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  • from: ueyonabaruさん

    2016年03月12日 17時43分08秒

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    記憶の力は偉大です

    グスグスチヌスの懺悔録(告白)の第17章26に次の言葉があります。

    -------------------------------------------------------------------------------------
     
     記憶の力は偉大です。神よ、それは何かしら恐るべきもの、深く無限に多様なものです。しかもそれこそ心でであり、それこそまさに、私自身なのです。では神よ、私はいったい何者でしょう。私はいかなる本性のものなのでしょうか。それは複雑多様であり、まことにもってはかりしれない生命です。

    ----------------------------------------------------------------------------------------

     私たちは、人間とは心だと教えられておりますが、アウグスティヌスはそれを記憶とも言います。記憶とは、人が自身の行為したことを憶えていて記憶として内部に蓄えておくことにほかなりません。心は記憶だと言って良いし、人間だと言っても良いのでしょう。

     非常に興味深く受け取りました。人間とは何かと問われたら、「人間とは心だ」と答えても良いし、「人間とは記憶だ」と答えても良いことになります。心というとばんやりしますが、記憶というとなんだか身近な具体的な対象のように感じられます。

     西田幾太郎が言うように、体験が人間をつくるという論からすれば、個人の体験は記憶として人間の内部に蓄えられるのですから、その人の記憶を教えてもらえばその人のことがわかると言えそうです。

     記憶というキーワ-ドをもとに対機説法を考えてみたい。

     アウグスティヌスの時代には、現代の深層心理学などなかったので、心の作用すべてを記憶という現象に収れんさせていったのかもしれません。潜在意識という現代の概念も彼は記憶と表現しているのかもしれませんね。

     大川先生の説かれることを、歴史上の偉人たちの言葉と比較しながら学ぶことは、とても有益なことのように思います。

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