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  • from: 坪井さん

    2009年11月06日 20時59分34秒

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    石の旅 七沢石


    七沢の石切丁場には、信州高遠の石工が出稼ぎに来て、石を切り出し刻んだ。高遠藩は、現在の新宿御苑に屋敷を構え、内藤新宿を発展させた。内藤清成は、江戸開府の功により徳川家康からこの地に20万坪を超える広大な屋敷地を拝領したと誉れ高いが、石工の世界では別である◆お国である信州高遠では、藩の過酷な年貢の取立てに苦しんだ。飢饉の時は数千人が諸国に散ったという。石工たちは五人組という共同責任の制度により石切目付に監視され、農閑期は七沢の石切丁場に出稼ぎに、農繁期には帰村し田畑を耕した。年貢のほか運上金も取り立てられた。七沢石は、石工たちの血がにじんだかのような、赤い礫岩を含む凝灰岩である。明治時代には戦死者の墓石や石臼として遠く北海道にも販売され、大正9年頃が最盛期であった◆現存する七沢石の庚申塔を訪ね、平塚の不動院に行った。平塚博物館発行の本にある七沢石の庚申塔を見たいとお願いしたところ、住職さんは親切に境内を案内してくれた。赤い石仏には元禄13年の崩れかけた文字、正に高遠藩の時代の出稼ぎ石工の作である。縁側に座り、奥様のお茶を頂く。枝垂れ桜に囲まれた寺の写真を見せていただきながら、この美しい景色がいつまでも続くよう祈った。

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    坪井

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