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  • from: ueyonabaruさん

    2008年11月05日 11時21分20秒

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    14歳からの哲学-池田晶子 ③

     わかりにくい池田さんでしたが、ここにきて多少理解できるようになりました。小林秀雄に傾倒したということもなるほどとうなずけます。いちおう、この本を閉じるにあたり、まとめをしておきましょう。

     まとめをするというのは、自分のこころの整理をするためにおこなうもので、池田晶子のことを断定するわけではありませんが、断定する風に書いてみます。

     池田さんも小林秀雄も大体のものごとはもう知っている方々のうちに入ると思います。哲学者であり、宗教者であり、文学者であり、生活者です。自分たちはもうすでに結論があり、これを単に表現してゆくだけです。もっているものが、すでに高いものであるが故に、人々を魅了してゆきます。そして、思想の特徴は、哲学で言えば、観念主義哲学、理想派哲学であり、直感型の真理把握に特徴があることから詩人たちでもあるとも言えましょう。宮沢賢治や石原慎太郎のように現実に世の中を変えようとすることはせず、現実の事象には距離をおく非活動家であり、人生を観照する位置に常にいるのです。

     池田さんの本から抜粋をして、輝やかしい部分をみてみます。

    「自分が存在しなければ、世界は存在しないんだ。自分が存在するということが、世界が存在するということなんだ。世界が存在するから自分が存在するんじゃない。世界は、それを見て、それを考えている自分において存在しているんだ。つまり、自分が世界なんだ。」

    「世のすべては人々が作り出しているもの、その意味では、すべては幻想と言っていい。このことを、しっかりと自覚できるようになろう。社会がそうなら、国家というものものもそうなんだ。」

    「善悪を判断する基準は、自分にある、自分にしかないんだ。」

    「目に見える君の人生や、君の人生を含むこの社会を、一番深いところで動かしているのは「理想」目に見えない観念としての理想なんだ。ちょっと難しい言い方をすれば「理念」と言ってもいい。」

    「人間が人間を無条件で愛するというのは、ものすごく難しい。ある意味では、人はこれを学ぶためにこの世で生きているとも言えるんだ。」

    「宇宙の全体は、どうやら150億年前のビッグバンの大爆発によって始まったということになっている。でも、だとすると、ビッグバンの前には何があったのだろう」
     
    「物質があることの確実さは、実は不確実なことなんだ。でもそれを不確実であると考えている自分がある。こちらは絶対確実だ。肉体が病んで老いて変わっても、こちらは少しも変わらない。」

    「本当は「今」しかないのだ。百億年前とは「今」なのだ。どんな古い星も銀河もも、それを見ていると考えている今のこの自分より確実なものではない。」

    「自分と他人はうんと深いところでつながっていると言ったね。そして、自分とは、世界に他ならないとも。全く関係のない他人同士が、自分勝手に動き回ることで、世界に時代が現れるのはそのためだ。これは気がつくと、ものすごい面白い眺めだよ。すべての他人が自分なんだ。原始人も科学者もテロリストも、同じ精神としての自分なんだ。歴史とは精神の歴史だ」

    「人類の、とくに西洋の精神の歴史は、ある意味で、この神の存在を巡る懐疑と信仰の歴史だ。信じるか信じないかの問題に「すぎない」と、一神教の信仰をもたない日本人などは思いがちだけれども、そんなことは決してなくて、これはやっぱり恐ろしく重大な問題なんだ。」

     池田さんの悟りの言葉を抜粋してみました。ここからは池田さん批判になります。池田さんの言葉をさらに抜粋してみます。

    「信じる前に考えて、死は存在しないと気づけば、死後の存在など問題ではなくなるはずだし。死への怖れががなくなれば、救いとしての神を求めることもなくなるはずだ。」

    「・・・・・森羅万象が存在しているのはなぜなのかと、人は問い始めるだろう。この「なぜ」、この「謎」の答えに当たるものこそを、あえて呼ぶとするならば「神」の名で呼ぶべきなのではないだろうかと」

