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  • from: orimasa2007さん

    2012年01月31日 13時33分35秒

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    日本周遊紀行(202) 舞鶴 「舞鶴港」

    .日本周遊紀行(202)舞鶴「舞鶴港」.写真:舞鶴軍港に停泊中の護衛艦群写真:舞鶴軍港に停泊中の最新鋭護衛艦・「すずなみ」注油中のイージス艦・・?宮津

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       日本周遊紀行(202) 舞鶴 「舞鶴港」    .





    写真:舞鶴軍港に停泊中の護衛艦群



    写真:舞鶴軍港に停泊中の最新鋭護衛艦・「すずなみ」



    注油中のイージス艦・・?



    宮津の町から岬付け根の粟田トンネルを抜け、粟田湾から由良川沿いを南下する。 
    八田の交差点を左折して由良川を渡り、小さな峠を越えると間もなく舞鶴の港である西港の大きな埠頭が目に入る。   


    舞鶴港は、日本海における重要港湾の一つとして位置付けられ、現在は大きく二つの港に区分されている。 

    この西港は対中国、韓国、ロシアなど対岸諸国への定期コンテナ航路をもつ国際貿易港としての機能分担をもち、中でも、現在、拉致などの諸問題を抱える朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の清津港(チョンジン・日本語・セイシン)の航路も開かれているが・・?。 

    そしてこの先の東港は、近畿圏と北海道を結ぶ長距離フェリーを中心とする国内貿易港としても利用されているが、主に海上自衛隊の軍港として使用されている。 



    一旦、西港から離れて次に東港へ向かう。 
    舞鶴港は西の金ヶ岬、東側が博奕岬(ばくちみさき・・?)に挟まれた狭い湾口を成していて、その地形から湾内の干満の差が極めて小さく、四方を3〜400m級の山で囲まれていることから、強風や荒天をも避けることもできる。 
    また日本海から湾内を目視する事ができないため、天然の良港としても重要視された。 


    このような地形的に優位な舞鶴港は古来より開かれ、江戸期には北前船の寄港地として貴重な存在となり、日本海側でも有数の商業港として栄えていた。 

    だが、北方において軍事色が濃くなる明治期には、日本海側唯一の海軍の舞鶴鎮守府が開府し、軍港として飛躍的に発展してゆくことになる。

    日露戦争の際、その殆どの船がここから出港したことは有名であり、当時の海軍記念館も存在している。 
    昭和の戦時期は、更に東港が軍港として整備され、戦後も海上自衛隊基地として現存している。


    現在の舞鶴港はロシア、中国、韓国との航路もでき、そして北朝鮮との貿易港としても期待されていた。 
    しかし北朝鮮の不審船事件や、その他の不穏な動向により舞鶴の海上自衛隊は更に増強されているという。 

    軍港は、海上自衛隊の舞鶴地方総監部(戦前の鎮守府にあたる)として、イージス艦、給油艦、護衛艦などの海軍基地として、昔のように整備されつつあるという。 
    舞鶴港の歴史は、そのまま日本の歴史を見るようでもある。


    因みに、現存する国内の主要な軍港は、北から北海道・むつ市の大湊港、横須賀港、呉港、佐世保港と舞鶴港である。 

    そして、日本の戦後の歴史としては舞鶴東港は何といっても引き揚げの港として著名である。 
    実は、小生も戦後満6歳の時に、この港に上陸した「満州引揚難民」の一人なのである・・!。
    (このことは後ほど・・、)


    港の公園からは蔦を絡ませた赤煉瓦の堅固な倉庫も見えてる。 
    横浜の赤煉瓦倉庫とは異質な 雰囲気に満ちた建物で、ここは旧日本海軍の軍需施設として使われたもので現在でもその面影は色濃く感じられる。 

    今実際は、赤レンガ博物館や市政記念館・また海上自衛隊の補給所などとして使われているようである。 
    公園からは更に海上自衛隊の埠頭が臨まれ、各種軍艦(自衛艦、護衛艦)が常駐停泊していているのが伺える。


    一旦、街中を通って湾の東側を北上する。 
    広い自衛隊基地、日本板硝子の敷地を過ぎると間もなく小高い公園風のこざっぱりところに「引揚者記念館」があった。 
    近代的な堂々たる建物で、一つの歴史的記念施設でもある。


    次回、「舞鶴引揚港





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  • from: orimasa2007さん

    2012年01月30日 10時43分47秒

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    日本周遊紀行(201)宮津 「天の橋立・南」(2)

    .「旅人よ、道はない。歩くことで道は出来る。」(アントニオ・マチャド;スペインの詩人)日本周遊紀行(201)宮津「天の橋立・南」(2).写真:林春斎の

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    旅人よ、道はない。 歩くことで道は出来る。 」  (アントニオ・マチャド;スペインの詩人)



      日本周遊紀行(201)宮津 「天の橋立・南」(2)  .




    写真:林春斎の三景碑(天の橋立)



    海岸へ出ると間近に砂州と松林が延々と対岸へ延びている。 
    その景観は海と緑が対象の妙をなし、確かに、その美しさは人々の心の琴線に触れるものであろう・・!。 
    海に囲まれた国、日本を象徴するこれらの絶景は、まさに天が我々に与えてくれた自然の恩恵である。 

    天橋立は古き時代から数々の歴史の表舞台にも登場し、和歌や文学にも登場してきた美景であり、いつの世も代わることなく人々を魅了し続けている。 
    日本人の旅心の原点でもあろう。

    一例として良く知られる百人一首の「小式部内侍」(こしきぶ の ないし・平安時代の女流歌人、母は和泉式部)の歌で・・、

    大江山 いく野の道の 遠ければ 
               まだふみもみず 天橋立
    』 がある。

    又、その母である和泉式部も・・、
    橋立の 松の下なる 磯清水 
               都なりせば 君も汲ままし
    』 と吟じている。  

    人をして 廻旋橋の 開く時 
                 黒くも動く 天橋立
    』   与謝野晶子

    はしだてや 松は月日の こぼれ種』   与謝蕪村

    などもある。



    松林の一角に古式の文字で「日本三景」の碑が建っていた。
    碑には、『丹後天橋立、陸奥松島、安芸厳島、三処を奇観と為す』  林春斎
    と刻してある。

    御存じ、「天橋立」は日本三景の一つである。 

    日本三景とは、ここ京都府宮津市の「天橋立」、宮城県松島町の「松島」、そして広島県廿日市市の「厳島(宮島)」の三つの名勝地のことである。 

    これには所縁があって、江戸期の儒学者・「林春斎」が全国を行脚した際の著書「日本国事跡考」に著述されていて、三景石碑に記された文面の如く、我国の卓越した三つの景観としてと書かれたのが始まりと言われている。


