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シムダンス「四次元能」

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  • from: 生成門さん

    2012年06月30日 10時39分03秒

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    交通信号システムの認識モデル(1)

    交通信号システムの認識モデル(1)
    <四次元能版エヴァンゲリオン:正4面体モデルIPOS>

    「物を認識する」ことの意味を理解するためにアイボを取り上げましたが、アイボの中身が分からないので不十分でした。

    そこで、アイボをシステムと考え、物を具体的な「車」に置き換えて、車が走っている道路を制御する「交通システム」を考えてみましょう。「交通システム」は「車」を「認識するロボット」なのです。

    道路には交通信号機(手足)と感知器(カメラ)が設置されており、車が通るとその感知器から信号が中央のコンピュータ(脳)に伝送され、そのデータを集積して、時間当たりの通過車両を計算し、信号機の赤青の配分を決めたり、信号機間の同期をとったり、渋滞情報を表示したりする認識ソフトが内臓されているのです。

    「交通システム」は信号機を制御して、交通の最適な状態を作り出すことを目的としていますから、認識ソフトだけでなく制御ソフトも内蔵されていますので、かなり知的なロボットです。

    しかし、今は余り広げないで車の感知だけに限定していきます。それだけでも、その述語プロセスは混み入っているのです。

    車の感知の述語プロセスは次の通りです。

    車が来ると信号が発生し、いなくなると信号が途絶えますから、信号が存在する間を1とすると、00001111110000となり、0から1になったときが分かれば、車が来たことが分かり、1から0になったことで車が通り過ぎたことが分かります。これで一台とカウントします。これによって幹線と交叉する交通量の比が分かりますから、その比は交差点の混み具合を表現していますので、信号機の赤青の配分を選択することができます。

    00001111110000というパターンはどのようにして生成させるのでしょうか?

    それは感知器から来るアナログ信号をデジタル信号の変換することで可能なのです。

    感知器は常に超音波を発しますが、その下を車が通ると超音波を遮りますのでそれを検出します。検出は簡単で単なる電圧の「ある・ない」を出力する回路です。車が通過すると元に戻りますので、矩形波のような連続したアナログ信号が出て来ることになりますが、これを、電線を使って中央のコンピュータに送信する仕組みになっているのです。

    信号を受信したコンピュータ(実際はインターフェースが介在します)は、それを100μ毎にサンプリングして、コンピュータのバッファに記憶します。その場合、電圧が「ある」は車がいない、「ない」を車がいると解釈して、ない=0、いる=1として、つまり、デジタル化して保存しておきます。車が感知器の下を通過するのはあっという間(m秒)ですから、サンプリングするのはμ秒単位でなければなりません。

    交通システムの半分はこの感知器の感知する述語の依存しているのです。感知器が故障すると盲目で運転しているようなことになるのです。

    これでサンプリングしたデータの1から0の切り替わるところを検出すれば、車が来たことと去ったことが分かるでしょう。

    又、1の数を数えると車がその感知器を通り過ぎる時間が分かりますから、車の速度が分かります。この情報を次の交差点との連動に使うことができます。

    サンプリング・データ「00001111110000」というパターンはバッファという場所に保存されますが、車は次から次ぎへと来ますから、バッファの中がどんどん変化していきます。次の車が来る前にデータの処理を終わっていなければなりません。貯水池が大雨で溢れる様子を想像してください。それと同じことが起きるのです。溢れた水は四方に流れて行きますが、コンピュータの場合はバッファのデータが上書きされてしまうので、前のデータが消えてしまうのです。消える前に処理しなければ、車が来たのに来ていないことになってしまうのです。

    これでは車に台数が現実より低い数字となり、混雑しているのに混雑していないといった間違った認識となってしまうのです。

    正しく認識するためにはどうすればよいのでしょうか?

    貯水池は大きくするとか、予備の貯水池を持っておくとかになりますが、それには場所が必要であり、コストがかかってしまいます。コンピュータの場合も同様で、バッファのサイズを大きくしておけば、何とか凌げますが、感知器は一台ではありません。信号機があるところには少なくとも、上り下りで二台は必要です。又、交叉する方にも必要な場合もあります。そうすると交差点数に比例して感知器の設置台数も増えていくでしょう。結局、コストとの兼ね合いになるのです。

    貯水池の場合、入ってくる量より多くの水の吐き出してしまえばよいのですが、これにも限度があるでしょう。コンピュータの場合も同様で、バッファの処理を次の車が来るまでに終わればよいのですが、それにも制約があります。これは次の車が来るまでの時間がどのくらいあるかで決まるでしょう。車間距離(25m)が分かれば計算できますが、時速(50km)で2秒位ではないでしょうか?

    ということは、2秒以内に前の処理が終わっていれば良いということになります。コンピュータで2秒という時間は相当な長さですから大概は十分なのですが、それも感知器の数が多くなる広域制御になると次第に余裕がなくなってきます。

    そのときはどうするのかというと分散化することです。一台のコンピュータですべてを受け持つのではなく、数台でやるのです。これについてはこれ以上踏み込まないでおきます。

    感知器によって車の台数と速度が分かるのですから後は信号機を制御することになります。
    続く

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