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  • from: ueyonabaruさん

    2009年02月06日 20時47分36秒

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    「永遠の大道」から

     次のくだりは、参考になります。


    (感官の牢獄)

     諸氏の環境は、見方によっては諸氏自身の創造にかかると言ってもよい。何となればそれは諸氏の神経、諸氏の感覚が捕らえ得るだけの狭い、縛られたる環境だからである。諸子は決して精神的に充分まだ解放されてはいないのである。

     若しも諸子にして自我意識を奥へ奥へと誘導し、五感とは全く絶縁した、形態抜きの純理世界に入るべく自身を訓練することに成功したとすれば、物質の世界などはもちろん、全部消えて見えなくなる筈である。しかしそれは現在の諸子には到底できない。それは今後無尽蔵の経験を積んだ暁に於いて、初めて期待されることである。

     兎に角諸子は、その死後に於いて高級の世界に進めば進むほど、その智能は次第に増進し、物の形などは自分の意のまにまに、どうにでも左右し得るようになる。換言すれば、形の中に生命を宿す術が上手になるのである。丁度彫師が粘土をひねりて、ある形像を造るが如く、諸子の心はよく形の中に生命と光とを集め、かくて自己の意念の欲するまにまに、自己の環境を造り上げて行くのである。もちろん最初の諸子の意念は、地上の経験と記憶とに限られているから、折角造り上げたものも、畢竟地上に見出さるものの複写に過ぎない。それを離脱するには諸子の精神の発達向上に待たねばならない。

     一言ここで注意して置きたい事は、この夢幻境の程度での諸子には、まだ意識的に自己の環境を造る能力が備わっていないことである。諸子の内的意念が類魂の中に伝わり、その援助で諸子の気付かぬ間に、自分の置かるる環境が、いつしか出来上がって居ると言った次第なのである。諸子はまだまだ個人的束縛から脱し得ない。地臭を帯びた、不自由な魂であり、従ってその動きが頗る鈍いのである。

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