    ところで、これら三景の地には同じ様な文字の記念石碑が建てられているというが、面白いのは其々紹介する場所で、刻した順序が違っていて、天橋立では林春斎の原典通りの「天橋立、松島、宮島」(冒頭写真)、松島では東から「松島、天橋立、宮島」、厳島では西から「宮島、天橋立、松島」の順となっているという。 

    尚、2006年、天橋立、松島、宮島の日本三景観光協議会では、林春斎の誕生日の7月21日を日本三景の日と制定している。


    林春斎は、幕府の仕事として全国をかなり広範囲に行脚したようで、その見識の上で日本三景を選出したようである。 
    当時の江戸期の国内事情から考えると、日本三景を死ぬまでに全てを観光したという人はかなり限られていたと思われ、現代においても日本三景の総てを見たという人は案外と少ないどころか、「日本三景は、其々何処に在るか・・?」とすんなりと地名が出てくる人も案外と少ないのではなかろうか・・?。

    幸いというか小生の場合、日本一周を旅するに及んで他の「松島」、「安芸の宮島」(厳島)、そして、ここ丹後の「天橋立」の地を訪れたことで、日本三景勝地を巡ってことになる。  

    因みに、日本三景にならって実業之日本社主催による「新日本三景」の選定が行われ、全国投票の結果北海道七飯町の「大沼」、静岡県清水市(現静岡市)の「三保の松原」、大分県中津市の「耶馬渓」が選ばれているという。


    林春斎」は、江戸時代前期の儒学者、父はあの林羅山(家康に抜擢され、23歳の若さで家康のブレーンとなる、2代将軍徳川秀忠・家康の三男に講書を行う)で、名は又三郎・春勝、号は鵞峰(がほう)で、父とともに幕府に仕え、幕政に参画していた。 
    三代将軍・徳川家光に五経(四書五経:ししょごきょうともいい、儒教の経書の中で特に重要とされる九種の書物の総称)を講義し、訴訟関係や幕府外交の機密にもあずかった。 又、日本史にも通じ、父羅山とともに「本朝通鑑」(江戸幕府により編集された漢文体の歴史書)、「寛永諸家系図伝」など幕府の初期における歴史的書物の編纂事業を主導し、近世の歴史学に大きな影響を与えた人物でもある。


    次回は「舞鶴




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    2012年01月28日 11時53分03秒

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    日本周遊紀行(201)宮津 「天の橋立・南」

    .日本周遊紀行(201)宮津「天の橋立・南」.伊根の風景を満喫し写真に収めて、来た道の国道178を折り返す。序に先ほどとは反対側に位置する「天橋立」の

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     日本周遊紀行(201)宮津 「天の橋立・南」 .




    伊根の風景を満喫し写真に収めて、来た道の国道178を折り返す。 
    序に先ほどとは反対側に位置する「天橋立」の南側へ立ち寄ってみた。 

    こちらは賑やかなメイン観光地らしく、北側の静けさと違ってお土産店も多く並び、人通りも多く、智恩寺という由緒ありそうな寺院もあった。 
    そこの豪壮な山門の奥に「文殊堂」という本堂があった。


    日本三文殊の一つだそうで文殊菩薩の霊場、智恵を授かる文殊さんとして有名で、受験や資格試験などの受験生にご利益があるという。 
    文殊菩薩は、昔からの喩えで「三人寄れば文殊の知恵」でもお馴染みの知識の仏様で、普賢菩薩とともに釈迦如来の左側の脇侍をつとめ、(この三体を釈迦三尊という)単独でも広く信仰されている。 


    文殊は、右手に剣を抱え、左手に知恵の象徴である蓮華経巻を持つ、そして獅子に跨った姿が一般的である。 
    経巻は智慧の象徴、剣はその智慧が鋭く研ぎ澄まされている様、獅子はその智慧の勢いが盛んであることを表現しているという。
     

    ところで「文殊」は実在の可能性が高いとされる菩薩だともいわれる。
    智恵・理知の働きの実例として、釈迦の弟子たちの中で非常に聡明で大乗仏教の奥義にも通じていたとされる維摩居士(ゆいまこじ:維摩経)という人物がいて、彼に議論を挑んだが殆どの者が次々とやりこめられたという。 
    しかしただ一人、文殊菩薩だけは対等に論議することができたという。


    尚、居士(こじ)とは、出家をせずに家庭において修行を行う仏教信者の事であり、居士の語源は「家に居する士」である。 
    普通の信者と異なる点は、仏教学の知識・実践において僧侶に準ずるか、或いは匹敵する程の力量を持っている修者のことである。 

    日本においては、その道に通じ、奥義に達した者として居士が与えられて者もいる。 
    剣豪・山岡鉄舟や仏教学者の鈴木大拙、西田幾多郎等々であり、現在でも居士号を取る程の修行を積んだ人の中には、剣道や弓道の達人がいる。 
    戒名における居士号は法名の敬称の一つであるが、ただ、江戸時代には百姓農民につけるのは禁止されていたという。
     


    右手の廻旋橋を渡って天の橋立へ向かう。
    たまたま、観光船が通るところで、欄干を朱色に染め上げた「廻旋橋」がゆっくりと90度回転している。 
    これで船の通路が確保でき、小型船(漁船)や観光船の通行が出来るようになるのである。 この観光船は対岸の一の宮・籠神社へ10数分かけて、天橋立を見物しながら往来しているらしい。

    因みに、この廻旋橋を渡ったところが細長い1つの島になっていて、これを「小橋立」と称している。 
    更に次の橋を渡ったところが「大橋立」といって、そこには約7000本の松の木が繁り、幅20から170mほどの砂嘴(さし)が3.3kmほど続いていて対岸の丹後一の宮・籠神社に達している。


    次回も「天の橋立<b></b>」




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    2012年01月27日 11時36分59秒

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    日本周遊紀行(200) 伊根 「伊根の舟屋」

    .「この人生は旅である。その旅は片道切符の旅である。往きはあるが帰りはない」<吉川英治>日本周遊紀行(200)伊根「伊根の舟屋」.写真:伊

    .


