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from: orimasa2007さん
2012年04月20日 09時30分48秒
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日本周遊紀行(230)白馬 「追憶・冬季長野オリンピック」
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日本周遊紀行(230)白馬 「追憶・冬季長野オリンピック」 .
写真:白馬村と白馬ジャンプ台
白馬:「追憶・冬季長野オリンピック」
序ながら、あの冬季長野オリンピック・白馬ジャンプ競技の感動的名場面を思い起こしてみよう。
1998年・平成10年2月11日、白馬の空は晴れ渡っていた。
この日、先ずノーマルヒルの競技がいよいよ開催されるのである。 やや高台にある競技場の観覧席は日本選手の原田や船木の登場を、今やおそしと待ちわびていた。
いよいよ本番。 1本目のジャンプは原田雅彦選手がやってくれました。 最長不倒、K点越えの91.5mでトップに立つ。
飛び終えて、満面の笑顔で歓声に応える原田選手。
次に飛んだドイツのトーマが84.5m。最後に飛んだ船木和喜選手はやや伸びを欠いた87.5mのジャンプに終わり、原田選手が断然トップで折り返した。 1本目を終えて1位が原田選手、そのほかの日本選手は船木選手が4位、葛西選手が5位、斉藤選手が7位である。 一本目は真さに期待通りの強さであった。
空は本当に気持ちよく晴れ渡り、さわやかなそよ風(ジャンプ台には向かい風)が吹く絶好のコンディションで、誰もが、もう原田選手の金メダルを信じているようである。
2回目を待つ間も会場は大興奮!
しかし、・・あああ、これは神様のいたずらか・・! それでも原田は主役であった。
2本目の競技は、1本目の上位30人が出場し、下位の選手から順番に飛んでいく。
船木が登場したのは勿論最後から4人目、満員のスタンドが歓声とともに大きく揺れた。
飛距離は90.5m、2本の合計ポイントは233.5点、フィンランドのアホネンを合計ポイントで2点上回りトップに立つ。
残すは3人、1人でも船木に及ばなければメダルが確定する。 船木の次に飛んだのはオーストリアのビドヘルツル、飛距離は船木選手と同じ90.5mまで伸ばした、ビドヘルツル選手は1本目88mを飛んで3位、ああ、抜かれてしまうかという不安を抱きながら見守る。 でも合計ポイントは232.5点、船木には届かない、大歓声が起こる、船木のメダルはもう確定した。
飛距離の合計では船木を上回ったビドヘルツルであったが、世界一美しいといわれる船木のジャンプは、飛型点を多くかせいでわずかな差を守った。
これで原田選手が「自分のジャンプ」をしてくれれば、日本が金銀のメダルを獲得できる可能性があった。 次はフィンランドのソイニネン、見事なジャンプで89mを記録した、ソイニネンが着地した瞬間、「ウオオオ」という声があがつた。 船木が逆転されたのである。
なんにせよ、これで原田選手が「ちゃんと飛んで」くれさえすれば原田が金メダル、船木が銅メダル・・、最高の成績である・・?。
いよいよ最後のジャンパー、原田の番がやってきた。
白馬の山を貫くような大歓声が起こる、いよいよ原田がスタートした。
そして、結果は・・、原田はやっちゃいました。飛距離は84.5m、合計ポイント228.5点で5位に転落してしまったのである。
「ああああああ・・!!」、着地した位置を見て、やけに長いため息が渦巻いた、あのリレハンメル・ オリンピックの団体戦、最後のジャンプで失敗したシーンが頭をよぎる。
残念ながら、日本選手の金メダル獲得はならなかった。
それでもバーンを滑り降りてきた原田は、終始笑顔を崩さず、手を挙げて歓声に応えた、ヘルメットを取り、周囲のスタンドに何度もおじぎをしている。
きっと「応援してくれたのに、金メダルが取れなくてすみません」という意味なのだろう。 悔しさに顔をゆがめていいはずなのに、観衆を気づかい、取り囲む報道陣の質問にもていねいに答えている原田選手の姿。
観衆の誰も、原田を責めるような声を飛ばしたりはし、むしろ「ラージヒルは期待してるぞぉ!」という声があちらこちらから聞こえていた。
