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from: Knob Turnerさん

2010年06月13日 19時14分45秒

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U.S.SOCOM 異例?の補職人事

ここ数ヵ月間、米軍で結構な数の人事異動があり、特殊部隊関係でいえばU.S.SOCOM(特殊作戦コマンド)でも大きな動きがありました。現在のEricT.

ここ数ヵ月間、米軍で結構な数の人事異動があり、特殊部隊関係でいえばU.S.SOCOM(特殊作戦コマンド)でも大きな動きがありました。

現在のEric T. Olson海軍大将(SEAL出身)を司令官とする体制が始まって早3年が経ち、来年の夏には任期満了ということでU.S.SOCOMの司令官交代があるはずですが、それに先立ち、ここ最近の人事で副司令官と参謀長の交代がありました。
次期副司令官にDavid P. Fridovich陸軍中将(グリンベレー出身)、次期参謀長にJoseph L. Votel陸軍少将(レンジャー出身)がそれぞれ指名されています。
一時、Eric E. Fiel空軍中将(特殊作戦パイロット出身)も副司令官候補に名前が挙がっていたようですが、国防総省の公式発表はFridovich中将でした。

本来、こういった全軍種が集まる統合組織では上層部の人事も全軍バランスよく行われるものなんですが、次期体制では今のところ三役(司令官・副司令官・参謀長)のうち二つが陸軍将官で占められたことになります。

過去の経歴や現ポストの任期から鑑みてOlson大将の純粋な後任候補として考えられるのは、
 ◆Stanley A. McChrystal陸軍大将(グリンベレー、レンジャー出身)
 ◆John F. Mulholland, Jr.陸軍中将(グリンベレー出身)
 ◆William H. McRaven海軍中将(SEAL出身)
 ◆Joseph D. Kernan海軍中将(SEAL出身)
 ◆Thomas D. Waldhauser海兵隊中将(過去にU.S.SOCOMの参謀長および指揮支援センター長を務めた経験あり)
の5人ですが、既に副司令官および参謀長が陸軍将官に決まっている以上、McChrystal大将とMulholland中将はおそらくあり得ないでしょう。さらに、McChrystal大将はかつてJSOC(統合特殊作戦コマンド)司令官としてアフガン&イラクでの秘密対テロ作戦を指揮した手腕を買われ、去年からISAF(国際治安支援部隊)司令官/在アフガン米軍司令官という要職に就いているので早々の異動は考えにくいです。

あとは海軍将官か海兵隊将官ですが、海兵隊はSOCOM傘下に入ってまだ日が浅く、“海兵隊の特殊部隊”(=U.S.MARSOCの部隊)出身の将官がまだいないのでWaldhauser中将の線も薄いです(意外にダークホースだったりするかもしれませんが^^;)。

となると残りは、McRavenとKernanの両海軍中将。
個人的にはMcRaven中将かな、と予想しています。SEAL出身でSEALチーム6の創設メンバーの一人でもありますが、初代司令官だったRichard Marcinko中佐と何らかの確執があったようで数年で異動となり、それ以降再びST-6/DEVGRUで勤務した記録はありません。
ただ、近年のSEAL出身将官の中では一番の期待の星で、彼が海軍大学院在籍時に執筆した"The Theory of Special Operations"という論文(過去の特殊作戦を分析評価した内容だそうです)は、その筋の関係者の間ではバイブルとなっています。

また、次期副司令官にFridovich中将が指名されたことで、次期特殊作戦センター長に誰がなるのかも注目です。
特殊作戦センター(Center for Special Operations/CSO)は米軍が実施する全ての特殊作戦を調整・監督する重要な部署で、これまでそのセンター長を務めていたFridovich中将の栄転が決まったため、後任人事が近々あるはずです。
可能性のある候補としては、
 ◆Charles T. Cleveland陸軍少将(グリンベレー出身)
 ◆Joseph Maguire海軍中将(SEAL出身)
 ◆Edward G. Winters III海軍少将(SEAL出身)
 ◆Donald C. Wurster空軍中将(特殊作戦パイロット出身)
 ◆George J. Flynn海兵隊中将(過去にU.S.SOCOMの参謀長および指揮支援センター長を務めた経験あり)
の5人が考えられますが、Maguire海軍中将、Wurster空軍中将、Flynn海兵隊中将の3人は既に中将としての任期を過ごしてきているため、大将昇進と共に他ポストへ就くか、もしくはそのまま退役する見込みが強いです。