    この人生は旅である。その旅は片道切符の旅である。往きはあるが帰りはない」<吉川 英治></del>




    日本周遊紀行(200) 伊根 「伊根の舟屋」 .







    写真:伊根の舟屋(2枚)




    丹後半島の先端「伊根」を目指す・・、

    海よりの国道178から望む宮津湾は長閑で実にいい。 
    養老地区からやや内陸に入ってトンネルを抜けると伊根の街である。
    だが、目的地は更にこの先である。 

    更に、伊根湾沿いの海岸を行くと、湾に浮かぶ青島の姿がホンノリしてて景観を造っている。小学校の手前から細い路地をゆっくり進むと、舟屋の路地裏らしく合間に海辺の舟屋の姿が見え隠れしている。 

    波止場の一角に着いた途端、入り江に湾曲した舟屋の全体の姿が望めた。 
    伊根町は複雑な海岸線と深い伊根湾から成る港町で、伊根湾の周囲5kmには約230軒の船のガレージ、「舟屋」が建ち並んでいる。 
    その風景は誠に壮観であり、伊根町独特の詩情を漂わせている。



    伊根は、古くは「伊禰の浦」と言い、その名称については古代から呼ばれていて、西暦初頭の古文書にも「伊禰の浦より貢を奉る」ときされてあるらしい。 
    古くから丹後地方の漁業の中心地であり、湾口に青島を浮かべ、波静かな伊根湾に集落を築いたという。 


    元禄2年、当時の学者、貝原益軒(かいばらえきけん)が書いたといわれる「丹後与謝海図誌」によると・・、

    『 伊禰の浦は・・・名也、伊根は惣名にして凡、日出より亀島村まで入海の裏向なり、晴岸の勝景なり。丹後鰤というのは此処にてとる。鯨などもとる也。 』 
    と記されており、徳川中期の頃まではイルカ、鮪、鰹、鯨等も盛んに捕っていたらしい。
     

    海辺に独特の造作を施してある魚民家・「舟屋」は、江戸時代中期頃から存在しているという。 
    昭和初期には大部分が二階となり、何時でも舟が出せるように若者が寝泊りし、青年同士の交流をする場にもなり、これを「若衆宿」とも呼ばれた。  

    この舟屋は海面すれすれに建てられているので、満潮時ともなれば、あたかも家が海に浮かんでいる様な景観となり、全国にも珍しく、波の荒い日本海では他に見ることのできない詩情を漂わせる。


    舟屋の構造は、土台や柱は「椎」の木を用い、梁(はり)は松の原木を使用してがっしりと組んであり、舟屋の間口は二隻引、三隻引といって、まちまちの大きさがあるが、どの舟屋も「妻入」(対語:平入)姿をもち、海側に小さな一定の窓が見られるのも特色の一つである。

    舟屋は元来階下に舟を引き込み、二階は縄や綱などの漁具を置く物置場であり、雨や雪の多いこの地では、網の干場でもあった。


    現在の舟屋は往時の面影はなく、舟の格納のみにとどまらず、構造空間を巧に利用して一階は舟揚場、物置、作業場をもち、出漁準備、漁具の手入、魚干物の乾場、農産物の置場等多種多様に使用されている。 
    又、トイレ、浴場等も作られているて所謂、二次的な生活の場ともなっている。 

    最近では伊根の集落や舟屋は、観光的要素をもつようになり、そのため二階は客間などに改造され、数は少ないものの民宿なども営まれているらしい。 

    或る民宿経営者は、「海に接している舟屋の一夜」を体験できるのは良いが、中には寝相が悪かったり酒に酔った人などは、いきなり海へ落ちてしまいそうで心配でもあるともいう。


    舟屋の立ち並ぶ湾内をじっくりと眺めるには遊覧船がよく、沖から「かもめ」と一緒に「舟屋」や「青島」の素晴しい光景を約30分ほど楽しむことが出来る。

    1993年4月からのNHK朝ドラ『ええにょぼ』が放映された。
    主演の宇佐美悠季に戸田菜穂、 夫に榊原利彦の物語で、 宇佐美悠季の実家がこの伊根の舟屋であった。


    ところで、この度水産庁は「未来に残したい漁業、漁村の歴史文化的財産百選」、所謂、「漁業漁村百選」を発表した。 
    漁村に残る歴史的・文化的に価値の高い施設や現在では貴重な工法や様式の施設など、未来に残したい漁村の施設を漁業漁村百選として選定している。 

    既に北海道から九州まで名だたる漁業・漁村が選ばれていて、当、京都府伊根町の舟屋も「伊根漁港と舟屋の景観」として当然選ばれている。 又、舟屋は文化庁による重要伝統的建造物群保存地区にも選定されている。

    更に、伊根町は美しい漁村風景と特徴的な舟屋があることで、「日本で最も美しい村連合」にも加盟している。


    漁村には地域色豊かな食文化や伝統行事、優れた景観などがあり、人を引き付ける魅力に溢れている。 
    地元では、多くの人が漁村を訪れるように、地柄、地域を活性化するとともに都市と漁村の交流が進めているという。 
    因みに、全国には約6300の漁村があり、これは日本の海岸線が5.5kmに一箇所の割合で港があるということになるらしい。
     

    次回は、「天の橋立・南





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    2012年01月26日 10時17分26秒

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    日本周遊紀行(199)宮津 「天の橋立・北」

    .「世界は一冊の本だ。旅をしないものはその本を一頁しか読まないことになる。」(アウグスティヌス:古代キリスト教の神学者、哲学者)日本周遊紀行(199)

    .


    「世界は一冊の本だ。 旅をしないものはその本を一頁しか読まないことになる。」 
    (アウグスティヌス:古代キリスト教の神学者、哲学者)





      日本周遊紀行(199)宮津 「天の橋立・北」    .





