
弘法大師が薬王寺を開いた際、その麓から湧く泉を発見したという古泉でもあり、飲用、また温浴に適した水として、人々に効能を知らせたと伝えられている。 少々の硫黄臭があり、無色透明でサラリとした湯は単純硫化水素泉。 神経痛やリウマチ、慢性皮膚病、慢性金属中毒症、糖尿病などに効能があるという。地下30メートルから豊富に冷泉がわき出ているという。
尚、日和佐町は、2006年3月に由岐町と合併て「美波町」となっている。 大浜海岸に産卵のため上陸してくるアカウミガメで有名、これを主題とした2009年のNHK連続テレビ小説「ウェルかめ」の舞台にもなった。
次回は、海部(かいふ)の海部氏
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