三人称ドラマは一人称の視点と区別することが難しい
＜四次元能版エヴァンゲリオン：三人称の自由度＞

現実はアラジンのように自由にはいかないのでしょうか？

小説(ドラマ)と言えば、大概、三人称です。最近はドラマを見ることが多いので三人称の自由度についてドラマで説明します。

ドラマは主人公の視点で表現されていますから、一人称の鑑賞者（ドラマを見ている私）としては好き勝手にそのドラマの世界をツアーするわけにはいきません。例えば、結末を先に知ることはできないのです。サスペンスものなどで、結末を先に示して、犯人が誰かを推理するという展開がありますが、犯人を先に知ることできないという点では、同じです。

韓国ドラマなどは、インターネットで番組を紹介していますので、HPへ行けば、粗筋や人物相関図などを知ることができますが、それはネタバレですね。ネタバレは程度問題もありますが、紹介する方も、ネタバレしない程度に肝心のところは暈しているようです。いずれにしてもネタバレは三人称の認識だということですね。

ネタバレが欲しいかどうかは一人称側の選択ですが、ドラマ自体は一人称側の選択が許されないのでGoogleMAPよりも視点が限定されているのです。

ネタバレを暈すというのは、視点を限定するということであり、一人称側に興味を起こすような仕掛けとも言えるのです。「渡る世間は鬼ばかり」というタイトルをつけたドラマは、世の中には悪い人ばかりがいるということをテーマにしたドラマだということを、見る側に教えているのですからネタバレしているとも言えるのですが、この程度なら逆に見てみようと思わせるに十分なのでしょう。実際、高い視聴率を維持していました。

いずれにしても、主人公に襲い掛かる様々な事件は、見ている側には予想がつかないことであり、予想がつかないからこそ面白いのですが、このようなネタバレしない三人称ドラマは一人称の視点と区別することが難しいでしょう。

続く