    傘松公園より天の橋立(股覗きの名所;資料)




    写真:天橋立の北側風景(堤は砂流出防止のための砂防堤)





    『 神の代に、神の通ひし 道なれや 
                  雲居に続く 天の橋立
     』

    古歌にある「天橋立」は、南側の宮津線天橋立駅の近くで眺めるのが一般的であるが、籠神社の参道横、ケーブルカーで傘松公園に行き、ここの展望台から天橋立の景観展望も絶景であるという。 

    しかも、屈んで股の間から覗くと、「天に浮かぶ虹の架け橋」のごとく天空に天の橋立が浮かんでいるようだという。 


    多くの観光客は丹後の一の宮である籠神社を通り過ぎて、展望公園での「天の橋立の股のぞき」を楽しみ、バスで西国28番札所の成相寺に参詣するのが普通であるという。 由緒ある丹後国一宮にも是非寄って貰いたいと地元の人は望んでいるという。 


    天橋立は、伊邪那岐命(イザナギノミコト)が、天と地とを通うのに立てかけたハシゴが、眠っている間に倒れてしまって出来たものと「丹後国風土記」には記されている。
    天橋立は又、海橋立、海浮橋という古名もあり、海神の宮による竜宮ロマン伝説もあるという。



    我々の遠い祖先人は、天上の神と地上の人間界とを結ぶハシゴによる天浮橋が倒れて出来たものと素朴に感得してたらしく、天橋立は遠い神代から籠神社の神域の内にあり、又、近代に至っても境内であり参道であった。 
    幕末・文政の頃、元伊勢(籠宮の事)を目指した善男善女の「お蔭参り」の列が、天橋立を埋めつくしたと云う記録も残っているという。 
    何人かの歌に、


    『 何時よりか 天浮橋 中絶えて 
               神と人とは 遠ざかりけむ
     』 ともある。



    今の宮津市は和名抄に載っている昔の宮津郷であって、宮津と云う地名は籠の宮の津・港)の意であって、それから宮津の地名が起きたと伝えられる。 
    又、籠宮の古称は、かっては「与佐宮」(与謝郡の地名の起こりでもある)とも云われ、宮津市域に隣接している与謝郡の地名も併せて天橋立・宮津・与謝の三地名は、古代の籠神社との縁由を物語るといわれる。


    天の橋立の砂州の辺りを暫く歩いてみた。

    樹齢数百年の古老の松が埋め尽くし、中ほどに一筋の道が延びている。 
    南西に突出する砂嘴(砂洲)は、全長約3キロ、幅40〜100m、潮流と風によって運ばれた砂の堆積によるもので白砂青松の美観を呈する。 

    しかしながら天橋立の砂州は近年、侵食により縮小・消滅の危機にあるという。 
    これは、戦後、上流河川にダムなどが作られ、山地から海への土砂の流出・供給量が減少し、天橋立への土砂の堆積・侵食バランスが崩れたためであるとされる。 
    これ以上の侵食を防ぐため、行政では砂州上にそれと直交して小型の堆砂堤を多数設置し、流出する土砂をそこで食い止めようとしている。(写真)


    波打ち際に立つと、確かに砂州と直角に石積みの防潮堤が幾筋も見える、やや景観を損ねるが止むを得ない処置だろう。 
    神代からの景勝地は、絶対保存が条件である・・!。

    「伊達の松島」、「安芸の宮島」そして「丹後の天橋立」は、共に日本三景であることは周知のとおりであり、日本人の最も美景を満足させる所である。


    次回は、伊根「舟屋




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    2012年01月25日 11時39分34秒

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    日本周遊紀行(199)宮津 「籠神社」

    .「人が旅をするのは到着するためではなく、旅をするためである」<ゲーテ>日本周遊紀行(199)宮津「籠神社」.写真:籠神社・神門拝殿後方の「本殿」宮津

    .


    人が旅をするのは到着するためではなく、旅をするためである」 <ゲーテ>





      日本周遊紀行(199)宮津 「籠神社」  .




    写真:籠神社・神門



    拝殿後方の「本殿」




    宮津の元伊勢と呼ばれる「籠神社」とは・・? 、

    与謝野町の町並みを過ごして、天の橋立の北側の付け根に達した。
    この辺り一帯は「丹後の国」として古代から栄えた地域で、近辺には奈良期における国分寺跡や府中といった地名も残っている。 

    国分寺は741年に聖武天皇の勅願によって、全国の府中(政庁・政府機関の所在地)に建立されたことは度々述べたが、丹後の国の国府(国衙、役所)もこの辺りに在ったとされている。 

    国道正面に「籠神社(このじんじゃ)」という壮大な社が鎮まっている。 
    成相山を背に、正面は天橋立を望む景勝地に鎮座していて、丹後の国の総鎮社といわれ旧国幣中社で、丹後の国の一宮でもある。 
    又、籠神社と国分寺の間からは、墨書土器や木簡、硯などの遺物が出土しており、国府の存在を裏付けているともいう。 しかし、肝心の国庁建物の遺構が未発見であり、国庁域の確定には至っていないともいう。


    丹後国」は古代、ヤマト王権(卑弥呼に関連する弥生から古墳時代の王朝で、飛鳥、奈良期の「大和朝廷」とは区分しているようである)から独立した王国だったという説を唱える向きも多い。 

    一の宮・籠神社の宮司を世襲する海部(あまべ)氏に伝わる系図が古代の丹後王国の存在を物語っていて、海部氏系図は国宝に指定されている貴重な古文書でもあるという。 
    この古文書は瓊々杵尊(ニニギ)が九州・高千穂峰に降臨するより早く、近畿地方(大和説と丹波説がある)に降臨したという彦火明命(ヒコホアカリノミコト)を祖とする海部氏第32代の系図で、丹後国庁の公認印が押してあるほどの公式文書であるといわれる。


    彦火明命は古事記には瓊々杵尊の兄神として登場する。 
    とすると、この命(ミコト)も天照大神の孫ということになり、しかも、この丹後の地に降臨して国を作ったと言うからには、大和王権(祖はニニギ)と同格の王国であったというわけである。 

    彦火明命は、また、別名を饒速日命(ニギハヤヒ)といい、物部氏や尾張氏の祖と言われている。 
    このために物部系の王国が、先に丹波や大和に勢力を築き、それを高天原・神武天皇系の所謂、ヤマト王権が侵略したか、連合したかして大和朝廷が 成立したという説かなり有力になってきている。 
    このことは「出雲風土記」による出雲の国の「国譲り伝説」に類似しているとも言える。



