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from: 生成門さん
2010年10月09日 06時28分49秒
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日本語は西洋文法に染まっている
日本語は西洋文法に染まっている
<PSとの共振>
主語の要らない日本語が生まれる背景は京都に限らず国全体が小さな島国ということもあるでしょう。それは特別な状況=場かもしれません。いづれにしても、場に限定されて生きるのが生き物なのです。
ですから、場所こそが思考の原点なのです。日本語はどのような言語なのかを知ることは、私達の出目を知ることなのです。その出目を「日本語には主語はあるのか」
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-665.htmlを参照して、調べてみましょう。
以下、編集して引用しました。
日本語には学校文法と三上文法があります。ここでいう学校文法とは、私たちが学校で学ぶ文科省お墨付きの国文法をさし、三上文法は、『象は鼻が長い』や『日本語の論理、ハとガ』の著作で有名な三上章(みかみ あきら)の提唱する日本語文法をさします。
学校文法は当然のことながら日本で広く普及しているのに対して、三上文法は海外では有名だが国内ではあまり知られていません。
恐ろしいことに、主語の有無について両者の見解は水と油のように真っ向から対立しています。
「花は美しい。」や「花が咲く。」は文です。
学校文法では、「花は」や「花が」を主語だと教えます。(日本語に主語はある)
三上文法では、「花は」を題、「花が」を主格とします。(日本語に主語はない)
学校では、体言(名詞)に助詞の「は、が、も」がつくと主語になると教えます。誰でも、日本語に主語はあると信じて疑うことはしません。
三上文法によると、英語などインド・ヨーロッパ語では主語は述語動詞の形を決定する重要な成分で必要不可欠なものですが、日本語には初めから主語などというものは存在していないと主張しているのです。
助詞の「は」と「が」はまったく性質の異なるものであり、これに「主語」という同じレッテルを貼っているのはおかしいというのです。
確かに、「象は、鼻が長い。」という文の主語は何か、と尋ねられたら返答に窮するでしょう。学校文法に従えば「象は」も「鼻が」も両方とも「主語」ということになります。
しかし、単文に2つの主語があるのは変です。三上文法によると、「象は、鼻が長い。」という文において、「象は」は題(主題、題目 topic)で、残りの部分「鼻が長い」は解説 (comment) だといいます。この文の場合、「鼻が」という主格が解説に含まれているからです。
しかし、日本語では主格(何が、誰が)がなくても文は成立します。たとえば、料理文がそうです。料理文では「何を」は何度も登場するが、主格「誰が」は出てこないのです。言う必要がないからです。
山崎紀美子著 『日本語基礎講座』三上文法入門から、料理文の一例を引用します。
「新ゴボウのかき揚げ」
<主な材料>
新ゴボウ2本(200グラム)、桜エビ(素干し)15グラム、牛乳100cc、大根200グラム
<作り方>
ゴボウは汚れを落とし、斜め薄切りにして水にくぐらせ水気を切り、薄口しょうゆ大さじ1をからめます。ボウルに薄力粉100グラム、牛乳、桜エビ、ゴボウを入れまぜます。8等分し170度の揚げ油で、カリッと揚げます。大根おろしとしょうゆを添えます。
作り方の冒頭にある「ゴボウは汚れを落とし」は、言うまでもなく、ゴボウが自分で汚れを落とすわけではありません。
ゴボウについて言えば、その汚れを料理人が落とす、という意味です。「ゴボウは」は、主語などではなく、題なのです。
ですから、その後に続く「斜め薄切りにして」「水にくぐらせ」もゴボウについて言っているのです。「水気を切り」もゴボウの水気を切り、という意味ですし、「薄口しょうゆ大さじ1をからめます」もゴボウにからめる、ということです。つまり、題は、点(コンマ)を越えるのです。
ここで、もし冒頭を「ゴボウの汚れを落とし」というようにすると、「斜め薄切りにして」や「水にくぐらせる」のが、何を対象としているのかわからなくなってしまいます。
―――
うーん、なるほどと思います。
日本語では主格(〜が)がなくても文は成立するということを理解できたでしょうか。
本来の日本語には主語がなくて、それが学校では、「主語がある」と教えられてきたということになり、私達は西洋的な文法に影響を受けた学校文法に染まっているということなのです。
では、狭い空で波風を立てない工夫としての本来の日本語、情緒のある表現としての本来の日本語ですが、どこに行ってしまったのでしょうか。
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