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from: H-2さん
2011年07月07日 10時38分19秒
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警視庁特殊部隊の訓練視察について
暑い日が続きますね(^_^)。
去年の夏も本当に暑かったので、また同じ猛暑にならなければ良いのですが…。
さて今回は、1987年に行われた警視庁特殊部隊「SAP」の訓練と、非公式視察について書き込みます。
文章にあまり、まとまりが無い点は御容赦下さい(^_^;)。
軍事誌「コンバットマガジン」の2002年8月号に、元SAP隊員である伊藤鋼一氏が、記事を執筆しています。
この記事の中には、当時、内閣官房長官であった後藤田正晴氏が「随行員を伴わず、SAPの訓練を視察されたことがある。」という記載があります。
記事の文脈から判断すると、当時、伊藤氏もこの視察の場に居合わせ、現役隊員として訓練に参加していたようです。
視察の時期は、後藤田氏が官房長官を勤めた1980年代と推測されます。
一国の官房長官が特殊部隊を視察したのですから、報道関係者によって概要だけでも、何かしらの記事になりそうなものですが、当時の記事からは確認できず、伊藤氏の一方的な証言だけしかありませんでした。
ですが最近、元内閣安全保障室長である佐々淳行氏が、『ザ・ハイジャック 日本赤軍とのわが「七年戦争」』という本を執筆し、この著書に、後藤田氏の視察の様子が記載されたことから、当時の状況が明らかになりました。
この視察には、後藤田官房長官だけでなく、佐々淳行氏も同行していました。
視察が行われた年は、佐々氏の著書によると「1987年初夏のある土曜日」です。
場所は陸上自衛隊第一空挺団の施設内で、SAPは空挺団の「落下傘塔や射撃壕で、人目を避けて連日訓練を行っていた」とのことです。
非公式の訓練視察に参加したSAP隊員は60名、SAPの指揮官は寺沢警部。
この寺沢氏はSAPを除隊後、高輪警察署の署長になったそうです。
伊藤氏が軍事誌「SATマガジン」に掲載した小説にも、「SAP隊長を経験した警察署長」が登場しますが、これは、寺沢氏をモデルにしているものと思われます。
さて、佐々氏の著書に話を戻します。
まず、装備品に関してですが、訓練当時、SAPは「耳の部分がとても大きい」防弾ヘルメットを付けていたそうです。これは当時西ドイツの特殊部隊「GSG9」が使用していた、ヘッドセット装着型のチタン合金製ヘルメットではないかと推測されます。
ヘルメットに装着された防弾バイザーは、「視界が歪まない西ドイツの特許品」だったと記載されている事からもこれを裏付けていると思います。
また、「スタングラネードを胸に下げている」との記載もあることから、おそらくタクティカルベストを装着していたと思われます。
さらに佐々氏は、SAPの使用している銃を、「赤外照準器付きヘッケラー&コッホ社製小型自動小銃」と記載しています。
「ヘッケラー&コッホ社の自動小銃」と言うと、G3ライフル等が挙げられますが、SAPがG3ライフルで突入訓練を行っていたとは考え難いです。
佐々氏の著書には「小銃の弾が防弾バイザーを貫通しなかった」という内容の記載がありますので、発射された弾は拳銃弾でしょう。ですから、この時SAPが装備していた銃は、おそらく赤外線照準器を装着したMP5ではないかと思います。
また、当時SAPは視察の際、ロープを使った降下、突入訓練や、閃光弾を使用した訓練を行ったそうです。
なお、「コンバットマガジン」に掲載された伊藤氏の記事によると、後藤田氏は訓練を視察後、SAP隊員に対して「君達の真摯で崇高な使命感に期待する。」と述べて、目に涙を溜めながら隊員一人一人と握手をして、訓練場を後にしたそうです。
何故、後藤田氏は涙を溜めていたのでしょうか?
本人は既に故人となっているため、今となっては知るすべがありません。ですが、あえて推測すると「この部隊が、ダッカ事件の時に存在していれば…。」と思い、感極まったのかも知れません。
御存知の方も多いと思いますが、日本政府は1977年に発生した「ダッカ、ハイジャック事件」で、超法規的措置により、刑務所で服役中だった活動家等6人を釈放しています。当時の警察関係者の無念は、計り知れないものがあったようです。このダッカ事件は、日本警察が特殊部隊を創設するきっかけとなりました。
また、佐々氏の著書によると、特殊部隊の創設は後藤田氏が提唱し、佐々氏が西ドイツと交渉して協力を取り付けたとの事です。
結果として、日本警察は「装備、訓練、ノウハウなどGSG9から全面協力を得て」特殊部隊を創設することになりました。
世界中の特殊部隊の歴史を見ると、部隊創設の提唱者や、創設に大きな貢献をした者が大抵存在します。
日本警察の特殊部隊の場合、後藤田氏と佐々氏がまさに、その役割を担ったのだと思います。-
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