    籠神社(このじんじゃ)の名称は、神代に彦火明命が籠船に乗って龍宮に行かれた故事に因む名称であり、「」を古昔において「コ」と発音した事から「コノジンジャ」と称するようになったという。 

    この籠神社は「元伊勢」の一つであり、元伊勢籠神社とも称するという・・?、 
    すっきりした佇まいに重厚な造りのお宮で、規模こそ及ばないが伊勢神宮を思わせる清浄な雰囲気の神社である。 

    主祭神は彦火明命、相殿(奥宮・真名井神社:元伊勢と言われる祖神)に天照大神(伊勢内宮)、豊受大神(伊勢外宮)を祀っている。 

    旧与謝郡で丹後・国分寺にも近く、与謝の海に住む人々にとっては古来より守り神として信仰が厚く、累代の宮司家海部氏もその名のごとく、海民の祖と仰がれる家筋である。 

    その創建については、籠神社は奥宮が示すとおり「元伊勢」と呼ばれている。 


    注目するのは、第10代崇神天皇の御代に天照大神を大和国から、一旦、ここ丹後国・与謝郡の地に4年間程遷し留まられたといい、更にその後、伊勢に遷宮したといわれている。
    つまり、伊勢神宮の遷宮の前に祭られたため、「元伊勢」といわれる由縁なのである。


    籠神社の社殿は唯一神明造と呼ばれる独特の建築様式で、これは他に伊勢神宮以外には見られない様式で、こちらは30年毎に御造替(遷宮)が行われていたという。 

    そして、その歴史はあまりにも古く、神代まで遡るという。 

    重要なものとして、「海部氏系図」という秘法が残され、現存する最古の系図として国宝に指定されている程で、この系図によると当初の周辺人たちは、漢民族(渡来人)であったとも記されているらしい。 

    更に、宮司・海部家に伝えられる息津鏡(おくつかがみ)、邊津鏡(へつかがみ)は2千年以上も前のもので、伝世鏡(考古学上として、古くから伝わった鏡)としては最古のものとして社殿に祭られ、こらは天照大神が彦火明命に授けたものと伝えられている。 
    皇室に伝わる「三種に神器」の神器鏡(八咫鏡・やたのかがみ)の原型ではないかとも言われている。


    社家の海部氏は彦火明命を祖とし、当社の創建以来、代々奉斎(神仏を慎んでお祭りすること)をしてきた民とされ、
    驚くべきことに現在は82代目であるという。 

    4代目に当たるとされる倭宿禰命(ヤマトノスクネノミコト:天照大神から数えると第5世ということになる・・?)は、神武東征の際に亀に乗って神武天皇の前に現れ、大和国へ先導したとされる。 

    海部氏は海民の祖だけに、竜宮物語の主人公・浦島太郎のモデルともいわれる・・?。


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  • from: orimasa2007さん

    2012年01月24日 10時50分58秒

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    日本周遊紀行(198) 与謝野 「与謝野氏」

    .「希望に満ちて旅行することは、目的地にたどり着くことより良いことである。」(スティーブンソン)日本周遊紀行(198)与謝野「与謝野氏」.宿(国民宿舎

    .
    希望に満ちて旅行することは、目的地にたどり着くことより良いことである。」(スティーブンソン)




    日本周遊紀行(198) 与謝野 「与謝野氏」   .



    宿(国民宿舎・玄武洞)がちょうど円山川沿いにあったので、そのまま南下して一旦、豊岡の町に出る。
    豊岡市は2005年4月1日に、周辺の城崎町・竹野町・日高町、出石町・但東町と対等合併し、兵庫県で面積が一番大きい市となったようである。 


    豊岡市は、古くから旧国名である但馬国の中心として形成され、奈良期の頃には既に但馬の国の政庁が開かれていた。 
    741年(天平13年)に聖武天皇により国分寺の建立の詔令が出され、但馬国分寺、国分尼寺(豊岡市日高町)が建立され、同・804年(延暦23年)には但馬国の国府が同所に開かれている。


    市街地を正面に見ながら、円山川を渡って久美浜、峰山方面に向かう。 
    既にこの辺りは京都府である。  
    宮津線の久美浜駅前から国道312線になり、新道の比冶山峠を越えると「峰山」である。

    峰山は、絹織物「丹後ちりめん」の発祥の地であり、最近では全国高校野球の京都代表で、田舎の府立(京都)高校・峰山高校が甲子園で活躍したことは記憶に新しい。 

    あの「楽天・ゴールデンイーグルス」の野村監督の出身高校でもある。
    尚、峰山は2004年4月1日に周辺の5町と合併し「京丹後市」となっている。


    丹後の国」、天橋立の北側へ向かう。
    国道312は野田川、岩滝町あたりで国道178に再び合流し、道程はR178となって宮津湾の西側へ向かうことになる。 
    この辺りは京都府北部の丹後半島中部から付け根にあたる地域は与謝郡に属し、2006年3月1日、与謝郡の加悦町・岩滝町・野田川町三町が新設合併して与謝野町(よさのちょう)が誕生するという。 

    与謝野町は与謝野 鉄幹(本名寛、父・与謝野礼厳が当地の出身地)に縁のある地柄である。父の礼厳(1823‐1898・幕末から明治の僧、歌人)の時代に、元は細見という俗名であったが明治初期、自分の故郷の与謝野という字を当てて「与謝野」と称し、その名が付いたとも言われる。


    それにしても平成の大合併のこの時期、それらに従って古(いにしえ)の懐かしい町村名が消えたり、はたまた可笑しな瑞祥的(おめでたい・・?)市町村名が付けられたりしている昨今、「与謝野」という地名は真に小気味のいい、響きのある町名である。


    与謝野 鉄幹は(明治6〜昭和10)、京都府岡崎(現・京都市左京区)に僧侶・与謝野礼厳の四男として生まれてる。 
    その父・礼厳は庄屋・細見家の次男として京都府与謝郡(現在の与謝野町字温江)の出身という。 

