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from: Knob Turnerさん

2011年05月15日 20時56分59秒

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スパイバウンド

先日、レンタルビデオ店を物色しているとDGSE(対外安全保障総局)を扱ったフランス映画を発見したので借りてみることに。主演は『クリムゾン・リバー』の一

先日、レンタルビデオ店を物色しているとDGSE(対外安全保障総局)を扱ったフランス映画を発見したので借りてみることに。主演は『クリムゾン・リバー』の一作目でジャン・レノと共演したヴァンサン・カッセル、そしてカッセルの実の妻で美人女優のモニカ・ベルッチ。

二人が扮するDGSE工作員ジョルジュとリザは3人の仲間と共にアフリカの内戦に絡む武器商人の密輸船を爆破するよう命じられ、モロッコで首尾良く任務をこなす。しかし、脱出間際にリザが税関で捕らえられ、残りの仲間の一人も謎の女に暗殺される。リザ救出に向けて動き出すジョルジュだが、次第に政治的要因とCIAも絡んだ複雑な背景が浮かび上がる・・・

とまあこんなストーリーなんですが、これがまた実に地味で地味で(苦笑)
決して面白くなかったわけではないんですが、007やミッション・インポッシブルのようなスパイアクションを期待して観ると見事に肩すかしを喰らいます^^;

ただ、実際の諜報活動や秘密工作も決して派手なものではありません。
この同好会に参加されている方はほとんどご存知かもしれませんが、元SAS隊員のアンディ・マクナブが書くフィクション小説に“ニック・ストーン シリーズ”というのがあります。主人公ニック・ストーンは著者と同じように元SAS隊員で、今は“K”と呼ばれるSIS/MI6の下っ端工作員。
彼に命じられるのはいつも危険な汚れ仕事ばかりで、毎度毎度、血と汗と泥にまみれてボロボロになりながらも任務達成する姿は映画のように華麗にアクションするスパイヒーローからは程遠いですが、それが実に泥臭くて親近感がわきます^^
そしてその内容も実に地味(笑) 最新作(と言っても発売から既に4年経ちますが)の『解放の日』では作戦の準備段階の描写に物語の半分以上を費やしています。同じ元SAS隊員のクリス・ライアンの書くフィクション小説に比べ、なんと地味なことか。ライアンのも勿論リアリズムがありますが、こっちのほうがドンパチ等アクション要素は多いですね。自分はどっちも好きですが^^

ちなみにこの映画、実在している元DGSE女性工作員の手記をベースに製作されたそうです。彼女の名はドミニク・プリウール、そう、あの環境テロ組織グリーンピースの活動船「虹の戦士号」の爆破作戦に関与していた人物ですね。
彼女は当時DGSEの大尉で、数名の仲間と仏海軍のエリート特殊部隊Commando HUBERTの水中工作員と共にニュージーランドに停泊中だった「虹の戦士号」を爆破しました。グリーンピースはフランスの核実験に猛反発しており、政府にとっては邪魔だったんでしょうね。
この映画のように作戦自体は首尾良くいったものの、彼女とその仲間のアラン・マファールというDGSE少佐は当局に逮捕され、当然のように事件は国際問題に。その後数年間の政治的駆け引きを経て2人は解放されます。

以上、余談が長くなりましたが、興味があれば是非探してみてくださいな^^

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from: Knob Turnerさん

2011年05月21日 17時33分29秒

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「Re:Re:スパイバウンド」
80年代のフランスの対テロ活動は過激な直接行動が目立ちますね。
『特殊部隊全史』を読んだことのある方はご存知かと思いますが、優雅で華麗?な一般的イメージとは違い、ことテロに対する報復活動についてはイスラエルと並んでかなり大胆だったりします^^;

第1次インドシナ戦争やアルジェリア戦争において圧倒的かつ強硬な軍事作戦をもってしても反乱軍を抑えきれなかった苦い過去を持つフランスですから、自国の利益が絡むテロや反乱活動にはどうしても過敏になってしまったんでしょうね。

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