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from: ueyonabaruさん
2018年03月29日 20時42分24秒
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中朝首脳会談は「放蕩息子の帰還」となるか?
中朝首脳会談は「放蕩息子の帰還」となるか?ご存じのように、正恩が習と会談しました。習も北を訪問することになったそうです。会談の様子が中国サイドから漏れ
中朝首脳会談は「放蕩息子の帰還」となるか?
ご存じのように、正恩が習と会談しました。 習も北を訪問することになったそうです。
会談の様子が中国サイドから漏れています。なかなかのものです。
産経3月29日http://www.sankei.com/world/news/180329/wor1803290006-n1.html
「初の外国訪問が中国の首都となったのは当然で、(訪中は)朝中親善を引き継ぐ私の崇高な義務だ」(産経前掲)
最初の訪問国が中国なのは「崇高な義務」だときました。それどころか、共産国特有の言い回しですが、習を「同志」と呼び、こんなことまで言っていたようです。
「会談でも習に朝鮮半島情勢の急速な変化を挙げ、「私が遅滞なく習同志に状況を報告するのは当然だ」と言ってのけた」(前掲)
「報告するのは当然」ですって(笑)。
今までさんざん勝手放題やって、中国派は皆殺しにし、習の特使には面会も許さずに追い返しておきながら、困った時にはメンツをかなぐり捨てて飛び込んでくるというわけです。
古川勝久氏(国連北制裁パネル専門委員)は、昨日の「ザ・ボイス」で、去年から正恩の訪中は準備されていたのではないか、という見解を示されていましたが、それはないと思います。
正恩は自身がいみじくも言うように、この間の「朝鮮半島情勢の急速な変化」に尻を蹴り飛ばされて、北京に押っ取り刀で駆けつけたのです。
やっとトランプの罠に気がついたのか、正恩、といったところです。
米国がなぜ、冬季五輪を政治利用した南北融和攻勢を容認していたのか、この天上天下唯我独尊のこの男にも分かってきたようです。
それは北を首脳会談に「追い込む」筋書きだったからです。
トランプは巧妙にも、正恩の側から会談を言わせて、それをトランプが呑むという形を整え、あくまでも会談を発議したのは北という流れを作り出しました。
いうまでもなく、米国はムンの動きを完全に追跡していましたから、この動きを事前に知っていました。
そして5月中開催とリミットを切って逃げ場を塞いでおいてから、おもむろに出したカードが融和的なティラーソン解任、後任はポンペオ、そして国家安全保障担当補佐官にバランスの取れたマクマスターから「あの」ボルトンという、これ以上ありえないような超強硬対北・対中シフトでした。
彼らが仕切る会談準備なんて金網デスマッチです。考えたくもないと正恩は背筋が凍ったことでしょう。
米国は事前協議でとうぜん核査察まで踏み込むでしょうが、不調なら中止してもいささかもかまいません。なぜなら、言い出しっぺは北だからです。
北はチャブ台返しをすれば、自分が言い出したことを自分でひっくり返すことになります。
南北朝鮮の伝統芸であるチャブ台返しの技が、あらかじめ封じられているのです。
もうこうなれば、なんとか旧宗主国にすがって、米国との関係をとりなしてもらうしかありません。
上の写真を見ると冷やかな眼で見据える習に対して、媚を含んだ眼で作り笑いする正恩というていたらくです。バツが悪いだろうなぁ。
後ろでおそらく中国関係者でしょうか、ホーっという顔をして見ているのが印象的です。
さて会談内容ですが、詳細は公表されることはないでしょう。
というか、そんな突っ込んだ交渉ができるほど、この内弁慶男に外交力量はないと思ったほうが自然でしょう。
「新華社によると、金委員長が習主席に対し、北朝鮮が緊張緩和に向けて自発的に動き、平和的な対話を提案したことにより、朝鮮半島情勢が改善し始めたと語った。
金委員長は「故金日成主席と故金正日総書記の遺訓により朝鮮半島の非核化に尽力することは、われわれの一貫した立場だ」と表明。北朝鮮は米国との交渉や米朝首脳会談の開催に前向きだと述べた。
その上で「韓国と米国がわれわれの努力に善意で応え、平和と安定の雰囲気を作り出し、平和の実現に向けて段階的かつ歩調を合わせた措置を取るなら、朝鮮半島の非核化問題は解決可能だ」とも述べた」(ロイター3月28日)
https://jp.reuters.com/article/nk-china-visit-idJPKBN1H400C
「非核化が一貫した立場」とは笑わせます。
金日成は死去するまで計40回、2代目正日も10回近く中国を訪れていますが、一貫した米朝の会談テーマは核開発でした。
初代・2代目は、ある時は親分と立て、ある時は泣き落とし、ある時は崩壊カードをちらつかせて中国指導部に核兵器技術の移転を懇願してきたのです。
結局、このアカンタレの言い分を飲んで、北に核技術を移転してしまい、いつ何時自分らに牙を剥くかわからないような国を作ってしまったのが、他ならぬ今までの中国指導部でした。
トランプがオバマの「戦略的忍耐」のツケを払わされているように、ある意味、習も今までの指導部の北の核武装支援のツケを払わされているのです。
