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from: 生成門さん
2010年10月19日 14時04分14秒
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チュモンというベクトル・モード(1):恨みは進化の原動力
チュモンというベクトル・モード(1):恨みは進化の原動力
<PSとの共振>
韓国で脅威の視聴率を記録した壮大な大河ドラマ「朱蒙(チュモン)」があります。
写真はhttp://chumonlove.blog119.fc2.com/
から引用しました。
誰からも見下されていたチュモンが幾多の出会いと試練を重ねるうちに大きく成長し、やがて扶余を旅立ってタムル軍を再組織、漢との壮絶な戦を勝ち抜き、高句麗(コグリョ)の偉大な初代大王として歴史に名を残すまでの軌跡が描かれています。詳しくはhttp://www.bsfuji.tv/jumong/
を参照してください。
今回は、このドラマの説明をしようというのではありません。
海舌氏の提唱する概念装置「ベクトル・モード」の説明をしたいのです。
ベクトル・モードを使いこなさないと、この世界の現象がなぜ多様なのかを、うまく説明できないのです。
しかし、この概念がまたまた難しいときているのです。そこで、簡単にイメージできる方法がないかと思って韓国ドラマを持ち出してきたというわけです。
このドラマは時代考証的にはやや疑問がありそうですが、三度も見てしまいました。
実に面白いです。最初は馬鹿にしていたのですが「宮廷女官チャングムの誓い」に続いて嵌ってしまいました。
筋書きは単純なのですが、のめり込んでしまったのです。
その理由は「怨み」を「ミッション」に昇華させる進化論的なテーマがあるからでしょう。
韓国は「怨の文化」であると言われだけあってなかなか表現がうまいのです。
恨みが人間の生きる原動力であるというのは、四次元能の提唱する新しい進化論です。果して、本当にそんなことが言えるのでしょうか。PS理論を援用して説明を試みたいと思います。
恨みの感情は特別に韓国人だけの専売ではなく、人間に共通の心理です。犬や猫が人を恨んで復讐をしたという話は聞いたことがありません。
復讐というのは人間固有の心理ですが、これが場の条件によって、それぞれの歴史や文化や国家観を作ってきたのではないかと思うのです。
現代では復讐は禁じられており、それに代わって裁判によってエージェント化されていますから恨みの感情は処理できないまま、私達の日常の生活の中に隠されてしまうようです。
復讐というほど大げさではないでしょうが、日常の些細な揉め事や虐めとか妬みなどは恨みと似たような感情でしょう。
人を妬み、憎み、恨むというのは、実に人間らしい感情です。これがあるから、未来が開けるのです。その証拠がこのチュモンというドラマなのです。
人間は恨みのエネルギーを昇華させることで、困難な状況に追い込まれてもしぶとく生きてきたのではないか思うのです。
「復讐とは何か」を説明しておきましょう。「復讐心が生まれるプロセス」http://www.counselingservice.jp/lecture/lec192.htmlを参照してください。以下、編集して引用しました。
まず、彼女は突然寂しくなってしまって、その寂しさを一番解消してほしい彼に電話をしました。そして、彼の声を聞いて、つながりを感じることで寂しさを埋めようとしました。
ところが、彼が電話に出てくれないことで、つながりではなく分離感を感じてしまい、余計に寂しさが大きくなってしまいました。
その寂しさや悲しみで傷ついてしまった彼女は、「もういいっ!」と携帯電話を放り投げて、彼とのつながりを求めようとすることをやめることで、これ以上傷つかないようにしています。
そして、電話に出てくれない彼に対して怒りを持つことで、その寂しさや悲しみを感じないようにしています。
彼からの電話があった時、彼女は怒りと復讐心から彼の電話に出ませんでした。
「私をこんなに寂しくて悲しい思いをさせたのだから、あなたも同じ思いをすればいいのよ!」
―――
このような説明では、シムハンターの皆さんは物足りないでしょう。
PS理論ならもっと明快に解明することができると思います。
復讐心を持つ多くの人は弱い人です。
相手から無視されて怒るなら自己否定ではなく他者否定です。他者否定なら自閉という態度はとりません。
復讐心を持つということは悔しいからでしょう。つまり、悔しさは敗北感の裏返しなのです。
敗北感とは自己を否定することなのです。敗北を認めるということは自己が弱いことを認めることなのです。ですから、弱い人間は自己を否定するのです。
しかし、その自己否定が生きる力になることがあるのです。小動物が恐竜時代を生きてきたように、弱い故に知恵が働くようになったのが証拠です。
臆病で心配性な人は弱いのです。その証拠は猫です。猫は臆病で心配性で弱いように見えます。同じ猫科でも、トラは強いですが、やはり小動物と大きな動物の違いが大きいようです。
人間の先祖は小動物であり、日陰でこそこそと生きてきたのであって、小心であったことで、今日謳歌することができたのではないでしょうか。
その弱い人間がどのようにして生き延びてきたのかは知る由も在りませんが、想像することはできます。それが擬装戦略です。どのように擬装するのかは「自我は擬装する」http://www.c-player.com/ad00178/thread/1100097854812を参照してください。
初めから自我を擬装する人などはいません。母の胎内で守られて育つのですから天国の人生です。
しかし、もともとが弱い小動物の遺伝子を持っているのですから、直ぐにその弱さが出てきます。
