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from: Knob Turnerさん
2009年11月28日 03時18分39秒
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NZSAS
ちょっとした小ネタを見つけたので投稿させて頂きます。
NZSAS(ニュージーランドSAS)のCTTAG(対テロ戦術強襲グループ)が、来月12月5日をもって「コマンドー中隊」へと改称するそうです。ただ、部隊名が変わっても指揮系統や任務の変更はないんだとか。
CTTAGは、それまで特殊部隊と対テロ部隊の役割を兼ねていたNZSASの負担を軽減し、より従来の“特殊部隊らしい活動”に専念させると共にCT/HR戦力の専任化を狙って4年前に創設されました。近年、多くの特殊部隊関係者が「伝統的な軍事的特殊作戦能力とCT技能の維持・両立は難しい」と指摘していますが、まさにそんな現状に対する打開策だったわけです。
運用・管理面共にNZSAS指揮下に置かれているCTTAGですが、ローテーション勤務で入れ代わる少数のSAS隊員を除く大部分の隊員は“徽章を得ていません”(=SAS選抜課程を修了していない)。つまり、NZSASの指揮下にはあるものの、隊員のほとんどは正規のSAS隊員ではなく、CT/HRの専門訓練のみを受けた兵士ということになります。そのため、彼等は通常のSASのように海外任務に就くことは一切無く、専ら国内でのCT/HR任務に備えています。
ちなみに、類似する部隊としてはオーストラリアのSAS連隊に所属するTAG-W(西部戦術強襲グループ)と第2コマンドー連隊(元4RAR(Cdo)=王立オーストラリア連隊第4大隊コマンドー)のTAG-E(東部戦術強襲グループ)が挙げられますね。-
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コメント: 全3件
from: Knob Turnerさん
2009年11月29日 20時09分48秒
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「Re:Re:NZSAS」
> 近年、多くの特殊部隊関係者が「伝統的な軍事的特殊作戦能力とCT技能の維持・両立は難しい」と指摘
代表的な例では、米海兵隊のForce ReconやMSPF(海上特殊目的部隊)が挙げられます。
一昔前、これらは「総員精鋭」と言われる海兵隊にあって特殊作戦遂行可能な部隊として、主任務である長距離偵察監視をはじめ、直接行動、水陸両用作戦、(CTの一部として)危険な状況下における人員奪還任務などを担っていました。
それが冷戦崩壊から1990年代半ばにかけて徐々に戦時と平時の境界線が曖昧になるにつれ、MOOTW(戦争以外の軍事作戦)という概念が提唱されるようになってからは、従来の任務に加えてそういった新たな任務が与えられ、さらに一時期、ANGLICO(空海砲撃連絡中隊)が廃止されていた間は前方観測・砲撃管制までをも押し付けられた結果、ついにはCT/HR技能の維持を断念することとなります。
ただし、そこは常に精鋭を旨とする海兵隊のこと、CT/HR任務が外されたとは言えCQB訓練自体は継続しています。
おそらく証拠集め等は特殊部隊ではなく専ら捜査当局の仕事でしょうが、筋金入りのテロリストを相手に人質を無事奪還するとなるとCTTAG、もといコマンドー中隊の出番ですね。ニュージーランドの警察にもSWAT/SRT的な部隊はあるようですが、こちらは凶悪犯罪対処までが限度でしょう。
「CT活動」と一口に言っても、ドンパチを前提としない情報収集から報復作戦まで幅広いですが、そこにHR(人質救出)という要素が加わると任務の専門性や難易度は一気に高くなります。
映画NAVY SEALSのチャーリー・シーンのセリフ、「SEALは行って、撃って、忘れる」じゃないですが、単純な話、籠城するテロリストを殲滅するだけなら通常の歩兵でも十分でしょう。もっと極端に言えば、ミサイルを撃ち込むだけで済むかもしれません。
しかし、そこに「人質が存在する」という状況や「籠城している建物が一般人で賑わう市街地のド真ん中にある」という環境が付加されると、もはや対処できるのは高度かつ専門的な訓練を受けた部隊だけになります。
こういったセンシティヴかつデリケートな任務を遂行できる技能を維持向上させるためには、やはり専任部隊を設けるのが最も効率的なんだと思います。
> オーストラリアのTAG-WやTAG-Eも国内専門なのでしょうか?
やはりTAG-W/E共に国内におけるCT/HRが主任務ですが、強いて言えば、海外における特殊作戦もやってできないことはないでしょう。
何故なら、(一部のNZSAS隊員を除き)大部分の隊員がCT/HRのみの訓練を受けているCTTAGとは違い、TAG-W/Eはそれぞれ完全にSAS隊員、第2コマンドー連隊員から構成されているからです。
SASは言わずと知れた精鋭中の精鋭ですし、第2コマンドー連隊もそのSASに次ぐ技量を持つ特殊作戦部隊です。
ただ、そうなるとわざわざTAG-W/Eと別立てにした意義が無くなるため、原則海外に出て行くことはないんじゃないでしょうか。
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from: H-2さん
2009年11月29日 17時21分58秒
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「Re:NZSAS」
こんばんは(^_^)。
> 近年、多くの特殊部隊関係者が「伝統的な軍事的特殊作戦能力とCT技能の維持・両立は難しい」と指摘
そうなのかも知れませんね。
テロリストを相手にする場合、特殊部隊の活動は警察的な側面が多くなると思います。
例えば、テロリストの身柄を拘束した際には、裁判で有罪にするための証拠収集なども必要になります。
ジャングルでのゲリラ戦と比べれば、確かに勝手が違うでしょう。
>彼等は通常のSASのように海外任務に就くことは一切無く、専ら国内でのCT/HR任務に備えています。
国内専門の軍事系特殊部隊ですか…。あまり、聞いた事が無いです(^_^;)。
通常は「国内専門の特殊部隊」というと、警察や司法機関に所属しているので、珍しい例だと思います。
オーストラリアのTAG-WやTAG-Eも国内専門なのでしょうか?
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from: H-2さん
2009年11月30日 17時53分59秒
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「Re:Re:Re:NZSAS」
詳細なコメント、ありがとうございます(^_^)。
> ただし、そこは常に精鋭を旨とする海兵隊のこと、CT/HR任務が外
されたとは言えCQB訓練自体は継続しています。
色々な任務を担当した上で、CT/HR任務を高いレベルで維持することは難しいのでしょうね。中途半端な体制、技量で作戦に投入されて、失敗してしまったら取り返しがつかないですからね。
> こういったセンシティヴかつデリケートな任務を遂行できる技能を維持向上させるためには、やはり専任部隊を設けるのが最も効率的なんだと思います。
そうですね。
特に、先進国でテロリストによる篭城、ハイジャック事件が発生した場合は、国内法に照らし合わせて「犯罪者」とみなされることが多いため、法手続きの問題などから、特殊部隊員には高い専門性が要求されると思います。
> ただ、そうなるとわざわざTAG-W/Eと別立てにした意義が無くなるため、原則海外に出て行くことはないんじゃないでしょうか。
やはり、国内専門の部隊なんですね。オーストラリアにおける「テロ対策の切り札」と言ったところですか(^_^)。
そういえば、「SATマガジン」の創刊号にも登場していましたね。
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