    「ある」ということの驚くべき不思議、神様だって「ある」限りは、なぜ自分があるのかは分からない。「ある」ということにこたえはないんだ。」

    「お釈迦さまやキリスト、いにしえの開祖たちは、みな、この謎の姿をを見た人たちだ。決して答えを見いだしたわけじゃない。」

     上の抜粋をみて、みなさんはどのように感じられますか。お釈迦さまやキリストの悟りが、池田さんの悟りと同列におかれているとは思われませんか。池田さんはこれら聖人をもっと崇める必要はないのでしょうか。アウグスティヌスではどうでしょうか、この方の思索も深いものがあると思いますが、かれは信仰の道を歩みました。

     

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コメント: 全2件

from: hiraokaさん

2008年11月06日 00時45分40秒

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「Re:Re:14歳からの哲学-池田晶子 ③」
>過去に、リアリストさんとの議論で、地獄について、それは悪夢ようなもので、それでいて実感のあるものと表現をしたことがあります。この点についてもいずれご意見をお伺いしたいと思います。

ueyonabaruさんの、おっしゃるとおりだと思います。
覚めない悪夢ですね。

あかちゃんが泣いているときは地獄で、笑っているときは天国ですね。

この世では災害にあって絶望して苦しみのどん底にいるときでも、しばらくすると腹がへってきますね。
「何か喰うものは無いか?」となりますが、地獄では腹が減ることも思い出せないようで。
気分転換がしにくいようですね。 (*^。^*)

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from: hiraokaさん

2008年11月06日 00時32分42秒

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「Re:14歳からの哲学-池田晶子 ③」
>池田さんの本から抜粋をして、輝やかしい部分をみてみます。
同感です!。

>ここからは池田さん批判になります。池田さんの言葉をさらに抜粋してみます。
>お釈迦さまやキリストの悟りが、池田さんの悟りと同列におかれているとは思われませんか。池田さんはこれら聖人をもっと崇める必要はないのでしょうか。

池田さんは魂に優劣や霊格の違いがあることを、強調しているんです。それは、わかってるんです。
ですが、釈尊やキリストを絶対的神だと信じている人たちに忠告したい動機が強いようです。

なぜ、彼女がそう云う動機を持つのかと云うと、「釈尊やキリストを絶対的神だと信じている人たち」が、バカに見えるのだと思います。「おまえらこんなことにも気が付かないのか?」って・・・・。

「釈尊もキリストも存命中は間違いを犯しているのに、おまえら彼らが絶対神だと思ってるのか?」って・・・。
そう云うことだと思います。

彼女は聖人を尊敬はしますが、崇めることはしないようです。
信仰の道は、同時に自らの自由意志を制限することにもなると思ってるようです。

さあここにも、論理の矛盾が出てきました。
自由意志を使って信仰の道に入ることは、自由意志ではないのでしょうか?


>メタ構造という言葉など初めて聞きますが、追々教えて下さい。論理という言葉は、理屈のことなのだと考えているだけです。

ぼくの造語なんです、すみません。(*^。^*)
メタ論理・・・(論理学の構造的欠陥を解消しうる論理)

ご存知かもしれませんが、ぼくらの使う言語による論理はもともと欠陥があるんです。
前にも書いたかも知れませんが、たとえば・・・・、
命題
1)「神はそれ自身で完全であるから、『無い』と云うものは無い」と仮定する。
2)だとすると、神には『無い』と云うもの、そのものが無いことになる。
3)よって、「神は『無い』と云うものを持っていないのだから不完全だと云うことになる。

あるいは、
1)「この村の住民は全員ウソつきです」と村の住民が言った。
2)この、住民の言うことは、真か偽か?
3)もし真だとすると、その住民はウソつきでないことになる。
4)もし偽だとすると、その住民はウソつきだということになる。

こういったたぐいで、いくらでも作れます。
ぼくらがよくやってしまう論争のかなりは、こういった解釈の混乱によるものがとても多いようです。

ぼくもむかし父と話している時、
父が「これはAだ」と言い、ぼくが「それは、Aじゃない」と反論すると、とたんに「お前はBだと言うのか!」と怒鳴られてほとほと閉口したことがあります。

大川さんも、「みなさんはぜひ、「白か黒か?」ではなく、灰色の部分がたくさんあることをわかっていただきたいと思います」と云っていました。

論理ってめんどくさいんですよね。
だから、池田さんも一番強調したいところになると飛んじゃうんです。

>仏教の自性論というものがありますので・・・
自性論と云う言葉じたいも知りませんでした。
どのようなものでしょうか? 教えてください。

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