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  • from: H-2さん

    2014年07月17日 13時42分54秒

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    NOCSとSATの合同訓練に関する記事などについて。

    こんにちは、暑い日が続きますね(^_^)。皆様いかがお過ごしでしょうか。5月の掲示板でメンバーの栂さんに、イタリアの特殊部隊「NOCS」と日本のSAT

    こんにちは、暑い日が続きますね(^_^)。
    皆様いかがお過ごしでしょうか。
    5月の掲示板でメンバーの栂さんに、イタリアの特殊部隊「NOCS」と日本のSATの合同訓練の動画を取り上げて頂きました。
    今回はこの合同訓練に関連する記事の翻訳と、NOCSという部隊について記載します。
    文章が少し長く、まとまりのない部分があるかも知れませんが、御容赦下さい(^_^;)。

    まず合同訓練の記事について書き込みます。
    NOCSとSATの合同訓練に関する記事は、イタリア国家警察のホームページに記載されています。
    この記事の掲載元は以下のアドレスになります。

    http://www.poliziadistato.it/articolo/view/32920/

    記事の見出しは当然ながらイタリア語で(^_^;)、「Nocs - Japan Sat, insieme per migliorarsi」と記載されています。
    日本語に訳すと「NOCSは日本のSATと共に改善する。」という意味です。
    この記事は2014年4月8日に掲載が開始されています。
    それでは、記事の日本語訳を記載します。
    意訳の箇所が多いのですが(^_^;)、御容赦下さい。

    解放するべき人質、捕らえるべきテロリスト、あるいは危険に晒され、保護するべき個人がいれば、NOCSは出動します。
    中央警備作戦部隊(NOCS)はイタリア国家警察の特殊部隊で、選抜された男性警察官によって、危機的状況に対処するために編成されています。
    部隊の標語は「Sicut Nox Silentes(夜のように静寂)」であり、隊員は数秒で危険な状況を解決するために訓練されています。
    NOCSの隊員は絶えず改善し、戦術を共有することを目的として、外国の特殊部隊との合同訓練を頻繁に行っています。
    最近、NOCSは日本のSAT(特殊急襲部隊)と合同訓練を行い、様々な状況を想定して、ロープや爆発物を使用し、ドアや窓から突入するという訓練を行いました。
    NOCSの指揮官は次のように述べました。
    「このような合同訓練は、部隊の成長に欠かせません。国内の法制度や制約を順守し、外国の部隊とは運用方法が違う事を考慮しながら、国際的なレベルで戦術や知識を共有することが必要です。」
    今回の合同訓練は教育目的のために撮影されました。また、NOCSの指揮官は撮影の際にコメントしました。

    記事の翻訳は以上です。
    次に、NOCSという部隊について書き込みます。

    NOCSはイタリア語の「Nucleo operativo centrale di sicurezza」の略です。日本語だと「中央警備作戦部隊」という意味になります。
    NOCSは200名規模の隊員を擁し、ヨーロッパでも屈指の治安系特殊部隊です。
    NOCSの設立は1974年です。
    テロの脅威に対処するため、イタリア諜報機関「SISMI」と、国家警察の対テロ機関「UCIGOS」の実働部隊として創設されました。
    なお、1981年に国家警察の「UCIGOS」は、「DCPP(警察総局公安局)」と名称を変更しており、現在NOCSは、このDCPPの指揮下にあります。
    また、諜報機関の「SISMI」は2006年に組織改編が行われ、「ISE(対外情報・保安庁)」という組織名称に変更されています。
    NOCSの隊員は、HALO(高高度降下低高度開傘)の訓練や潜水訓練も受けており、イタリア海軍の特殊部隊「COMSUBIN」から指導を受けています。
    また、冬季の山岳地帯での活動を想定して、スキーの技術も習得しています。
    さらにNOCSの隊員は要人警護の訓練も行っており、普段から警護任務を行っている訳ではありませんが、危険度が高いと判断された場合には、出動するそうです。
    隊員は4年以上の経験がある警察官から希望者を募って、選抜試験を通過したものが入隊します。
    先の記事でも紹介されていますが、部隊の標語は「Sicut Nox Silentes(夜のように静寂)」であり、この標語からもNOCSは秘匿、隠密活動を重視していることが伺えます。

