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シムダンス「四次元能」

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  • from: 生成門さん

    2009年07月06日 21時08分17秒

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    イチローは4割を打てるか(6)

    イチローは4割を打てるか(6)
    <補完共振>

    150kmのストレートと120kmのチェンジアップの差異をどうすれば乗り越えることができるのでしょうか。この差異の強度(強さ)を乗り越えたものだけが四割打者になれるのです。

    現在のMLBでは、イチローとジョー・マウアー(ツインズ)がその資格を持っているのでしょう。二人ともボールを呼び込んで打つバットコントロールの良さが似ています。

    イチローがオープンスタンスにして、スタンスを少し小さくしたのは、インパクトの瞬間まで差異空間を広げたということです。ストライクゾーンを縦横方向に加えて奥行き方向に広げるということです。奥行き方向に広げるということは、それによって呼び込んで打つために長くボールを見られるということです。

    呼び込んで打つということは差異空間を収縮させて点にすることです。この差異空間は伸縮自在なのであり、それがバットコントロールということになります。イチローのストライクゾーンは他の打者に比べてかなり広いのです。それはバットコントロールが良いので、どこに来ても打てるということです。

    さすがに、四球が少なく、ゴロが多いのでマイペースだという批判がされるのですが、それは差異共振的打法が理解されてはいないと言うことです。主流の考えは「狙って打つ」です。アメリカではそういうもともと「狙わずに打つ打法」はないのです。極論すればホームランしか価値がないのですから、ホームランを打てる球を狙って打つのです。

    ですから、イチローのようなバッターはアメリカでは育たないのです。しかし、イチローのいるマリナーズはバントが多くなってきたように思います。それはホームランばかり狙っていても勝てないからであり、貧打が多いからでしょう。チームの事情は別にして、イチローが四割を打てば文句はないのです。

    差異の脅威を乗り越えるには、差異を受け入れ、差異空間を伸縮自在にして、ボールを呼び込んで打つことです。差異を否定すれば、相手のイデアは見えないので差異が不確定となり、打てる確率は悪くなります。次に何を投げるのかを読んで決め付けて打つというのでは三割が関の山なのです。それでも三割打てれば、レギュラーですから、データ野球などと言われるようになったのですが、いくら読んでも三割台の下の方で止まるのです。四割を打つには、読んではならないのです。読んでもいいのですが予想がはずれても対応できなければならないのです。

    予想がはずれても対応できるためには、差異と共振しなければなりません。四割を打つにはスキゾ脳で無ければなりません。パラノでは差異と反共振してしまうので、三割台の下で止まりなのです。

    投手の投げるボールをA(ストレート)とB(変化球)とします。差異と共振するということは、AとBを受け入れることです。つまり、AとBの両方を待つことです。AかBかどちらかに絞って山を張ってはならなのです。大概の打者は追い込まれるまではストレートに絞って強振します。上手く当たれば長打になりますが確率は悪いでしょう。山を張って上手くいっても三割がやっとでしょう。

    四割打者を目指すなら、AとBの両方を待つことです。AとBの両方を待てば、完璧なら10割になるのですが、他の要素も関係するのですから、そうはいきません。やはり、四割がいいところでしょう。

    イチローにはその可能性があると思います。クリーンヒットだけがヒットではないのですから、とにかくバットに当てれば、左で足が速いので、内野安打で率を稼げるのです。これを生かすには差異共振的な打法でなければならないのです。

    差異共振的とは即非的ですから、次元を下げずに、三次元空間をそのまま受け入れて打つことです。三次元脳のバッターは、三次元の差異空間が揺らぐので対応するのは難しいのです。ですから、次元を落として、二次元ないし一元に看做して差異を単純化するわけです。最も単純化したのがゼロ次元のゼロ=点と看做すことです。どのみちインパクトの瞬間は如何にバットの芯のボールを当てるのです。つまり、点で打つのですから、差異を単純化することは間違いではないでしょう。ゼロ点は差異がないもっとも単純な点です。このような対応は四割を打つためには正しいのでしょうか。

    文明は三次元を単純化して発展してきましたが、その結果の反動によって人間は苦しんでいます。人生を楽しむどころか、欲望の奴隷になっています。悩んだまま死を向えているのが現実なのです。

    しかし、次元の誕生で述べように世界は差異のないゼロ次元からスタートして、一次元、二次元、三次元と空間を差異化してきました。そこには正四面体の重合があり、時間と空間の畳み込みがあり、陰陽のイデアから反転して、虚が実になる空のダイナミズムがありました。空のダイナミズムは三次元が畳み込まれたた後、虚次元に戻り、虚から実に戻るときにゼロ次元に戻ることではなく、三次元に戻るのです。ですから、一次元・二次元は三次元に畳み込まれるのです。一次元・二次元から派生するのではないのです。まして、三次元から二次元、一次元、ゼロ次元に次元降下する必要がないのです。

    しかし、現実には次元降下して点で打っているのです。しかも、それで「そこそこ」の人生、「そこそこ」の打率を残せるのです。この矛盾を解決しなければならないでしょう。

    そこには空のダイナミズムの二重性、二面性があります。即非という空の性質にあります。空は、{i*-i,i*-(-i)}という構造を持っています。空は陰陽のイデアの差異があり、その虚のエネルギーが共振・反共振するかで分岐するのです。分岐の仕方は共振すればi*-i⇒+1となり、反共振すればi*-(-i) ⇒-1となります。

    この空のダイナミズムが三割か四割の分岐点なのです。i*-i⇒+1なら四割となり、i*-(-i) ⇒-1なら三割という図式になるのです。

    この謎を解く鍵は共振にあります。共振とは差異の共振です。差異とは陰陽のことであり、即非ABのことです。BとはAに否定ですから、即非AB=差異=即非Aと「Aではない」の同時成立です。
    Aと「Aではない」が同時成立するということは矛盾です。矛盾は葛藤となります。

    アメリカ文化はyes or notです。中間はないのです。即非を認める文化はasian tasteです。禅文化がその典型でしょう。それを、身をもって実践しているのがイチローなのです。イチローはアメリカ文化のyes or notに辟易していると思います。しかし、そのイチローの姿に共感するモンゴロイドがいるのです。彼らは南米からきた人達なのです。


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