ジャンプ・ラージヒルの日、1998年・平成10年2月15日、天候は雪である。
競技の前にトライアル(試技)と言う練習ジャンプがあり、飛んだ原田は108mの失敗ジャンプ、船木は着地でバランスを崩して転倒してしまい、あやうくフェンスに激突しそうになった。
ともかくも、1本目の競技が始まった。
岡部の1本目、飛距離はなんと130m!大差をつけて、まず首位に立つ。 原田がスタート地点に姿を見せると、満員のスタンドから大歓声だ、ノーマルヒルでの屈辱を晴らして欲しい。 原田の飛距離は120m、失敗というわけではないが、風に恵まれず、やや不本意の5位。
そして1本目の最後に飛んだ船木の飛距離は126mで4位につける。
1本目が終わり、2位に岡部、4位に船木、ややポイント差はあるものの6位に原田が続く。
ファイナルラウンドは1本目の上位30選手だけで争われる。 風の条件がよくなったのか、1本目より飛距離を大きくのばし、K点を越えるジャンパーが続出する。
25人目、いよいよ原田の2本目、地響きのような歓声があがる。
そして、原田がやってくれました。 NHKの工藤アナウンサーが「・・・さあ、原田スタート・・、ン・・高いぞ・・どこまで行くのか・・立て、立て、立ってくれ・・立った・・!!」の絶叫口調が耳に残る。
そして、135m地点を越える大ジャンプ。 見ていても伝わってくるような衝撃に、足と両手を大きく広げて転倒しそうになるのを耐えきった。 まさに奇跡・・、歓声が爆発音のように激しく原田を祝福する、これでメダルに手が届く! アップの画面でスタンドには、もうすでに泣いている人がいるようだ。
ところが、会場の電光表示板には、いつまで待っても「HARADA」の飛距離やポイントが表示されない。
白馬のラージヒルのジャンプ台では、ビデオを使って飛距離判定をしているが、カバーしているのは135m地点までで、原田は、その135m地点をはるかに越えて着地してしまったのだ。
測定ビデオのないところまで飛んでしまったために、測定されないまま次の選手がスタートしている、「原田はどうなんだ?」、観戦諸氏はヤキモキ・・、すばらしいポイントをマークしたのは間違いないが・・?。 競技は進む、そして、続いて船木がやってくれた。 原田の大ジャンプの興奮もさめやらぬうち、またまた130mを越える大ジャンプを見せた。 飛距離は132.5m、しかも、テレマーク姿勢もぴたりときめて、飛型点は審判全員が20点満点というずばらしいジャンプであった。
残るは2人になって、1本目2位の岡部が登場、この時点で船木が1位、原田のポイントはまだ発表されないが、残念ながら岡部の飛距離は119.5m、最終的に岡部は6位。
いよいよ最後のビドヘルツルである、この時点でトップは船木、もし、ビドヘルツルの飛距離が伸びなければ、船木選手が金メダルである。
スタートを切った。 我々日本人は「落ちろー!」と心の中で叫んだに違いない。 それが通じたのか、飛距離は伸びなかった、120.5m。
原田のポイントはまだ表示されないままであるが、船木が1位であることはもう間違いない、船木の金メダルが確定した。 ラージヒルでは会心の金メダル、観衆に向かって大きく手を上げて喜びを表現している。
競技はすべて終わった。 でも、原田のポイントはなかなか表示されない、一度は観衆の声援に応えた船木が、少し心配そうに原田に歩み寄る。 そして、電光表示板に「HARADA」の名が浮かび上がった、3位である・・!。
飛距離は136m、白馬の山が割れるような大歓声が起こる。
金メダルの船木選手は本当にすばらしい、でも、原田の銅メダルは、見ている者にとって、金よりも輝いていた、オメデトウ・・日本、次は団体である。
ここでは何と言っても原田の2本目のジャンプが注目された。 白馬の冬のバッケンレコード131.5mであるが、それを4.5mも上回る大ジャンプであった。
この辺りの地面(雪面)はほぼ水平で、着地した瞬間は、物凄い衝撃が全身を打ったはずである。 後日談で、この136mジャンプの着地の際、あまりの衝撃の大きさで原田のスキー板にヒビが入ってしまったという・・、凄い・・!!。
次回は、「ジャンプ団体」
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