    NOCSの創設から4年後、1978年にテロ組織「赤い旅団」による「モーロ元首相誘拐殺人事件」が発生しました。
    イタリアの元首相がテロ組織に誘拐され、殺害されるという大事件を契機に、NOCSは内務省公安局長直轄の特殊部隊として再編制し、強化されました。
    この頃、日本では日本赤軍による日航機ハイジャック事件を契機に、警視庁と大阪府警察にSATの前身となる特殊部隊が創設されています。
    日本警察の特殊部隊は、日本赤軍によるハイジャック対策を主要な任務としていましたが、イタリア警察のNOCSは、赤い旅団による誘拐事件への対処を主要な任務としていました。
    NOCSが再編成された後、1982年に再び赤い旅団による誘拐事件が発生し、イタリアのNATO軍司令官ジェームズ・ドジェ准将が誘拐されてしまいます。
    NOCSはアメリカ軍の協力を得て、犯人グループが人質と共に潜伏しているアパートに突入しました。突入の結果、NOCSの隊員は1発も発砲することなく人質を救出し、犯人グループを全員逮捕しました。
    なお余談になりすが、この事件ではアメリカ陸軍の「情報支援隊(ISA)」という部隊がイタリア国家警察に協力しています。
    ISAはマイクル・スミス氏の著書「キラー・エリート極秘諜報部隊ISA」でその活動が取り上げられており、グリーンベレーなどの特殊部隊が作戦地域に展開する前に、小人数で現地に入り、情報収集や協力者の獲得を行う組織とのことです。
    ドジェ准将誘拐事件で「ISA」は電子方向探知システムを搭載した特殊ヘリを使用して、人質と犯行グループの居場所を割り出すのに大きな貢献をしたとのことです。
    また、この事件が発生した際、イタリア国家警察はマフィアの一斉摘発を行ったそうです。
    当時、赤い旅団は誘拐で得た身代金をマフィアに支払って、武器を購入していたそうです。
    ですから、マフィアと赤い旅団とは協力関係にありました。
    国家警察は、マフィアに対する取り締まりを強化すれば、マフィアたちが取り締まりを緩和してもらうために、人質の居場所に関する情報を提供するのではないか、という推測をしていました。
    この作戦はどうやら成功し、イタリア国家警察はマフィアからも有力な情報を得たようです(^_^;)。

    話が逸れてしまったので、元に戻します(^_^;)。
    NOCSはドジェ准将誘拐事件以降も出動を重ねており、部隊創設以来、237人の犯人を逮捕し、325人の人質を救出したとのことです。
    また1989年と1991年には、誘拐犯と銃撃戦を行っています。
    NOCSはアメリカ連邦捜査局(FBI)の「HRT」、イスラエル国境警備隊の「YAMAM」、ドイツ連邦警察の「GSG-9」と州警察の「SEK」、スペイン国家警察の「GEO」、フランス警察の「RAID」、日本警察の「SAT」などと交流があります。
    なお余談ですが、2003年にドイツで世界各国の警察、治安組織系の特殊部隊が集まって競技会が行われ、オーストリア内務省の特殊部隊「コブラ」が優勝し、NOCSは準優勝の成績だったとのことです。
    この競技会に何か国の特殊部隊が参加したかは不明ですが、NOCSの隊員が非常に優秀であるという事は伺えるのではないかと思います。

    以上、SATの合同訓練と、NOCSという部隊について書き込みました。
    NOCSはとても出動経験が豊富な部隊なので、実際に出動経験から得たノウハウを日本のSATが学ぶという事は、大変意義があることだと思います。
    またNOCSは合同訓練の記事を見ても分かりますが、他国の特殊部隊から積極的に学び、自らの戦術を改善する姿勢が強いという印象を受けます。
    ですから、あくまで個人的な推測なのですが(^_^;)、NOCSの隊員は、日本に招待されてSATの訓練施設で合同訓練を行ったことがあるのかも知れません。

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