となると、実質的にはClevelandとWintersの両少将に絞られそうです。個人的にはWinters少将を予想。
Cleveland少将はMulholland中将の後任としてU.S.ASOC(陸軍特殊作戦コマンド)司令官になりそうです、なんとなく。。。


もはや完全に自分の趣味の領域なんですが、時にはこうやっていろいろ想像・妄想するのも楽しいかもしれません^^;

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from: Knob Turnerさん

2010年06月14日 00時06分57秒

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「Re:Re:U.S.SOCOM 異例?の補職人事」
こんばんは〜

「ホースソルジャー」、自分も時間を見つけて少しずつ読んでます。
ご存知のようにアフガンもイラクも第5特殊部隊グループのAOR(担当地域)のため、彼等にとってはまさに休む間も無い連戦です。いずれも初期の本格的な作戦が終わると第3や第10など他の特殊部隊グループが交代や補強で投入されていますが、いつも尖兵として血路を開いてきたのはやはり第5でした。
そのためご指摘のように将兵の消耗や損害も多く、オプテンポ(作戦従事頻度)も右肩上がり。近年、それまで3個大隊編成だった特殊部隊グループに4番目の大隊が創設されていますが、その最初が第5だったのも部隊の消耗を少しでも緩和するためでした。

民間へ流れる隊員については、PMCの活動が目立ち始めたイラク戦争中に当時のU.S.SOCOM司令官だったBryan D. Brown陸軍大将が特殊部隊員の給与増額について明言していますが、それでどれだけ引き留めの効果があったのかは定かではありません。

そういえば、「ホースソルジャー」にも何人か有名人が登場していますね。
マザリシャリフ刑務所の暴動鎮圧でリーダーシップを発揮したマーク・ミッチェル少佐(Mark E. Mitchell)は現在、大佐として第5特殊部隊グループ司令官になっています。
また、当時の第5司令官だったジョン・マルホランド大佐(John F. Mulholland, Jr.)は、自分の下の書き込みにもあるように今では中将としてU.S.ASOC(陸軍特殊作戦コマンド)司令官の座にいます。
Mulholland大佐(当時)は上層部から無謀な作戦を押し付けられるとその悉くを拒否したそうで、そのことについて故三島瑞穂軍曹が著書の中で『一介の大佐がここまで反発すると昇進の道は閉ざされたも同然だけど彼のような優秀な人物は是非将官にまで上り詰めてほしい』と述べていますが、まさにその願いが叶ったとでも言いましょうか。

あとは、ジェフリー・ランバート少将(Geoffrey C. Lambert)、バート・キャランドIII世海軍中将(Albert M. Calland III)などなど。。。
Callandについては本書の中では中将と表記されていますが、当時実際には准将だったはずです。


>CSO(特殊作戦センター)
現在のU.S.SOCOMには、CSOの他にも"Center for 〜"と名のつく部署がいくつか存在します。
ご存知かもしれませんが、米軍をはじめとするNATO系統の司令部では基本的にJ-1(総務人事)、J-2(情報)、J-3(作戦)、J-4(兵站)、J-5(戦略計画)、J-6(通信)…というふうに幕僚機能が区分されています。
SOCOMも創設当初はそれに則っていましたが、5代目司令官に就任したPeter J. Schoomaker陸軍大将が司令部機能の効率化を唱えて以降、何度か再編を繰り返して指揮支援センター(Center for Command Support)、特殊作戦センター(Center for Special Operations)、ネットワーク通信センター(Center for Networks & Communications)、調達・兵站センター(Center for Acquisition & Logistics)といった現在のカタチになっています。

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