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from: ueyonabaruさん
2011年02月14日 18時27分28秒
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「史上最強の都市国家ニッポン」から ①
表題の本は、前にもご紹介しましたが、一つ、経済学者たちの見方を知る上で非常に参考となるものです。幸福実現党の経済論を知るのに有用だと思われます。経済をあまり知らない私にとっては、すごく新鮮なものです。同書から、気になるところを見てゆきたいと思います。
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ケインズもマネタリズムもエリ-トの統制を肯定する「社会主義」経済学である。
実は今アカデミズムの世界で偉そうな顔をしているのがケインジアンやマネタリストですが、両者ともエリ-トが大衆を指導してやらなければ経済がうまくいかないと考えている意味で「社会主義」的な経済学です。ケインジアンは財政政策を使うし、マネタリストはマネ-サプライを使うという道具の違いがあるだけで、両方とも「エリ-トが指導する必要があり、大衆が勝手に動き回っているだけでは経済はうまくいかない」と考えています。
ハイエクやフォン・ミ-ゼスが主導しているオ-ストリア経済学派との一番大きな差がそこにあります。
ハイエクやフォン・ミ-ゼスの偉いところは、「デフレになったら放っておけば、過剰な投資の爪あとが癒された時に、必ず経済は
自然回復する。それ以外の回復策は全部間違っていて、さらに経済を悪化させるようなことばかりだ」と言い続けたことです。
私の見る限りではハイエクやフォン・ミ-ゼスは、「市民1人ひとりが、自分の趣味なり所得なりで売ったり勝ったりして自然に形成される市場の秩序こそが最高の秩序だ」と、綿々と訴え続けたかず少ない人たちです。これはアダム・スミスが夢見た通りの世界です。
ケインジャンやマネタリストは、「財やサ-ビスの市場はそれでもいいが、金融や財政政策の市場はそれではいけない。頭のいいエリ-トが大衆の鼻面を引きまわさなければいけないのだ」と考えます。
ミルトン・フリ-ドマン(1976年ノ-ベル経済学賞受賞)が「貨幣供給さえ一定のパ-センテ-ジで拡大させ続けていれば、あとは何をやってもいい」と言うと、すごく自由なことを言っているように聞こえます。しかし、貨幣供給を何パ-セントかの一定の伸び率に延々と保ち続けるのには、実は厳重な統制経済をやらなければ、できるはずはないのです。
貨幣供給の伸び率を一定に保つことは、マネタリ-ベ-スがどういう乗数で、実際に市場にどれだけのマネ-サプライとして現れてくるか、そこまでコントロ-ルするということです。それこそ、一人ひとりの人間の頭に拳銃を突きつけて、お前一日にいくらの金を何回転させろと命令でもしないかぎり、絶対にできるはずのないことなのです。
だからこそフリ-ドマン的な金融政策が失敗につながっていて、それ自体が過度なインフレやデフレなどその他もろもろの不況の原因になっているし、バブルの原因になったりしています。
だからマネタリストは、オ-ストラリア学派からは、実はケインジアン以上にきらわれています。いかにも我々と同じことを言っているふりをして、実は統制経済を裏道から導入しようとしているやつらだと。
ケインジアンもマネタリストも、本質においては「社会主義的」経済学なのです。
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経済素人の私でも、斬新な考え方に思えますね。以上は、増田悦佐(ますだ えつすけ)氏の考えです。ノ-ベル賞の受賞者であるフリ-ドマンを批判するぐらいですから、将来、増田氏もノ-ベル賞の受賞をできるぐらいの経済学者なのでしょうか。興味深く見てゆきたいものです。
アシュラさんがいらっしゃったら、これに対するご意見をお伺いしたいのですが・・・・・。
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