    歌人・詩人として明治中期、日本文学界に相当の足跡を残したらしく石川啄木、北原白秋、登山川美子らを育成、浪漫主義運動を展開した功績は大きいといわれる。 

    後に妻となる晶子も「みだれ髪」、「源氏物語」の現代語訳をはじめ、後年は歌人として夫婦で全国各地を巡り、多数の歌を残し歌碑や記念碑は無数にある。 

    因みに現、与謝野 馨(よさの かおる:現在、金融、経済財政政策、規制改革担当相)は、昭和後期から平成期の政治家・衆議院議員・行政閣僚として活躍中で、歌人与謝野鉄幹・晶子夫妻の孫にあたる。


    次回は、「宮津




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  • from: orimasa2007さん

    2012年01月21日 09時48分05秒

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    日本周遊紀行(197) 城崎 「城崎温泉」(3)

    .「広く旅をし、方々を遍歴したものだけが、知識という名の富を有している。」(詩の神・オーディン)日本周遊紀行(197)城崎「城崎温泉」(3).資料:城

    .
    広く旅をし、方々を遍歴したものだけが、知識という名の富を有している。」(詩の神・オーディン)




    日本周遊紀行(197) 城崎 「城崎温泉」(3) .





    資料:城崎温泉概略図



    写真:城崎温泉駅


    城崎温泉(きのさきおんせん)は、平安時代から知られている温泉で1300年の歴史をもつといわれ、飛鳥時代にコウノトリが傷を癒したという伝説が伝わっている。 

    又、8世紀初頭の養老年間、道智上人が千日の修行を行った末に湧出したのが城崎温泉の始まりともいわれる。(現在の外湯・「まんだら湯」) 上人は「温泉寺」の開山僧でもある。

    温泉寺は由緒ある古刹で、「鴻の湯」の向かい側、薬師橋を渡ったところに参道・山門があり、大師山の中腹に位置する本堂の他多宝塔などが建つ。 
    ここには大師山へのロープウェイが架かり中間駅に「温泉寺駅」がある。 
    大師山山頂からは温泉街はもとより、円山川の緩やかな流れとその先に広がる日本海の見事な景観が眼下に広がる。


    城崎温泉は江戸時代には「海内第一泉・かいだいだいいちせん:日本一)」とも呼ばれていて、今もその碑が湯の町中心街、王橋のたもと外湯・「一の湯」として残っている。 
    一の湯は江戸時代の頃までは「新湯(あらゆ)」と呼ばれていたが、医師・香川修徳が泉質を絶賛し、「海内一」の意味を込めて「一の湯」に改名したともいう。

    温泉の目玉は昔ながらの外湯めぐりが主体で、外湯はそれぞれ守護神を持ち、温泉を神の恵みとした敬虔な信仰心として崇め、それに元ずいて湯浴みを行ったという。 一の湯の他に「鴻の湯」、「まんだら湯」、「御所の湯」、「地蔵湯」、「柳湯」、「さとの湯」 の七箇所、其々工夫を凝らし特色を出している。

    江戸時代の温泉番付によると城崎温泉は西の関脇(最高位は大関)にランクされ、山陰の名湯とされていた。 


    温泉街の各所に多くの碑があるように、文人墨客に愛された湯の街であり、明治以後も「城の崎にて」を書いた志賀直哉をはじめとする多数の文豪が来訪している。

    手ぬぐいを さげて外湯に 行く朝の 
              旅のこころと 駒下駄の音
    』 与謝野 寛

    ところで、志賀直哉の「城の崎にて」の城崎が消えてしまった・・!!??、
    城崎町は2005年、周辺の竹野町・日高町、出石郡出石町・但東町と対等合併し豊岡市になってしまったのである。

    この度の「平成の大合併」で日本国中の由緒ある町村名が消えてしまった事例が多い。
    西の大関と言われる大分・湯布院町(由布市)であり、関脇が城崎町(豊岡市)であり、 東北の小京都・角館(仙北市)、焼物の里・あの狸でお馴染みの信楽(しがらき・甲賀市)、いずれも屈指の観光地であったが、あっさりと消えてしまったは惜しいことである。

    東の大関は静岡・修善寺(伊豆市)、名作・「伊豆の踊子」も形無しであり、同じく静岡のサッカー王国、清水の次郎長でお馴染みの清水市(静岡市)、関脇は上州の歴史ある温泉場・伊香保(渋川市)、他にも、日本一のブドウとワインの産地・勝沼(甲州市)、日本のエーゲ海と言われた岡山・牛窓町(瀬戸内市)と、懐かしい市町村名なども失われていて、 他にも無数にあるという。

    「地名」には、歴史的背景や地勢的由来などの謂れがあるのだが、住民の浅はかな興味本位の投票と、行政諸氏の石頭連が何の惜しみも無く、かなぐり捨ててしまうことは残念である。




    早朝目覚めたので朝飯前に今一度、写真撮影方々温泉街を訪ねてみた。
    先ず最初に駅前に出る。 古い温泉地のわりにはモダンな駅舎で「城崎温泉駅」という。 京都発着の山陰本線は福知山

    、豊岡と内陸からやってきて、ここ城崎から概ね山陰地方の沿岸を辿りながら終着の下関に至っている。
    2005年4月1日に城崎町が隣の豊岡市と合併したことに伴い、2005年3月1日に「城崎駅」から「城崎温泉駅」へと改称されたらしい。 

    さすがに合併によって由緒ある自治体名である「城崎」が消える危機感を感じ、城崎ブランドを守るため地元有志・議会などの要請により,旧城崎町が経費を全額負担して「城崎温泉駅」が実現したという。 
    この「城崎温泉駅」は第一回近畿の駅百選にて、第14位の選定駅であるという。

    因みに、駅百選というのは、「鉄道の日」(明治5年9月12日(新暦1872年10月14日)に、新橋駅と横浜駅とを結んだ日本初の鉄道が開業した事を記念したもので、1922年に鉄道記念日として制定された)記念行事の一環として、2000年から2003年までの4年間で、国土交通省近畿運輸局管内(京都府、大阪府、滋賀県、兵庫県、奈良県、和歌山県)の特徴ある駅を公募等で募集し、選考委員会で100駅を選定したものである。 



    駅前にお寺のお堂を模した豪奢な造りの吹き抜けの建物の「足湯」である。 
    ここで目覚めの顔、手足を洗う。 その奥に日本最大の駅舎温泉「さとの湯」が城崎温泉街の外湯の一つとして機能しており、無料で利用できる足湯で、電車の待ち時間をゆったりとすごすことができるのは嬉しい。