「金は、米韓が「善意でわれわれの努力に応え、段階的で歩調を合わせた措置をとるなら、非核化問題は解決できる」とし、習に意思疎通の強化や対話の擁護を要請した。
北朝鮮ペースでなければ、非核化に応じないとの表明といえ、前提は韓国特使にも訴えた「体制の安全の保証」だ。生き残りを懸け、中国を最大の擁護者とするため、「宿敵」に膝を屈して取り入った覚悟がにじむ」(産経前掲)
ここで正恩が言っていることは、「段階的に歩調を合わせた措置を実施すれば」という大前提が、非核化の前提だということです。
これはよく勘違いされるのですが、単に「北の体制維持」を意味しません。
また、この「段階的歩調」という意味を吟味して下さい。これは「段階的に」非核化をする、つまり、当面は米国に到達するICBMだけは凍結していいという意味です。
実はこれは中国のfreeze-frieze方式と合致します。
次に、今まで北は「非核化」の条件として、「北の安全保障が満たされれば」という意味で使ってきました。これはすなわち在韓米軍の撤退を意味します。
これをトータルに吟味してみると、北の言い分は次のようなことになります。
「非核化を達成するために、双方が譲歩せねばならない。我々はICBMを凍結を宣言する用意がある。
ならば、米国は在韓米軍撤退と核の持ち込みをしない約束をしてほしい。
これは中国のfreeze-frieze方式と合致するではないか。
ここさえ乗り切れば、後は熟した柿が落ちるように、南はムン同志と私で統一する。悪い話ではなかろう。朝鮮半島丸ごと中国圏だ。
ぜひ、この線で米国とかけあってもらえないだろうか」
もちろん、私の勝手な想像ですよ。
ただ、これも公式な発表がないので断言は避けますが、中国はそう簡単に「協力しよう」などいう可愛いタマでありません。
ただし中国にとって、米国に完全に喪失したと思われていた北への影響力復活、という宣伝にはつかえるでしょう。
一方、米国にとっては、かつての「地上侵攻せねば限定攻撃を容認する」という立場を中国が翻したか否かが焦点となることでしょう。
いずれにしても、中国が「窮鳥懐に入れば」といった今の状況を最大限利用することは間違いありません。
たとえば、南シナ海における航行の自由作戦の停止、経済制裁の停止などの妥協を取ろうとすると思われます。
■追記
北朝鮮「日朝首脳会談、6月初めにも」 党幹部に説明 (朝日3月29日)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180329-00000002-asahi-pol
北朝鮮関係筋によると、金正恩(キムジョンウン)政権が最近、朝鮮労働党幹部らに「6月初めにも日朝首脳会談の開催がありうる」との説明を始めた。日朝首脳会談に対する金正恩政権の関心が明らかになるのは、2011年12月の権力継承後初めて。
2018年3月29日 (木) | 固定リンク | コメント (5) -
from: ueyonabaruさん
2018年03月17日 20時37分01秒
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米国政権は対中・対北強硬派に変化した
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/米国政権は対中・対北強硬派に変化したトランプの辞任ドミノが止まりません。今度はマ
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/
米国政権は対中・対北強硬派に変化した
トランプの辞任ドミノが止まりません。今度はマクマスター安全保障補佐官が辞任の方向のようです。
ハーバート・マクマスター - Wikipedia
[ワシントン 15日 ロイター] - 米ワシントン・ポスト紙は15日、複数の関係筋の話として、トランプ米大統領がマクマスター大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を解任する方針を決定したと伝えた。
ただ、大統領は後任選びを慎重に進めており、マクマスター氏がすぐに退任することはないという。
5人の関係者によると、トランプ氏は後任にジョン・ボルトン元国連大使や国家安全保障会議(NSC)のキース・ケロッグ事務局長などを検討している」
ハーバート・マクマスター
ただ、ティラーソンには外遊中に首を飛ばすという屈辱を与えたわけですが、今回は「恥をかかさないために後任人事には時間をおく」そうです。
去年来、トランプはティラーソンを生殺しにしてきたのを、引き止めてきたのがマティスだったことはよく知られており、遠からずマティスも辞任するのではという憶測が生じています。
もし後任にジョン・ボルトンでもなることになれば、トランプ政権内で、ティラーソン、マティス、ケリーといった現実主義路線派の大部分が閣内から去るということになります。
さらには、大統領に経済政策を進言する大統領国家経済諮問委員会のゲ リー・コーン委員長が対中課税強化に反対して辞任し、後任には反中論客で有名とされるラリー・クドロオが任命されたようです。
