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from: 里山徘徊人さん
2008/06/12 22:39:55
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養蚕の断想⑤ 桑の葉
清冽な詩情と命への慈しみに満ちた言葉に、多くの人たちが共感を寄せる、夭折の童謡詩人・金子みすヾの詩に「不思議」と言う作品があります。その一節……
私は不思議でたまらない、
青い桑の葉をたべてゐる、
蚕が白くなることが。
今ではすっかり見られなくなってしまったが、
養蚕農家には幾つもの桑園があった。
写真は山桑の枝です。
カイコが幼虫の頃は柔らかい葉を摘んで与える。
成長するにつれて、硬い葉もやるようになり、
上族前(繭を作る)には、刈り取った枝に葉が付いたままやる。
飼育時期になると、畳を上げて、
臨時の蚕室にした座敷の一角で、
家族一緒に寝たものでした。
一晩中、カイコたちが桑の葉を食べる
「サワサワ」という音が続いていた記憶があります。
朝になると、硬い葉脈だけ残って、白いカイコが絡まって蠢いている。いま思うと、相当不気味な情景だったと思う。
食べ尽くす=蚕食、はここから来ている。
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