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  • from: H-2さん

    2011年11月06日 06時54分00秒

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    1990年代に発生した立てこもり事件と、狙撃手について

    こんにちは(^_^)。
    最近は寒暖の差が激しいですね。
    皆様、風邪などひかれていないでしょうか?
    私は少しノドが…やられました。
    皆様も、健康にはお気をつけ下さい(^_^;)。

    さて今回は、1992年7月に東京都町田市で発生した立てこもり事件と、この事件に出動した警察の狙撃手について書き込みます。
    20年位前の出来事なのですが、「ユーチューブ」には、事件当時の映像が投稿されており、狙撃手の姿が映っていたので、その事について記載します。
    まず、この事件の概要を記載します。
    少し長くなりますが、御容赦下さい(^_^;)。


    1992年7月8日に、神奈川県大和市内のホテルに潜伏していた強盗容疑の男(当時23歳)を、神奈川県警察の捜査員が逮捕しようとしたところ、男は突然、捜査員に拳銃を発射し、逃走しました。
    この銃撃により捜査員1名が死亡し、もう1名が重傷を負ってしまいます。
    その後、犯人は子供を人質に取って、トラックで逃走しますが、横浜市内でトラックを乗り捨て、子供を解放します。
    さらに、犯人はトラックから降りた後、通行人の女性にも拳銃を発射し、女性は腕を負傷します。
    その後、犯人の行方は、東京都と神奈川県の都県境付近で分からなくなり、警視庁と神奈川県警察で大規模な捜索が開始されました。
    捜索の結果、東京都町田市内の民家に、犯人が家人を人質に取り、立て籠もっていることが判明します。
    また、犯人は民家に逃げ込む途中で、誤って拳銃で自分の左足を撃ち抜き、負傷していました。
    さらに、潜伏先のホテルで覚醒剤を使用していたことが判明します。
    警察は民家を包囲し、しばらくの間、こう着状態に陥りますが、犯人の知人にあたる男性が警察への協力を申し出ます。
    この知人の男性が、犯人を説得したところ、犯人は逃走用の車の用意と、知人の男性に車を運転することを要求しました。
    警察が要求を受け入れて、車を用意したところ、犯人は人質を伴って民家から出てきますが、この時、犯人は拳銃でなく、包丁を所持していました。
    その後、犯人と人質が車の後部座席に乗り込んだ際、運転席に座っていた知人の男性が、犯人の持っていた包丁を手で押さえつけ、その隙に特殊犯捜査係(SIT)が犯人を制圧、逮捕し、事件は解決しました。


    この事件については、毛利文彦氏の著作である 「警視庁捜査一課特殊班」 という書籍に詳しく記載されています。
    また、この本には、事件の際、「警備部から派遣されたスナイパーが、現場で配置についていた。」という内容が記載されていますが、スナイパー(狙撃手)の具体的な所属については、記載されていません。
    当時の警視庁機動隊には、現在の銃器対策部隊に相当する「特殊警備部隊」という部隊が存在したようですが、ライフル銃を装備していたかは不明で、また本格的な狙撃の訓練を受けていたかも不明です。

    この事件で派遣された可能性が最も高いのは、「SAP」という特殊部隊の狙撃班です。
    SAPについては、以前にも何度か掲示板で取り挙げています。
    SAPとは「Special Armed Police」の略称で、警視庁SATの前身となった部隊です。
    当時のSAPは、部隊の存在そのものが非公開とされており、通常の刑事事件に出動する事はありませんでした。
    しかし、この事件では警視庁刑事部が、人質救出のためには最悪の場合、犯人の射殺もあり得ると判断し、警備部に(所属は不明ですが)狙撃手の出動を要請しています。

    また、ユーチューブには事件当時の映像が投稿されており、数秒ですが、狙撃手の姿が映っていました。
    この狙撃手は、一般的に機動隊の制服として知られている「出動服」と「略帽」姿で、マスク等はつけていません。
    狙撃手はカメラに背を向ける姿勢で写っており、また狙撃銃(ライフル)も所持していました。
    狙撃銃は、映像が一瞬なのではっきりとは分かりませんが、おそらく豊和工業製の「M1500」というボルトアクション方式のライフルです。
    ニ脚(バイポット)は付いておらず、スコープを着装していました。
    また、銃床の部分には、頬当て(チークパッド)の様な物が付いています。
    M1500は、日本警察が採用している狙撃銃として、一般に公開されているものです。
    事件の発生は1990年代ですから、SAPはM1500の他にも、より高性能な狙撃銃を保有していたはずですが、この事件では使用していません。

    町田市の事件と似たような例として、1979年に大坂で発生した「三菱現行立てこもり事件」が挙げられます。
    この事件では、大坂府警SATの前身である「零中隊」が突入し、犯人を制圧していますが、制圧に使用した拳銃は、一般的な回転式(リボルバー)拳銃です。
    零中隊は1977年に発足した際、ドイツの特殊部隊「GSG9」の装備を全面的に採用しています。
    ですから事件当時、特殊部隊用の自動式拳銃を装備していたはずですが、この事件では使用していません。

    以上のように、町田と大坂の立てこもり事件の例を見ると、おそらく当時は、日本の警察が「特殊な拳銃や狙撃銃を装備している」という事自体が、極秘であったのではないかと推察されます。
    当時は、特殊部隊そのものが「存在しない」事になっていたので、特殊部隊用の武器は、テロリストによるハイジャック事件でも起きない限り、使用できなかったのではないかと思います。

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