H-2さん、お久しぶりです。私も気になったことがあるので、質問してよろしいでしょうか?

　まず、H-2さんが仰っていた北九州の立てこもり事件で出動した部隊ですが、毎日新聞記者がそれらしきバイザーヘルメットを被りベストを着た人達の後ろ姿を写真に収めていました。
　ソース元の写真がある記事はこちらです。
　↓
　https://mainichi.jp/articles/20171108/k00/00e/040/282000c

　この写真の中心にその人達がいることがわかります。左から1番目と3番目の防弾盾を持った人達は、バイザーヘルメットの色が紺色で突入型防弾衣を着ているので銃器対策部隊隊員だと思います。しかし、黒のバイザーヘルメットを被った人達の所属部隊を証明する物がわかりませんでした。恐らくですが、右から二番目の肩パッドが無い防弾衣を着た人は特殊班で、それ以外は特殊部隊(SAT)だと思いますがどうでしょうか?

　2つ目は、特殊部隊(SAT)についてです。
　ツイッターでアカウント名きゅいまる(ユーザー名kyuimaru)という方が、特殊部隊編成地8都道府県の部隊章が描かれているTシャツの画像をツイートしました(本人の11月7日午後10時15分のツイートより)。また、上述の部隊章に類似したワッペンを付けた警官の画像をツイートしました(11月7日午後10時8分と11月8日午前3時37分のツイートより)。私はこれらの画像を見て嘘か本当かわかりませんでしたが、H-2さんはどう思いますか?

　以上です。よろしくお願いしますm(__)m。

こんばんは、MP5さん(^_^)。
最近、業務が多忙で、掲示板を確認している余裕がありませんでした。
返信に時間がかかってしまい、申し訳ありません<(_ _)>。

＞右から二番目の肩パッドが無い防弾衣を着た人は特殊班で、それ以外は特殊部隊(SAT)だと思いますがどうでしょうか?

毎日新聞に掲載されていた事件の写真ですね。
個人的な見解ですが(^_^;)、記載します。
この事件は、政治的な背景の無い凶悪事件ですので、突入も含めて、刑事部が主導する事件です。
黒バイザーに黒色のベストを着用しているのは、福岡県警の特殊班で、おそらく福岡県警SATのOBで編制された突入班ではないかと思います。
紺ヘルメットは銃器対策部隊の可能性が高いですね。
右から２番目の警察官は、突入の前面に出るには不似合いな装備です。
また白いベルトを着けているようにも見えます。
この人物はおそらく捜査員で、後方支援などを担当する役割ではないかと思います。
この事件ではSATも出動していたようですが、突入班は現場の車両内で待機していた可能性が高く、狙撃班は配置について、犯人の家を監視していたのではないかと思います。

＞私はこれらの画像を見て嘘か本当かわかりませんでしたが、H-2さんはどう思いますか?

現場にいたSAT隊員の写真だと思います。
２枚の写真はとても興味深いものなので、少し長くなってしまいますが(^_^;)、この写真について、取り挙げたいと思います。
１枚目の写真には、黒色のＴシャツを着た後ろ姿の男性が写っています。
黒色のＴシャツの上部には英語でカウンター・テロリズム・フォース（テロ対策部隊）と書かれています。
その下に、全国の８都道府県警SATのエンブレムが４個ずつ、２行に分かれて描かれており、いずれのエンブレムにも雷型の「Ｓ」のマークが記載されています。
以下に、シャツの左上に描かれたエンブレムから順に説明します。

１　北海道警察SAT
　　「SAT」の文字を盾の形にした背景に、熊の絵とＳのマーク。
　　下部に「HOKAIDO」の文字。　
２　千葉県警察SAT
　　千葉県の地形の絵にＳマーク。
　　下部に「CHIBA JAPAN 1996」の文字。
３　警視庁SAT
　　絵は無く、Ｓマークのみ。
　　下部に「警視庁　SINCE1977」の文字。
４　神奈川県警察SAT
　　錨の絵にＳマーク。
　　下部に「KANAGAWA　SINCE1996」の文字。