人間は自己肯定、つまり、バラ色の人生と期待を持ってこの世に生まれてくるのですが、社会に出ると直ぐに自己を否定しなければならない状況に置かれるのです。往々にして苛められることになるでしょう。自分が如何に弱い人間であるかをいやというほど知らされるのです。
そこで起こることは強がりか諂いか妥協であるでしょう。自尊心を保てないのであり、非自尊、つまり、自己卑下、反省、後悔です。
これらはすべて+1凸iから+1凹iへの反動となって自己を否定して隠蔽する偽装的なルートです。自己を否定して閉じこもるのです。そのような選択をせざるを得ない状況に追い込まれるのです。自我が否定されるのです。
それでどうするかです。遺伝子は「お前は弱い人間だ。だから、他者と同化して生きなさい。」という命令を下すでしょう。
遺伝子の命令ですから、従わなければなりません。自分という存在を否定して、他者になるということです。ただし、その現れ方には大きく二つに分かれます。
自信を喪失して完全に自閉してしまう場合と緊急退避と考える場合です。臥薪嘗胆しても呉越同舟した越の王の場合は、自分という存在を本当に否定はしたのではないのです。緊急退避と考えたのです。
現代ではすべてがゲーム化して失敗しても反省と称して、お酒を飲んで忘れてしまい、翌日から、再び、復帰ということはよくあることですが、事態が深刻であればあるほど、そうはいかなくて立ち直るのに時間がかかる場合もあるでしょう。
緊急避難の程度はあるとしても、自己を否定して、擬装して他者になるという点では共通しているのでしょう。
こういうときは難を逃れ、敵が去ってしまうことを期待して、待つだけなのです。機会を待てば、元の自分に復活することもできるでしょう。
実際、すべての小動物はじっと身を隠して嵐が過ぎるのを待っているのです。それが自我の擬装戦略なのです。
どんなに惨めでも、弱い立場なのですから擬装でもなんでもして生きるしかないのです。
小動物は恐竜時代をそうやって何億年も生き延びたのです。そして、恐竜が滅びて、やっと、我が世を謳歌することになったのですが、その遺伝子は私達に現として残っているのです。
さて、チュモンの舞台となった古朝鮮は、漢の支配によって多くの人が流民となり、苦しみ死んでいったのでしょう。その場には、多くの恨みをもったまま浮かばれない霊+1凹iが浮遊していたに違いありません。
本来、+1凹iは自我の対称性である無我ですから、無我の心-1凹iの反転した現れのはずですが、+1凸iの自我から反動した+1凹iは、無我ではなく擬装自我なのです。つまり無我のように見えて真正の無我ではなく、恨みを抱えた自我なのです。
+1の反動
+1凸i=自我→(反動)→+1凹i=無我(擬装自我)
-1からの反転
-1凸i=無我の心→(反転)→+1凹i=真正の無我
擬装自我と真正の無我の心との戦いが、この物語の主人公チュモンの生き様であり、テーマでもあるのです。
無我の心とは-1凹iであり、それを反転した+1凹iが真正の無我の自己であり、自我+1凸iから反動したのが+1凹iの擬装自我なのです。
この擬装自我にどう打ち勝つのか、それをチュモンはどのようにして為すのか。恨みを建国のミッシション=自我+1凸iにどのように変えていくか。本当の自分を取り戻すために何をなすのか。これがこのドラマの見所でしょう。
それはドラマを見ていただくとして、ここでは「怨みを晴らす」から{建国する}に自己革新した進化のドラマを、ベクトル・モードを使って説明したいと思うのです。
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コメント: 全1件
from: kaisetsuさん
2010年10月19日 14時54分11秒
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「Re:チュモンというベクトル・モード(1):恨みは進化の原動力」
生成門さん
今回も楽しく拝読しました。
多くの人に読んで貰いたくて、海舌のブログでも紹介させて頂きました。
擬装自我と真正の無我の心との戦いが、主人公チュモンの生き様であり、テーマでもある by シムダンス「四次元能」
http://blog.kaisetsu.org/?eid=811942
今後の展開が楽しみです。
海舌
> チュモンというベクトル・モード(1):恨みは進化の原動力
> <PSとの共振>
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> 韓国で脅威の視聴率を記録した壮大な大河ドラマ「朱蒙(チュモン)」があります。
>
> 写真はhttp://chumonlove.blog119.fc2.com/
> から引用しました。
>
> 誰からも見下されていたチュモンが幾多の出会いと試練を重ねるうちに大きく成長し、やがて扶余を旅立ってタムル軍を再組織、漢との壮絶な戦を勝ち抜き、高句麗(コグリョ)の偉大な初代大王として歴史に名を残すまでの軌跡が描かれています。詳しくはhttp://www.bsfuji.tv/jumong/
> を参照してください。
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> 今回は、このドラマの説明をしようというのではありません。
>
> 海舌氏の提唱する概念装置「ベクトル・モード」の説明をしたいのです。
>
> ベクトル・モードを使いこなさないと、この世界の現象がなぜ多様なのかを、うまく説明できないのです。
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> しかし、この概念がまたまた難しいときているのです。そこで、簡単にイメージできる方法がないかと思って韓国ドラマを持ち出してきたというわけです。
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