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  • from: ueyonabaruさん

    2008年04月28日 15時53分13秒

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    ソクラテス ③

     「ソクラテスの弁明」を読んでの感想を述べてみたいと思います。
     先にアウグスティヌスの「告白」を読みましたが、そのときに強く思ったのは、ロ-マ時代という古い時代背景をもつ思想家が、はたしてスム-ズに読めるだろうかということでした。時代背景が違うので、人の発想も表現方法もちがい、理解に苦しむのではないかと思っていたのです。しかし、実際に本を手にして読み進んでいくと、そのような時代背景からくる読みの難しさは確かにあるものの、たいしたことではなく、それよりも作者の考えることが、現代に生きる自分とあまり変わらないなと思え、その共感の思いが読書を後押ししてくれたのです。アウグスティヌスの考えが分かるということ、古代の賢人の言葉がわかるということに非常に感動をしました。今般、ソクラテスを読むにあたり、この方が、さらに古いギリシャ時代の人なので、時代背景などが邪魔をしないかという心配はありました。しかし、今回もやはり作者への共感が読書の後押しをしてくれました。
     今回の経験では、原典に直接あたることがとても大切なことだと痛感させられております。原典にあたることで、思わぬ世界の展開が期待できます。

     感想ですが、
    ソクラテスは、霊能者であり、当時のアテネ世界の預言者のような方です。キリスト教の教義における預言者ではなく、智を求めることに最高の価値を置き、神を最高の智者とし、アテネ市民へ精神的な価値観を啓蒙することを自己の使命と考えた人でしょう。キリスト教以前の、ギリシャの輝ける哲人の時代を思い起こさせるかたです。
     また、死後の世界を実在するものとし、現実に守護霊の言葉を聞くこともできた方です。死後世界があるのかどうかわれわれは議論をするわけですが、この本を読めば、このような議論が色あせて見えるほど、彼は霊界寄りです。
     また彼が世界にかくも有名であるのは、悪法であってもこれには従い、従容と毒杯を飲むという悲劇的な行為が後世の人の耳目を引いたからだと思います。これは、キリストが磔にされた悲劇性と相通ずるものがあるように思います。また、弟子のプラトンが師のことについてしっかり書き残した点は無視できず、同様にキリストの弟子たちが、師キリストのことを後世に書き残したわけで、これも共通する点です。
    と、このように感じました。

     次には、やはりプラトンの作で、パイドンを読んでみたいと思います。一読はしたのですが、これは「ソクラテスの弁明」に比べ分厚く、すべてを理解するには、少し荷が重いような気がしております。しかし、がんばって自分なりにまとめてみたいと思います。しばし、時間をください。

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