中国人の価値観について、TVで識者が論じていた。ある識者（論者）は自身の経験もまじえ、中国人の独特の思想である中華思想について語る。論者は、北京の勤務を終えて明日は帰国という晩に、中国人の友人と酒を酌みながらホンネの話をしたそうである。

　その中国の友人は、日本は中国に支配される（影響下にある）のが自然であると本気でを語ったそうである。そこには、なんの力みもなく、当然であるような自信も見えたそうである。

　その中国人は、市井の一般人ではなく中国でも知識階級の身分の人であったという。これは、私たち日本人にとっては驚くべきことである。これが、中華思想というものであろう。かれらには、中国の価値観が一番なのだ。

　１３億の人口と広大な国土を持つ中国は、昔から大国であった。文化的にも優れていた。歴史も長い。そのことが一番意識を生み出していくのだろう。そして、これが現代にも生きているということだ。習近平の言動は、基本に中華思想があるに違いない。欧米や日本の感覚からは大分ずれたことしているが本人は気がつかない。

　これは時代錯誤であると思う。昔の中国は世界の文化・文明の中心であったが、近代に入ってからはそれはもう過去の栄光としか言えないのではないか。そして将来、中国が、世界の文化、文明の中心になれるかというと、それは疑わしい。

　現代は、西欧近代に生まれた人権思想、法治主義、国際法などが人類の重要な規範となっている。日本は明治維新で、西欧の文化、文明をそのまま受け入れた。

　中国は、近代法の精神を理解できているか？　広大な中国を秩序あらしめ、統治するには強い中央権力が必要だというのが、共産党や大方の中国人の言い分だろうが、果たしてそれだけでイイのか？　個人の人権を認めると国が崩壊するのか？　国民に自由な発言を許し、政治に国民が参加することが国の崩壊につながるのだろうか。ここが、おかしいのである。

　中国人民は強力な中央政権がなければ国が成り立たないのか？　個人の人権はなくてもイイのか、言論、思想の自由はなくてもいいのか？