    役場である城崎支所には「温泉課」という窓口も有るという。



    写真:城崎温泉の極楽寺参道



    参道横の元湯


    湯の町の朝は早い・・!、

    すでに観光客・泊客は朝7時開湯の外湯を目指しているようである。
    大谿川にかかる柳の緑が朝風に、ソロリと揺れている、又、湯の里通りの瀟洒な家並みに朝日が当たり始めた。 

    温泉街の外れ、突き当りの月見橋を左折すると西山公園があって、この先に極楽寺がある。 ここにも城崎温泉の元湯があり、露出した岩肌の間からモウモウと湯蒸気を上げている、看板に28号源泉とあった。 

    何処かの旅館の女将であろうか、品の良さそうな粋な和服姿で参道からこちらにやって来る。軽く黙礼を交わしすれ違った。 

    松林が覆う長い参道の奥に本堂らしき重厚な建物が目に入る。 
    極楽寺は京都・大徳寺の末寺で江戸・寛永年間、沢庵和尚により再興された禅寺という。 
    境内は禅寺らしく、白砂で心の文字が描かれた枯山水の庭園・「清閑庭」や城崎温泉の開祖である道智上人が、独鈷(とっこ・仏具)といわれる仏具で岩の壁をたたくと湧きだしたと言われる「独鈷水」等がある。 

    予約すれば座禅や法語の修行を行ってくれるらしい。
    そろそろ人の往来も目立つようになったところで戻るとしよう。


    次回は、・「丹後の国・与謝野




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    「八ヶ岳(1966年)」 http://www.geocities.jp/orimasa2001/yatu1966-1.htm
    「八ヶ岳越年登山(1969年)」 http://www.geocities.jp/orimasa2001/yatuhuyu1.htm
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    「尾瀬紀行(1973年)」 http://orimasa2007.web.fc2.com/ 
    「丹沢山(1969年)」 http://www.geocities.jp/orimasa2001/tannzawasan.htm
    「西丹沢・大室山(1969年) http://www.geocities.jp/orimasa2001/oomurosan.htm
    「西丹沢・檜洞丸(1970年)」 http://www.geocities.jp/orimasa2001/hinokihora.htm
    「丹沢、山迷記(1970年)」 http://www.geocities.jp/orimasa2001/sanmeiki.htm
    「奥秩父・金峰山(1972年)」 http://www.geocities.jp/orimasa2001/kinpu-a.htm

    《山のエッセイ》
    【上高地雑感】 http://www.geocities.jp/orimasa2001/kamikoti.htm
    【上越国境・谷川岳】 http://www.geocities.jp/orimasa2001/kokkyou.htm
    【丹沢山塊】 http://www.geocities.jp/orimasa2001/tanzawa.htm
    【大菩薩峠】 http://www.geocities.jp/orimasa2001/daibosatu.htm




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  • from: orimasa2007さん

    2012年01月20日 09時14分03秒

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    日本周遊紀行(197) 城崎 「城崎温泉」(2)

    .「広く旅をし、方々を遍歴したものだけが、知識という名の富を有している。」(詩の神・オーディン)日本周遊紀行(197)城崎「城崎温泉」(2).写真:風

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    「広く旅をし、方々を遍歴したものだけが、知識という名の富を有している。」(詩の神・オーディン)




    日本周遊紀行(197) 城崎 「城崎温泉」(2) .





    写真:風流な大谿川を挟む温泉街界隈・・、




    城崎温泉にて・・、

    志賀直哉が、「城の崎にて」の冒頭に、「山の手線に跳ね飛ばされて怪我をした。 
    その後養生に、一人で但馬の城崎温泉へ出掛けた」と記している。 

    著者自身、鉄道事故で九死に一生を得た彼はその後、怪我の養生のために城崎温泉に滞在している。 そ
    の時の体験が、小動物の死生観に重ね合わせて描いたとされる「城の崎にて」の短編である。 
    末尾には、「生きている事と死んで了っている事と,それは両極ではなかった。
    それ程に差はないような気がした。」と結んでいる。

    “小動物の死生観て・・??”、
    小動物も人間も、同じ地球上に生を受けた「物」として、生死の価値はあまり変わるものではない、というところか・・?。

    志賀直哉(しが・なおや 1883-1949・宮城県石巻生まれ)が「城の崎にて」を書いたのは、ここにきてから東京へ戻った4年後のことであった。 
    それだけに「城崎温泉」の印象が鮮烈だったのだろう。

    大正2年、志賀直哉は初めて城崎を訪れた。 
    東京・山手線の電車にはねられて重傷を負いその後養生のために3週間滞在したという。



    谷合いに、「くの字」にひらけた湯の町で、温泉に浸かり、ぶらりと町を歩く。
    川沿いの柳が芽吹き、桜が花開く。 

    夕刻ともなると和風木造の旅館街にぼんやりと灯が入り、外湯を巡る浴客たちの下駄の音がなつかしい。 
    志賀直哉の定宿だった「三木屋」は、湯の町・城崎でも一段と奥まった大谿川(おおたにがわ)の畔、雰囲気漂う“木屋町通り”の一角に三階建ての純和風の建物である。 

    かって、三木屋のご当主は町長もつとめたという。  
    志賀直哉は生涯に十数回この地を訪れていて、「 温泉はよく澄んで湯治によく、周囲の山々は緑で美しい。おいしい日本海の魚を毎日食膳に出し、客を楽しませてくれる。 」と手記に記している。


    小生は、1986年(昭和61年)子供及び両親を伴って、北陸、山陰を巡った際に城崎を訪れている。 
    宿泊した旅館は当時NTTの保養所で「城崎荘」であったが、現在は、NTT民営化による合理化にともなって民間に譲渡されているようである。 
    それでも城崎荘は、現在でも立派に営業をされているようで、場所は奇しくも三木屋の隣に位置しているようであった。 
    当時は慌しい旅程であったが、この風流な温泉街の印象は今も残っている。
      


    城崎の温泉街は大谿川の流れに沿って軒を連ねる。 
    その町並みは木造建築の旅館がほとんどで落ち着いた本来の日本情緒を醸し出している。 
    平安期・1300年の歴史に裏打ちされた格式を感じさせる日本でも数少ない温泉街であろう。