ここから、２行目になります。

５　愛知県警察SAT
　　シャチの絵にＳマーク。
　　下部に「愛知」の文字。
６　大阪府警察SAT
　　鷲（？）の絵にＳマーク。
　　上部に日の丸。下部に「OSAKA JAPAN SINCE1977」の文字。
７　福岡県警察SAT
　　鎧を着た武士のような絵にＳマーク。
　　下部に「FUKUOKA SINCE1996」の文字。
８　沖縄県警察SAT
　　炎もしくは竜のような絵にＳマーク。
　　上部に「沖縄」、下部に「SINCE2005」の文字。

エンブレムの数字は、部隊が創設された年を表しています。
上に記載したエンブレムの中でも、愛知県警察SATのエンブレムは、2007年に愛知県の事件でSAT隊員が死亡し、テレビ局が隊員の実家を取材した際に、額に入った状態で、仏壇の傍に置かれていました。
ですから愛知県警察SATのエンブレムのデザインは、少なくとも10年間は変更されていません。
また、各エンブレムには「JAPAN」の文字や、日の丸が描かれているものがあります。
日本の警察で、ワッペンに日の丸を用いているのは警察庁だけですから、８都道府県警のSATは指揮系統や予算の面で、警察庁警備局と密接な関係にあることが伺えます。

Ｔシャツのエンブレムより下の部分には、英文で長めの文書が記載されています。
文字が小さい上に、隊員が背中にイヤホンコードを掛けており、文字の一部が見えないため、写真では判別しづらくなっています。
そのため非常に不完全ですが、おおよそ以下のような意味の事が書かれています。

・困難な事態に対処するために、瞬時に引き金を引く判断をしなくてはならない。
・自分に課せられた作戦を過小評価してはならない。
・強靭な意志と最善のチームワークで任務にあたれ。

英語の翻訳に慣れた方であれば、もっと正確な訳ができるかもしれません(^_^;)。

さらに、英語の長文の下には、やや大きな文字で１から４まで番号がふられた英文が書かれています。
この文は字が大きいため、判別出来ました。内容から、SATの標語のようです。
以下に原文と訳を記載します。

１　Rock Solid（石のように固く）
２　Unbeatable Strength（打ち負かすことのできない強さ）
３　The highest abillty（最も高い技量）
４　Ｕnited we stand（団結すれば立つ）

４番目の「団結すれば立つ」という言葉は、欧米で団結を呼びかける時に使われる標語で、正確には「Ｕnited we stand　divided we fall」（団結すれば立ち、分裂すれば倒れる）という言い方をします。全国の８都道府県警SATの団結を意味していると思われます。
この標語の下の部分にも英文が１行、記載されていますが、判別できません。
英文には「2005」という文字が書かれています。
2005年には沖縄県警察SATが創設されていますから、2005という文字は、SATが８都道府県警の体制になった年を表しているのだと思います。

また、Ｔシャツの隊員の写真の他に、もう１枚、隊員の写真があります。
２枚目の写真には、黒色のジャンバーを着て、しゃがんだ状態の隊員が写っています。
ジャンバーの左上腕には、福岡県警察SATのエンブレムが着いています。このエンブレムの上部には「JAPAN」の文字が書かれています。また右の上腕には、灰色で丸形のワッペンが着いています。
ワッペンの絵は低視認性の暗い色で、警察の旭日章にライフルが交差した絵が描かれています。
ツイッターにも解説がありますが、福岡県警察SATの狙撃手なのでしょう。
おそらく、現場の警察官に一般人（報道関係者）と間違われないようにする目的でワッペンを着けていたのではないかと思います。

以上のように、かなり文章が長くなってしまいましたが(^_^;)、今回の事件で興味深い内容が確認できたと思います。
エンブレムは部隊の象徴なので、８都道府県警のSATには、継続して使って貰いたいですね(^_^)。