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from: きびもあさん
2008年07月20日 20時22分54秒
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『日々と八千代』1-2
「ものっすごい号泣か、
ものっすごい虚無感なんじゃないの」
初めから僕の答えには興味の無い素振りで、
彼女は続けた。
「まぁ、死にたいって言うヤツはまだマシかもね。
『生きたい』としか聞こえないから」
「ふーん…」
僕は、正直、
この傍らに居る彼女が苦手だ。
長い睫毛が影を落とした、
茶色く透明な大きな瞳が、
小さな鼻先が、
薄く尖ったピンクの唇が、
彼女の全てが、
僕という存在を否定しているように思えてしまう。
「アンタみたいに何もかも諦めたみたいな人間のほうが、
ずっとタチが悪いし、
ムカつくかも」
彼女の僕への罵声は、
日常茶飯事だ。
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