    大谿川を中心に、約100軒の旅館や土産物屋、飲食店が並ぶ、これらは昭和初期の温泉街の情緒が今でも残っているのである。 
    川には弁天橋、桃島橋、柳湯橋と名の付いた弓形の石橋がいくつも架けられ、両川端には柳の並木が一層、旅心を誘うのである。

    頃合になると湯の町は華やいで、観光客や酔客が浴衣や丹前に着替え、各旅館には温泉浴場が有るにも関わらず、その風情に誘われるように外湯へと導かれるのである。 
    浴衣がけに下駄履き姿の旅の客が外湯巡りにそぞろ歩く、カランコロンと下駄の響きも軽やかに外湯にくりだす光景は城崎独特の風情で哀愁さえ感じる。 

    大谿川に架かる石造りの太鼓橋に目をやれば、浴衣を羽織って佇む若い女性の姿がボンボリの灯りに照らされて艶かしく、しなやかに垂れ下がるしだれ柳は湯の町の女性の色香を悩ましいほどに引き立てているのである。
    中でも大谿川にかかる石造りの太鼓橋は、両岸のしだれ柳とともに城崎を形容するシンボルでもあろう。


    次回も、更に「城崎温泉」  





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  • from: orimasa2007さん

    2012年01月19日 11時02分05秒

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    日本周遊紀行(197) 城崎 「城崎温泉」

    .「広く旅をし、方々を遍歴したものだけが、知識という名の富を有している。」(詩の神・オーディン)日本周遊紀行(197)城崎「城崎温泉」.写真:温泉寺へ

    .


    広く旅をし、方々を遍歴したものだけが、知識という名の富を有している。」(詩の神・オーディン)




      日本周遊紀行(197) 城崎 「城崎温泉」    .





    写真:温泉寺へ向かう「薬師橋」にて



    温泉街の最も奥にある立寄り湯・「鴻の湯」



    「城崎温泉」へ向かう・・、

    海岸からではなく、山沿いの県道9号線を行くようだが、かなり急峻な山越えの道である。
    途中、「鋳物師戻峠」(いもじもどし峠)という、何とも妙ちくりんな名前の峠があった。 

    城崎と竹野町との町境の峠で、一角に「もっこり」という、これ又、妙ちくりんな名前の奇岩があった。 
    今にも前に落ちてきそうな大岩で、全長19メートル重さ140トンもあるとか。 

    鋳物師戻峠のその名の由来は「その昔、京の鋳物師がこの峠で大地震に出合い頭上の大岩が揺れるのを見て恐ろしくなり、後戻りして逃げ帰った」・・、と看板に記されてある。



    峠を下りきると、見通しが良くなって町並みが見え出した、城崎である。
    大タニ川に沿って桜並木が風情をそそる。
    これらに架かる薬師橋、月見橋も実に美観なる造りである。 

    湯の里通りの町並みも実にいい・・!!。 
    車を止めて、この風情をカメラに収める。 すると月見橋の手前「薬師橋」から芳紀なる三人の女性が、色鮮やかな浴衣風着物と駒下駄姿で、ニコニコしながらこちらにやって来るではないか・・! 

    お嬢さん方、写真を一枚撮らせて頂戴・・」 

    ええはヨ・・」 

    関西訛りの快い(こころよい)返事が返ってきた。 お互い旅のキサクさであろう。


    賑やかな駅前通りから、洒落た造りの「城崎温泉駅」のまえを通り抜け、丸山川岸から今日の宿泊地・国民宿舎「玄武洞」へ向かった。 
    温泉街の町中で宿が取れなかったのは、チト残念であるが。
    宿で湯に浸かり、夕食を頂いて小休止の後、就寝前に再度、夜の温泉街を訪ねてみた。

    湯の里通り」のボンボリ灯りの下、ソゾロ歩きの浴衣姿のお嬢さん達の他、さすがにほろ酔い客の人々も目立つ。 
    もっとも小生も、どちらかというと「ほろ酔い」であるが。


    宿主に評判の外湯を伺っていたので、云われたままに城崎名物「外湯七湯」のうち最奥にある「鴻の湯(こうのゆ)」に出向いて見た。 
    外湯の中で最も古くから開けた湯で、コウノトリが足の傷を癒したことから、この温泉が発見されたという、「鴻の鳥伝説」があり、城崎温泉発祥の地だともいう。 
    コウノトリにちなんでか夫婦円満、不老長寿のご利益があり、幸せを招く湯とも言われるが・・?。

    比較的大きな駐車場があり、すぐ前に、白壁造りで切り妻様式の純和風の素朴な建物で、落ち着いた雰囲気が嬉しい、500円の入湯料を払う。 
    外湯といえども大きな施設であり、気配り簿充分届いていて清潔である。 
    ロビーも広く明るい雰囲気になっていて、イスやテーブルもシックで感じがよい。 
    脱衣所は細い竹のムシロが敷かれてい心憎いほど気持ちよく、木製のロッカーがずらりと並んでいてこれまた結構広い。 
    入湯前から何もかもが行き届いていて、既に心が洗われている。 

    湯船に漬かる、既に宵も深まっているとはいえ意外に浴客が多い、中には酔客の姿もチラホラ・・、尤も小生もその内の一人なんだが。 
    広く大きな浴槽で湯は少し熱め、無色透明の湯でさらっとした感じで気持ちがいい。 
    飲食後なので長漬かりは無用、湯船の際でゆったりと体を休ませる、これだけでも温泉の癒し効果は充分である。 

    浴槽の前は大きなガラス窓になっていて庭園の露天風呂が眺められ、七外湯の中で唯一露天風呂が楽しめるのも魅力である。 
    露天風呂も内湯に負けないくらい大きさで、大きな庭石を組み合わせた岩風呂は野趣満点の雰囲気がある。 
    露天風呂のすぐ裏は山になっていて、吹き降ろしの風が気持ちいい。
    ところで、ある好事家が「城崎七湯」の外湯人気度を調べたらしい。

    それのよると、鴻の湯―76票 、さとの湯―70票、一の湯―36票 、柳湯―30票、地蔵湯―21票 、まんだら湯―11票 、御所の湯―11票、・・てな具合であったとか。


    次回も「城崎温泉




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