もうひとつおまけに、USTR代表も対中強硬派のロバート・ライトハイザーですから、これにポンペオが国務長官に指名され、ボルトンが安全保障主席補佐官になれば、対中・対北強硬派で閣内が統一されることになります。
やや複雑な心境ですが、この対中・対北強硬派が米政権の新たなの流れだということを押えておくべきでしょう。
トランプの政策決定には、多分にひらめき的なものがあります。
おっと、これは美的表現で、要するに典型的ハッタリ屋、あるいはスタンドプレイヤーです。
私はこのような体質とはソリが合わないので、できたら安定したペンス副大統領に代わってほしいくらいですが、とまれそれが彼の資質なのですからしかたがありません。
ただし、こと北との対応においては、このスタンドプレーのいい面が出た側面もあります。
思い出していただきたいのですが、北が得意としてきたのは過激派まがいのおおよそ国家がいうようなセリフとも思えないイっちゃった言辞でした。
いわく、「崩壊しちゃうぞ、核武装するかんね、戦争だ、戦争だ、核大国だ、火の海にしてやる、困るだろう。なら金出せ、石油だせ、原発作れ」というわけです。
このような外交儀礼もくそもない言動をされると、オバマのような学級委員長的青瓢箪は、呆然としたのでしょうね。
これがオバマの悪名高い、「戦略的忍耐」を生みました。
オバマ政権が、特に第1期において、断固たる対応をとっていたなら、あの時期は核ミサイルを持っていない時期だったのですから、はるかに解決は簡単だったはずです。
トランプ外交のことを「素人のデタラメ外交」と外交官出身評論家たちは評しますが、この無為無策のオバマの後をついで処置なし状態で手渡されたという側面もあることをお忘れなく。
トランプという奴は何をするか分からない、これこそがトランプの最大の外交カードでした。
なにせ、誰にも相談しないで、韓国使節に対して「分かった。分かった。北朝鮮に私がそうすると伝えてくれ。彼(金党委員長)に『イエス』と言ってくれ」と言っちゃうんですから、スゴイですね。
同席していたペンス、マティス、ケリー、マクマスター、サリバン(国務副長官)は腰を抜かして、「大統領、リスクがありすぎます」と諫めたようですが、トランプは「分かった、分かった」と一蹴したとか。
多少の逆説的ニュアンスも込めてですが、これができるのはたいしたことです。
このようなハッタリ一発で局面を開くという手法は、実は金一族の十八番ですから、正恩が「トランプ大統領に直接会って話ができれば、大きな成果を出せるだろう」といった球を見事に打ち返したことになります。
打ち返された正恩のほうが、逆に正直たまげたでしょうね。
「ウンとは言えまい、どうだ」と放ったら、オーケーとすんなり返ってきたわけで、これですっかりイニシャチブは米国ペースになってしまいました。
そのうえ、圧力をいささかも弱める気がない証拠に、ポンペオを国務長官の後任に据えるのですから、芸が細かい。
何度か指摘してきていますが、このようにトランプ外交はあんがいハッタリの背後に中身が備わっているのです。
国連安保理の経済制裁・海上臨検という大義をとりつけて、国際社会は一丸となって北の核をとりあげようとしているという実績があるわけです。
そしてご存じのように、空母をズラっと3隻並べて見せたり、B!爆撃機を境界線すれすれに飛ばして見せるといった開戦恫喝も加え続けています。
つまり、裏付けのある脅しで、そのうえに立って「オレはクレージーだぜ。ホントにやるぜ」と大統領本人が言っているのですから、確かにこれはほんとうに怖い。
これがトランプの「マッドマン・アプローチ」です。少なくとも、あの青瓢箪の空疎な理想主義的無為とは対局であることくらい、北も理解できたはずです。
この米国大統領が、「閣僚ひとりやふたりの首を飛ばしてでもやるぞ」、という決意があれば、事態は動くということでもあります。
おっと、初めはトランプをディスろうと書き始めたのですが、だんだんと褒めてしまったぞ(苦笑)。
とまれ、昨日書いたイラン核合意廃棄もそうですが、大統領が「こるらぁ、こんなもの屑籠だぁ」とわめいて一悶着起こし、それを「戦う修道士」のマティスがはがい締めにして諫めることができねばシャレになりません。
つまり阿吽の呼吸で、「怒る大統領」vs「止め男」という二人羽織の構図があってなんぼのものなのです。
怒鳴られた相手国はビビリ、妥協点を探ることになるかもしれないからです。
イランの場合は、2次制裁解除を維持し、合意の骨格は崩さないことと引き換えに、トランプがいう「イラン合意の欠陥」の修正協議に応じる可能性もないとは言えません。
北の場合、クリストファー・ヒルやジョセフ・ユンのような外交官たちが四半世紀かけて解決の糸口にも達しなかったのに比べれば、とりあえず入り口に達したと評価すべきでしょう。
うちの国の首相が、北との会談もやぶさかではないと言っているようですが、この機をおいて拉致被害者を奪還できる可能性がないからです。
先述したように、北は追い詰められています。
トランプに取りなしを頼めるのは、いまや世界の首脳で安倍氏しかいないのは明らかです。その交渉材料として、拉致被害者を返す可能性もありえます。
楽観はできませんが、状況は急速に動いているのです。
※お断り 改題し、新人事を加筆しました。いつもすいません。
2018年3月17日 (土) | 固定リンク | コメント (2)